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西部謙司メールマガジン

  1. スポーツ・アウトドア
  2. サッカー
  3. 海外
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◆西部謙司のメールマガジン  Vol.サンプル



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目次

1.ご挨拶 
2.週刊バルサ(vol.1、vol.2、vol.3)
3.週刊10大ニュース
4.BALL AROUND THE WORLD (vol.1 バルセロナ編)
5.よく分かるサッカー用語解説(第1回 くさびのパス)
6.シニアサッカー入門(Vol.1 シニアサッカーへようこそ)
7.Q&A 質問募集


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1.ご挨拶
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 ~メールマガシン開始のご挨拶~
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 こんにちは、西部です。このたびメールマガジンを始めることになりました。

 えーと、実はこういう挨拶がけっこう苦手です(笑)。人前で喋るのは平気なのですが、自己紹介とか挨拶とか、そうなるとなぜか無口になるんですね。あの、実はメールマガジンが何たるかをちゃんと理解していません(汗)。ただ、そのへんはエルゴラッソですから、きっち
りフォローしてくれるでしょう。僕はひたすら原稿を書きます。

 心苦しくも有料です。ですから、代金に見合ったものにしなければなりません。皆さんからも、これを書けとかあれをやれとか、どしどしリクエストしていただければ幸いです。皆さんの要望にもできるだけ答えつつ、こちらもいろいろと企画を立てて多彩なメルマガにしていこ
うと思っています。(質問は:kenjinishibe@blogola.jpまで)

 とりあえず、量は確保していこうと。中身がいっぱいだと、お得感があるでしょ? インタビューもやりたいし、書評にも挑戦したいと思っています。決して損はさせません。そういうメルマガを目指して、キックオフです。

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2.週刊バルサ
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 ~vol.1、vol.2、vol.3~
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Vol.1 マジョルカ 0-3 バルセロナ(リガ25節・2011年2月26日)
【ジャイアント・キリング起こさせない方法】


◇◆主力欠場もなんのその◇◆

 マジョルカのホーム、イベロスタースタジアムで行われた25節。バルサはGKバルデス、DFプジョル、ダニエル・アウベス、MFチャビの主力4人が欠場する非常事態だった。しかし、フタを開けてみれば3-0の快勝。メッシの先制ゴールまでは、ややリズムが悪かったものの、そ
れ以降はつけいる隙を与えなかった。バルサの先発は以下のとおり。
GK ピント
DF アドリアーノ、ピケ、アビダル、マックスウェル
MF ブスケツ、ケイタ、イニエスタ
FW ペドロ、メッシ、ビジャ


◇◆ジャイアント・キリングを起こさせない理由◇◆

 サッカーではジャイアント・キリングが起こる。他のボールゲームに比較すると、小が大を食う確率はずっと高い。やはり、基本的にロースコアのゲームだからだ。ところが、今季のバルサには相手にそれをやらせない強さがある。サッカーでは一定の確率で起こりえるジャイア
ント・キリングを、なかなか起こさせない。その点で、今季のバルサは傑出したチームだといえる。

 バルサのコンセプトはドリームチームの時代(ヨハン・クライフ監督在任期間中の1988年から1996年までの事)から基本的には変わっていない。まず、ボールを支配する。7割近くボールを支配していれば、相手の攻撃のチャンスをかなり限定することができる。自分たちはボール
を支配し、自分たちの方法で攻め、より多くのチャンスを作る。相手には攻めさせない。ポゼッションで優位に立てば、およそ8割方の試合は勝てるというのがバルサの考え方だ。

 ただ、実際にはボールを支配しているだけで試合に勝てるとは限らない。ポゼッションで圧倒的に優位でありながら、なかなか点がとれずにカウンターにやられるチームはたくさんある。やはり、どうボールを支配し、ゲームを支配するか。

 バルサのやり方の1つは、相手にロングボールを蹴らせることだ。そして、守備から中盤までのエリアで必ず数的優位を維持すること。この2点が、かなり重要なポイントであり、マジョルカ戦でもそれは実行されていた。


