危険性も隠蔽か?菅政権下でコロナワクチン接種という大きな不安

arata20210128
 

我が国でも2月下旬から開始される予定の新型コロナワクチンの接種。菅政権にその安全性や有効性にかかわる確たる情報を公開する意思はあるのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、首相はワクチン接種の成功に政治生命をかけてはいるものの、これまでの答弁等を振り返る限りにおいては、透明性の高い情報開示は期待できないと結論づけています。

新型コロナワクチン接種には安全情報の完全公開が必要だ

同じ国会議員でも、羽田雄一郎議員は発症してすぐにPCR検査が受けられず、コロナで死んだ。石原伸晃議員は無症状でも検査を受け、すぐに入院できた。

同じ世論調査でも、朝日新聞の内閣支持率は33%、産経・FNNのそれは52.3%…。どちらを信用すればいいのやら。永田町界隈は解せないことだらけである。

今年度中、すなわち今年3月までに使う予定の第三次補正予算案に、1兆円をこえるGoToトラベル事業を盛り込んだまま通常国会がスタートし、菅首相は、野党の要求する予算組み替えを拒否した。3月までにGoToを再開できると思うのだろうか。これも、謎だ。

代表質問が始まると、まず問題視されたのは菅首相の答弁の短かさだ。誰に対しても平等に素っ気ないが、たとえば、21日の参院本会議、立憲民主党の水岡俊一議員は新型コロナウイルスのワクチン接種などについて約30分質問したが、菅首相の答弁は、わずか10分弱。あまりにも短すぎるので、野党の議院運営委員会理事たちが本会議場の壇上に詰めかけるほどだった。

別にいいのである。答弁時間が短くても。関係ない話をダラダラと続けて野党議員の質問時間を奪った前首相よりマシかもしれない。ただし、簡明にして、中身があれば、の話だ。

菅首相のそれは短いだけで、ほとんど質問とかみ合うことがない。水岡議員は接種を受ける国民の不安や疑念を代弁した。菅政権がワクチンで成果をあげ、沈み続ける内閣支持率を浮上させたいと考えているのであれば、十分に時間をかけて答えるべきである。

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さて、そのワクチン接種。2月下旬から始め、まずは医療従事者、そして次は高齢者だという。71歳の筆者も高齢者の部類なので、順番が早いのはありがたいが正直、打つべきかどうか迷っている。

副反応も怖いし、どれほど効果があるのかも疑わしい。政治的な思惑もからんで世界的なワクチン開発競争が起き、まだ長期的な安全性が十分確認されていない段階で世に出るというイメージが強いのだ。

国内の専門家がテレビで発言しているのを聞くと、これから日本で接種されることになるワクチンはどれも、かなりの優れものらしい。しかし、あくまで従来型の新型コロナウイルスに対応できるということであって、いま世界のあちこちで発見されている変異株に対する効能のほどは定かではない。

だからこそ、接種開始にあたっては、国のリーダーの説得力が何より肝心である。そのためには透明性の高い情報を国民に提供する仕組みが必要だ。

ところが、菅首相は「感染対策の決め手となるワクチンについては、2月下旬までには接種を開始できるよう準備いたします。私も、率先して接種します」(施政方針演説)とスケジュールを語るだけ。何はともあれ首相たる自分が接種するのが安全の証拠、といわんばかりなのだ。

水岡議員は、ワクチンについて「副反応や変異株にも効果があるかなど、最新情報やデータを公開する手立てをどう考えるか」と質問した。

世界中でワクチン接種が広がるにつれ、副反応の実例や、変異株に対する効果など、さまざまなデータが出てくるだろう。当然、メディアも報じるだろうが、政府としてどのような情報公開の手立てを講じるつもりなのかというのが、水岡委員の質問の趣旨である。これに対する菅首相の答弁。

「副反応や効果を含めワクチンに関する正しい理解を広げるべく科学的知見にもとづいた正確な情報を発信してまいります」

正確な情報を発信。もちろん、そうしてもらわなくては困る。ただし、これでは水岡議員の質問に答えたことにはならない。国民は、アベ・スガ政権で継続している情報隠蔽、説明拒否の体質を不安に感じている。刻々と変化する情報を、いかに迅速、的確に国民に公開していくのか。その仕組みをつくるつもりがあるのか、ということを聞きたいのだ。

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