【アドラー心理学】相手のやる気スイッチを簡単に入れる「アイ・メッセージ」会話術

Ursa Major/Shutterstock
 


◆ 人に注意をするときも。

そのあたりを勘違いしてしまい、たとえば「社長は部下よりも人間として上だ」「対等ではない」と思ってしまうと、問題が生じます。

たとえば部下に怒鳴りつけたり、威圧したり…。
ムチャクチャな命令を聞かせようとしたり…。

そうなると、部下は結果的に反発してしまい、企業がどんどん乱れていきます。

ですのであなたに部下がいたとしても、決して何かを強制してはいけません。

「○○だから、こうしてくれると嬉しいのだけども」
「そのやり方だと、△△になる可能性があるんだけど、どう思うかな?」

というように、それこそ対等な同僚に何かを説明するように、一つ一つ、大人としての言葉でトークすることです。

それで納得すれば、相手は従ってくれるはずです。

それは命令として何かを強制するより、最終的にもっとも企業全体を良くしていくはずです。


◆ 親子でも、上下はない。

これは「親子関係」でも同じです。

「○○しなさい!」
「△△してくれないと、怒るよ!?」

そんな風に、自分の子供に強制を繰り返していては、子供もストレスがたまっていきます。

また、たとえ従ってくれたとしても…。

それこそ「どんなときでも、親の言うコトに従うことしかできない」子供になってしまう危険性もあります。

そうすると、将来成長したときに、一人では何も判断できない人間になってしまう危険性だってあります。

アドラー先生は、やはり同じく、子供にたいしても、

「一人の独立した存在として、何かの言葉をかけてあげるべき」

としました。


◆ ほめるのも、実はダメ!?

さらに「しかる」のがダメなだけではありません。

親は子供にたいして「ほめてはいけない」とも言いました。

「あなたは頭がいいね!」
「あなたはスポーツが上手ね!」

そんな風にほめることは、一見いいことのように思えます。

しかしそれはウラを返せば、

「あなたは私より下だ」
「私は、あなたの状態を、客観的に評価できるほど上の人間なんだ」

というメッセージになります。

「えっ!? そんなつもりないよ!?」

と思う人もいるかもしれません。

しかし想像してください。

一般人が、サッカーのプロ選手に、

「鈴木さんはサッカーうまいですねぇ」
「シュートが上手ですね」

なんて、面と向かって言わないのではないでしょうか。

将棋の名人に

「将棋が上手ですねぇ」…。

格闘技の達人に

「パンチが強いですねぇ」…。

そんな風に言うコトは決してないはずです。
おそらく相手は、言われても嬉しくないのではないでしょうか。

逆にほめることが、いわゆる「上から目線」であり、失礼に当たる…。

これは親子であっても同じ、というわけです。

特に「ほめる」ことを続けることで、「ほめられないと何もしない」という人間になってしまう可能性もあります。

だからこそ「ほめてはダメ」というわけです。

print
いま読まれてます

  • 【アドラー心理学】相手のやる気スイッチを簡単に入れる「アイ・メッセージ」会話術
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け