◇◆ロングボールを蹴らせる◇◆

 バルサの試合では、相手チームがロングボールを多用しているように感じられるはずだ。ビジャレアルやアーセナルのような例外もあるが、大半のチームは苦し紛れのロングボールを蹴り、それをバルサにカットされ、自陣からなかなか出られない展開が続く。まさにサンドバッ
グ状態で、これでは確かにいつかやられてしまう。

 ロングボールは蹴るほうも、受けるほうも、ショートパスに比べて難しい。バルサは相手にロングボールを蹴らせ、自分たちは極力蹴らない。ロングボールを蹴れば蹴るほど、通常はミスが多くなる。そのためにポゼッションの差が生じるわけだ。では、どうやって相手にロング
ボールを蹴らせ、それを回収していくのか。

 マジョルカ戦のバルサのフォーメーションは、変則的だった前節のアスレティック・ビルバオ戦と違って4-1-2-3のノーマルなものだった。これは、相手のマジョルカのフォーメーションが4-4-1-1のため、通常のやり方で噛み合うからだ。バルサはどんな相手でも
同じフォーメーションではない。必ず噛み合わせを考慮し、変化させる。これは小学生のカンテラのチームでも日常的に行われているそうだ。

 まず、マジョルカ陣内で守備は始まる。ピッチを守備、中盤、攻撃と3つのゾーンに分けたとき、攻撃ゾーンの守備の仕方が重要だ。このゾーンでは、マジョルカの4バックに対してバルサの3トップという図式だが、実際にはメッシは中盤に引いていることが多い。ここで重要
なのはCFのメッシではなく、両サイドのペドロとビジャだ。この2人で、マジョルカの4人のDFをこのゾーンに押しとどめられるかどうか。これが大きなポイントになってくる。

 といっても原則は簡単。相手のSBをペドロとビジャで抑えてしまえばいい。そうすると、マジョルカのCB2人がフリーになるのだが、彼らの前にある中盤ゾーンにはメッシ、イニエスタ、ケイタ、ブスケツ、さらにサイドもマックスウェル、アドリアーノが抑えていて待ちかまえ
ている。ここへドリブルで運んでいくには相当な勇気と自信が必要だ。パスをつなぐのも容易ではない。なぜなら、このゾーンにはマジョルカの選手が5人いるが、バルサは6人いるからだ。結局、メッシやイニエスタやケイタに少しプレッシャーをかけられた時点で、CBはロング
ボールを蹴り出すしか選択肢がなくなってしまう。


◇◆マジョルカが最初のチャンスを逸すると・・◇◆

 中盤ゾーンと守備ゾーンで数的優位を確保しているバルサは、マジョルカに予定どおりロングボールを蹴らせ、こぼれ球をすみやかに回収してしまう。自分たちはロングボールを蹴らず、数的優位を生かして確実にキープしながら、じわじわと攻め込む。いつものバルサのリズム
で試合が進むかと思われた。しかし、前半に2回ほどマジョルカにビッグチャンスが訪れている。

 バルサは自陣からもパスをつなごうとする。しかし、やはりミスも起きる。マジョルカのチャンスは、いずれもバルサが自陣からつなごうとして失敗したときに起こっていた。ビジャがキープしているボールを自陣で失うなど、不安定な時間帯があった。だが、マジョルカがチャ
ンスを生かし切れずにいると、38分にメッシが先制ゴールをゲットした。

 マジョルカのディフェンスラインの裏へフリーで飛び出し、バウンドしているボールをヘディングでゴールへパスするように決めた。メッシは得点以前にも、2回マジョルカのラインの裏へ侵入している。少し後方からの走り込みで、ラインの裏をついていた。

