子供を野菜好きに変える方法
『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』第9号より一部抜粋
子供の野菜嫌いを治したい!!切実な声を良く耳にします。
子供は思った以上に味に敏感です。特に苦味は毒の味、反射的に吐き出すくらい敏感な子供もいます。それに加え、辛味、渋み、も最初から好きになる味では無く、「経験の味」、何度か味わって次第に美味しいと感じる味といわれています。
一方、原始的に、つまり生まれながらにして好きな味、欲する味というものがあります。
砂糖、塩、油脂、そして旨み。
これらは今すべて人工的に量産され、加工食品で安価に使用されています。ここが野菜嫌いを作ってしまう第一の原因。
第二の原因が空腹感を感じる時間が現代の子供たちには無いこと。動かないし、いつだって食べ物があれば、上記の食べ物を選んでしまうのは致し方なし、でしょうね。
日本中、こんなに「野菜を食べる事」で悩んだり問題を抱えている人たちが多いのに、一向に解決させるための指針が見えてきません。
教育現場の食育も表面的です。給食は経費がかかるので外部委託。食育講演のときにとある学校のPTA会長さんが質問されました。
「給食を食べる時間がとても短く、食べ残した給食の廃棄量がものすごく多い。とても矛盾を感じる」というものでした。いろいろな立場もあるだろうし、批判的な回答はしたくなかったので、「学校の運営にかかわる事、皆さんで良くお話合いになってください」という返答に留まりました。貴重な教育の時間を無駄にしているのです。
野菜総合科で野菜の味について連載していますから、そちらを参照してください。
野菜嫌いを作らない、野菜を少しでも好きにさせる・・そのための視点を変えると。
- 空腹で食べる
- 苦味、辛味、渋みの野菜はちょっとずつ慣れさせる。
- 小さいころは「甘さ、塩、油脂、化学調味料」の多い加工食品は食べさせないようにする。自然の甘さ、自然の油脂(ピーナッツアボカド)、うま味を味の記憶に残すこと。
小さいころの良い経験は必ず後で役に立ちます。諦めない、この子は「さすが、慎重な行動の我が子!食べないとは」と発想を変えてみて今の状況を楽しむ。このおおらかさが必要です。