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「デザインは車の『ターボ』」
デザインを依頼される場合に一番厄介なのが、中身は変えずに外観だけを新
しくして、かつ売上は増やしたいという案件です。
依頼する側としては、お金を払ってデザインしてもらうわけだからそれによ
って売上が増えて当然、と思うでしょうが、以前からお話しているように外観
だけの変更では効果は限定的です。
私たちのクライアントの中にも「デザインは魔法のようなもの」「デザイン
さえ変えれば売上は飛躍的に増える」と思っている方が多く見えます。しかし
デザインは魔法ではありません。デザイナーの手にかかればそれまで鳴かず飛
ばずだった商品が一夜にしてヒット商品になるなどは夢物語です。
これまでの商品開発の経験から言えるのは、デザインは車でいえば「ターボ」
の役割を果たすと考えています。車のターボはたとえば1000ccクラスの車(日
産のマーチなど)でも、ターボを付けることによって2000ccクラスの馬力を
発生させることができます。
つまり、うまくデザインされていない企業の商品が1000ccの馬力しかなく
ても、良いデザイナーが上手くデザインすることでその倍の魅力を発揮させるこ
とができるのです。
例をあげましょう。
ある教育関連のメーカーの例です。それまでその会社は設計部門が強く、デザ
インにはあまり力を入れていませんでした。そこの商品で低価格のものがあった
のですが、低価格ということでさらにデザインはレベルの低い商品でした。
この商品のデザイン依頼があったのですが、私たちはこの商品には大きな可能
性があると感じました。機能がシンプルで誰にも使いやすかったからです。つま
り、子供や女性の教員にも使いやすいわけで、より使いやすくわかりやすくすれ
ば受けるのではないかと考えました。
そこで、外観は極力シンプルに、ボタンの数も減らして使いやすくするデザイ
ンを提案し採用されました。その商品はいまやその会社を支えるまでの大ヒット
商品となりました。
つまりデザインは、その企業や商品に潜在的な力があることを見抜き、「ター
ボ」の力でぐっと魅力を増してあげることができるのです。
ただし逆に企業や商品の魅力がもともとなければいくら「ターボ」をかけよう
としても無理です。エンジンが点火していなければ「ターボ」はかけようもあり
ません。最初の話もそうですが、まずは自社の商品の魅力がどこにあるのかを知
ることが大事です。ただデザインして売れるように、は安易すぎます。
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☆筆者略歴 横山十二
商品プランナー/工業デザイナー
大小様々な企業とのデザインプロジェクトと企画を経験。講演などで、デザイン
が企業を革新できることを日々説いている。
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☆下記ブログにてデザイン日記を公開中
http://idea263.exblog.jp/