 マジョルカのディフェンスラインは、最前線にいるペドロとビジャに合わせられている。この2人の飛び出しではオフサイドにかかりやすい。しかし、それより後方から加速して侵入してくるメッシを食い止めるのは非常に難しい。バルサは守備と中盤のゾーンでは数的優位を確
保しているが、逆にいえば攻撃ゾーンは数的に不利になっている。しかし、そこまでは数的優位を生かして確実にボールを運べるので、最終局面ではメッシやイニエスタらが攻撃ゾーンに侵入して手数を増やせる。とくに、スピードに乗ったときのメッシは手がつけられず、先制ゴー
ルの場面でも誰もメッシをマークできていなかった。

 これ以降、余裕を持ったバルサのパスワークが冴え、マジョルカはほとんど自陣から出ることすらできなくなってしまった。


◇◆家長の投入も焼け石に水◇◆

 どのチームもそうだが、バルサの対戦相手は後半にプレスが鈍ってくる。パスを回されることによるスタミナの消耗もさることながら、プレスしてもとれないので、無理に寄せていくのをやめて、傍観してしまうのだ。先制点を奪われた時点で、マジョルカの集中力も減退していっ
た。

 後半はバルサのやりたい放題。ブスケツの縦パス1本でビジャが抜け出し、GKとの1対1を決めて2-0。さらに左から切れ込んだペドロが豪快なミドルを叩き込んで3-0。グァルディオラ監督がペドロとアフェライ、ビジャとボージャンを同時交代させるほど余裕ができた。

 マジョルカも残り20分というところで家長を投入した。家長はマックスウェルを手玉にとって観衆を沸かせる場面もあったが、相手がバルサなので20分以上あったプレー時間も半分以下しかなかったように錯覚させられる。ほとんどボールを持たれてしまっているので、家長の見
せ場もないのだ。マジョルカの選手の中で、バルサの一員としてプレーした場合に、最も違和感のない選手は家長かもしれない。しかし、家長がプレーするチームはバルサではなくマジョルカだ。マジョルカでは、もっと個人技を前面に押し出して、決定的な仕事を狙っていかない
と埋没してしまうかもしれない。

「当たり前のことを当たり前にやる。バルサだから、ああいうプレーができる」

 試合後に家長が言っていたとおりで、逆にいえば、マジョルカが当たり前のことを当たり前にやるだけでは、バルサに一矢報いるのは難しいのだ。


○採点&寸評
GKピント 6.0 ほとんど仕事なし
DFアドリアーノ 6.0 無難な出来もアウベスの代役としては物足りないか
  ピケ 6.5 安定した守備、奪ってからのキープ、フィードで格の違いをみせた
  アビダル 7.5 フィードにも長足の進歩。今季、技術的に最も伸びた選手
  マックスウェル 6.5 注文どおりのラストパスをなぜかビジャにスルーされる
MFブスケツ 7.0 チームの停滞期に存在感をみせる。大物感が出てきた
  イニエスタ 6.5 いつもどおり。4選手欠場でキャプテンマークを巻く
  ケイタ 6.5 監督は絶賛。よく動いてリズムを取り戻す原動力に
FWペドロ 6.5 ゴラッソ
  メッシ 6,5 そんなに調子は良くなかったが・・あまり高い点をつけると今後が上がりすぎてしまいそうなのでこれぐらいにしておきます
  ビジャ 5.5 唯一、いまいちだった。ただ、点はとるのね

  アフェライ 6.0 何かやってやろうという意欲は感じた
  ボージャン 6.0 同上
  モントーヤ   プレー時間短いため採点しません

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Vol2 バレンシア 0-1 バルセロナ(リガ26節・2011年3月2日)
【策に溺れて(?)辛勝】


◇◆アップから気合い十分のバレンシア◇◆

 バレンシアのホーム、メスタージャの周辺は人で埋まっていた。バルセロナのバスが到着すると、携帯で写真を撮ろうと殺到する人もいれば、バルサの選手たちにブーイングを浴びせる地元クラブのファンもいる。

