コロナ優等生の台湾で感染拡大に疑問符。中国人密航と国際線パイロットを結ぶ点と線

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新型コロナの感染拡大が世界で収まりを見せない中、「コロナ優等生」と言われてきた台湾で、ここ最近になって感染拡大が起きています。ここまで水際対策をしてきた台湾で何が起きているのでしょうか? 台湾出身の評論家・黄文雄さんはメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の中で、国際線パイロットが新型コロナ感染拡大の原因となっている点と、5月初旬に台湾領である金門島に中国人がゴムボートで密航する事件が相次いだことに注目。さらに、コロナ感染が拡大する台湾に対して、中国側が支援を申し出たことについて、点と点が結ばれた先にある「疑惑」を記しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年5月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】新型コロナ急増の裏で中国人の不法上陸が発覚した台湾

● 台湾でコロナ急拡大 全学校でオンラインに 拡大のきっかけは…

台湾でコロナ感染が拡大しています。台湾のメディアは毎日コロナ状況について報道し、陳時忠衛生福利部長(衛生相)は頻繁に会見を開いてワクチン状況などの説明をしています。

5月17日の新規感染者は333人、5月18日は240人。この時点の累計感染者数は2260人、死者は累計14人となりました。

上記のNHKの報道では、国際線パイロットが感染源かもしれないと言っています。台湾の報道では、感染が多い地域は台北市万華地区。万華地区に住む高齢の女性は、コロナ感染が確認された直後に自宅で倒れて亡くなりました。そのほか、5月19日の現地報道では、台湾大学病院や東亜病院などの医療機関でクラスターが起こっているとのこと。中華郵政の職員の間でもクラスターが確認されました。

台湾政府は、全国の警戒レベルを最高4のうち3に引き上げて警戒しています。全国の学校は5月28日までオンラインに切り替えました。学校を休んでも学びは休まないとして、急遽各児童にタブレットを配布。

飲食店だけでなくコンビニなどお店に入るときは、お店に貼ってあるQRコードをスマホで読み取って、来店情報を入力してから入店する方法を採用するなど、いろいろな方法を模索しています。

それでも、急激な感染者の増加に国民は混乱しています。政府がどんなに会見を開いても、蔡英文総統が感染者療養施設を視察しても、今はまだ混乱状態のようです。日本でもありましたが、マスクをしないで大声で喚き散らす人がいたり、スーパーに買い占めに走ったり。

コロナ優等生の台湾とシンガポールで感染者が増加していることから、コロナパンデミックが新たな展開を見せているという報道も見かけます。WHOも第二波は第一波とは違う動きを見せると言っています。以下、報道を一部引用しましょう。

「世界保健機関(WHO)で緊急事態対応部門を統括するマイケル・ライアン氏は25日、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置を性急に解除すれば、ウイルス感染例が減少しつつある国が直ちに感染の「第2波」に見舞われる恐れがあると警鐘を鳴らした。

ライアン氏は、多くの国で感染例が減少する半面、中南米や南アジア、アフリカでは増加傾向にあるとし、世界はまだ新型コロナ感染の第1波に対応している状況と述べた。

感染の第2波とは通常、第1波が過ぎ去ってから数カ月後に発生するケースを指すとしつつも、「感染が急に広がる可能性はあり、現在減少しているからといって、第2波に備えるために何カ月もの時間があると想定することはできない。第1波中に第2波が訪れる可能性もある」と警告した。」

新型コロナ「第2波」早期到来も、WHOが感染減少国に警鐘

確かに、欧米ではワクチンが行き渡ったこともあり、感染者は減少し、マスク解禁になっている地域もあります。

一方で、「中国からゴムボートで台湾に密航 相次ぐ 中国人の身柄確保」というニュースが5月6日に報道されました。この報道は、5月4日に金門島に不法に上陸した中国人の男の身柄を確保したとあります。

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