 首位バルサは68ポイント、バレンシアは51ポイントで3位。バレンシアは、2位のレアル・マドリードとも10ポイントもの差があり、優勝の望みはほとんどない。一方で、CL出場圏外となる5位エスパニョールとも11ポイントの差がある。バレンシアにとっては上に行ける可能性
もないが、CL圏外へ落ちる恐れもあまりない。そういう意味では、順位的な意味は薄い一戦だった。しかし、やはり相手はバルセロナだ。強大な敵を迎えて気合い十分のようだった。

 バレンシアはウォーミングアップでコーチが各選手に付き添い、相手がパスを出した後の対応をチェックしていた。パスをさばいて動く相手に対して手をからめたり、軽く体を当てて妨害していく。とくにバルサ対応というわけではないのかもしれないが、そうしたアップにも強
い気持ちが表れていた。

 さて、バルサのメンバーは以下のとおり。この日は3バックの人選だった。
GK ピント
DF ピケ、ブスケツ、アビダル
MF ダニエル・アウベス、マスチェラーノ、アドリアーノ、チャビ、イニエスタ
FW メッシ、ビジャ

 バルサは相手のフォーメーションに対応して、フォーメーションを変化させる。プレースタイルは変わらないが、形がさまざまに変化する対応型の戦術だ。3バックの選択は、バレンシアの2トップを予測したのではないだろうか。しかし、実際にはバレンシアはマタを1トップ
に置き、ホアキンをトップ下に起用する4-2-3-1だった。後半、先発も予想されていたFWソルダードが投入されたが、そのときもマタがトップ下に下がってバレンシアのフォーメーションは4-2-3-1のまま。

 おそらくバルサは相手の出方を読み違えたのではないか。そうでなければ、ペドロではなくマスチェラーノを選択したということになる。つまり、メスタージャの試合をより慎重にスタートさせるつもりだったのかもしれない。

 しかし、いずれにしてもバルサの対応はあまり上手くいかなかった。メッシの1点で勝つことができたが、バレンシアにも決定機があり、どちらが勝ってもおかしくないゲームになっていた。


◇◆対バレンシアの守備◇◆

 バルサのフォーメーションは右からピケ、ブスケツ、アビダルの3バック。マスチェラーノが1ボランチ、その前にチャビ、イニエスタ。ウイングバックにダニエル・アウベスとアドリアーノを配置した。前線はメッシ、ビジャの2トップ。3-5-2のフォーメーションだった。

 守備エリアと中盤エリアで数的優位を作るのがバルサのやり方だ。もしバレンシアが4-4-2だったなら、これで守備エリアに1人、中盤に1人の数的優位を作れる。しかし、バレンシアは4-2-3-1だった。そのため、バルサの守り方はやや変則的なものなっていた。

 バルサが攻め込んでいるとき、バレンシアは前線にマタを残しているだけだった。対するバルサは3バックがそのまま残っている。次に、バレンシアが攻め込んでくると、トップ下にホアキン、両サイドのパブロ、マチューがバルサ陣内に入ってくる。このときは、ホアキンにマ
スチェラーノがつき、両サイドのアタッカーにはピケ、アビダルが対応する。この段階でバルサの数的優位はなくなる。しかし、もう少し自陣に引いた段階では、ウイングバックのダニエル・アウベスかアドリアーノが戻ってバレンシアのサイド(パブロ、マチュー)のマークを引
き取り、3バックのうち1人が余る。これがこのゲームでの基本的なバルサの守り方だった。

 つまり、3バックがゾーンで守り、その前にマスチェラーノがいる。さらにウイングバックの1人が加わり、最終的には3+1+1の5人で守る形になる。バレンシアの攻め込み人数は1トップ+2列目の3人、計4人なので、途中で人数が同数になることはあっても最終的には
4人に対して5人で守る数的優位にしている。

 補足すると、バレンシアはボランチとサイドバックはほとんど上がってこなかった。ボランチはバルサのチャビ、イニエスタと対峙する関係なので、ここはもし上がってきてもそのままマークできる。問題はサイドバックが上がってきたときで、その場合はウイングバックが前に
出て対応する。例えば、バレンシアの右サイドバック、スタンケヴィシュウスが上がってきたら、バルサの左ウイングバックであるアドリアーノがプレス、アドリアーノがマークしていたパブロは、後方のアビダルが引き取る。このとき、逆サイドのダニエル・アウベスが最終ライ
ンまで戻っていれば、バルサの最終ラインは4人となって、数的優位を確保できる。このケースではウイングバックのモビリティがポイントになる。

 仮に、バレンシアが両サイドバックを攻撃に加担させていれば、バルサは数的優位を保てなくなるのだが、それはほぼ机上論だ。メッシ、ビジャの2トップに対して、センターバック2枚だけを残すのは危険すぎるからだ。バレンシアは少なくとも3人を自陣に残していた。上がっ
てくるのは一方のサイドバックだけなので、バルサは上記の対応で問題ない、はずだったのだが・・。


◇◆いつものリズムを欠く◇◆

 サッカーは数学ではない。数が足りているからといって、それで守れるわけではない。
 バレンシア戦でのバルサの対応は、数合わせの点でも腑に落ちないところがある。バレンシアが4-2-3-1なら、バルサはいつもの4-1-2-3でかっちり噛み合うからだ。そして、いつものとおりにメッシが中盤に引くことで攻守の数的優位を確保できる。その際のオー
バーナンバーは「2」だ。1トップに対する3バックでも2人の数的優位は作れるが、さほどロングボールを使ってこないバレンシアに対して、最終ラインでの2人余りはあまり意味がない。お尻が重い、ダブついた数的優位になってしまう。

 後方の比重が重くなったことで、バルサの前方からのプレスはいつもほどの効力がなかった。しかし、それ以上に問題だったのは攻撃のリズムを欠いてしまったことだろう。

 ウイングバックがダイナミックに動くことで、バルサはサイドを起点に何度かチャンスを作っている。ただし、後ろに引き込んで守った結果、自陣からのパスワークをバレンシアに狙われていた。また、ウイングバックの裏のスペースをカウンターでつかれる場面もあった。

 前半、バレンシアの攻勢が続いた後、メッシが3回続けてシュートを放つ決定機を逃した。アドリアーノのクロスをビジャが合わせたシュートは右ポストに弾かれている。こうしたチャンスを決めていればとも思うが、前半のバルサは攻守にリズムを欠き、バレンシアに勢いがあっ
た。

 後半17分にバルサはマスチェラーノに代えてペドロを投入。この交代で、3-5-2から通常の4-1-2-3になった。ここからようやくバルサは本来のリズムを取り戻す。
 後半30分、左サイドに出たアドリアーノが立ち足の後ろを通す切り返しでマークを外し、ニアポストへ走り込んだビジャの背後にポジションをとったメッシへパス、これをメッシがダイレクトでシュートして待望の1点をゲットした。

 バレンシアは4トップ気味にして反撃するが、何とかいなしたバルサの辛勝となった。全体的にはどちらが勝ってもおかしくないスコアどおりの接戦。バレンシアの健闘もさることながら、前半にバルサが自らのリズムを壊した結果ともいえる。

○採点&寸評
GKピント 6.5 この日は仕事があった
DFピケ 6.5 サイドへのロングフィードは見事
ブスケツ 6.5 DFとしてもMFとしても良いプレー
  アビダル 5.5 自陣でのパスにやや難
MFダニエル・アウベス 6.0 攻撃はまあまあも、守備で裏をつかれる
アドリアーノ 6.5 アシストも記録し、攻守に貢献
マスチェラーノ 6.5 守備では利いていた
  イニエスタ 6.0 ボールロストもいつもより多めでやや低調
チャビ 6.0 復帰戦。ベストまではあと一歩か
FWメッシ 6.0 決定機を外しても、やはり最後はこの人だった
  ビジャ 5.5 空回り気味
  ペドロ 6.0 登場とともにフォメもチェンジ。よく動いていた
  マックスウェル 6.0 アドリアーノに交代。可も不可もなし
  ケイタ  終盤の8分間プレー(採点しません)

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Vol.3 バルセロナ 1-0 レアル・サラゴサ(リガ27節・3月6日)
【前節とは違う1-0】


◇◆この試合のミッション◇◆

 24節以来、久々にホームに戻ったバルサは15位のレアル・サラゴサと対戦した。前節は水曜日のバレンシア戦、そしてこのサラゴサ戦が終わると、次はいよいよチャンピオンズリーグのアーセナル戦というスケジュール。当然、バルサは照準をアーセナル戦に合わせる。グァルディ
オラ監督はブスケツ、アビダル、イニエスタ、ビジャを温存した。

 ただし、やはりホームで15位のチーム相手に取りこぼしは許されない。前節はバレンシアに苦戦しているので、ここで負けるようだとアーセナル戦へ向けてのムードが相当に悪くなってしまうということもある。ある程度、主力を休ませながらも、確実に勝利するのがこの試合の
ミッションだった。先発メンバーは以下のとおり。

GK バルデス
DF ダニエル・アウベス、ピケ、ミリート、マックスウェル
MF チャビ、マスチェラーノ、ケイタ
FW ペドロ、メッシ、ボージャン

 試合が始まってみると、サラゴサは間もなく専守防衛に徹するようになった。ディフェンスラインは5人、その前にMFがスクリーンを張るように3人、そして前線には縦の関係の2トップ。フォーメーションは5-3-1-1だった。

 対するバルサは、1トップのシナマ・ポンゴルに2人のDFを残し、さらにトップ下のベルトロをマスチェラーノがみる形。中盤はいつものごとくメッシが自由に動き回り、チャビとケイタがリンクマンの役割。右サイドにはダニエル・アウベスが例のごとく右ウイングとなって張
り出すので、ペドロも中盤に引いたり前線に出たりと、第二のメッシとなる。左サイドはボージャンが幅を作るが、マークを持っていないマックスウェルが頻繁に攻撃に上がっていく。

 結果は前節と同じ1-0だった。ただ、追い込まれたバレンシア戦と違って、このサラゴサ戦のプレーぶりはいつもどおりのバルサだ。74パーセントという信じがたいポゼッションと、山のようなチャンスメーク。サラゴサのGKドブラスのファインプレー連発で1点にとどまった
だけで、前節の辛勝とは異なる内容だった。


◇◆わずかにあったサラゴサのチャンス◇◆

 サラゴサはとにかく守った。対バルサで、これがほぼ唯一の戦い方なのだから仕方がない。CLの第1レグでバルサを破ったアーセナルは例外中の例外である。バルサ相手にラインを高く保ち、攻め合うつもりで戦って勝ったチームはアーセナルしかない。昨季のCL準決勝でバルサ
を破ったインテルは、鋭いカウンターアタックを持っていたものの、基本的な戦い方はサラゴサと変わらないのだ。そして、グループリーグでバルサを苦しめたルビン・カザンやコペンハーゲンもほぼ同じである。

 果敢な打ち合いを挑んだビジャレアルやバレンシアは、いいところまではいくのだが、最後はフィニッシュの差でやられている。それで成功した初めてのチームがアーセナルだったわけだ。いまのところ、バルサ相手に勝つ可能性があるとしたら、やはりゴール前に“バスを置く”
戦い方になる。それでも、10回戦って1、2回勝てるかどうかという確率になるわけだが、それでもバルサと10回戦をするのではないから、1回の戦いでその結果を引き当てればいい。サラゴサは、そういう戦い方であった。

 サラゴサのチャンスは3回ほどあった。いずれも、ロングボールを追ったFWが単独で抜け出した形だ。前半にベルトロがミリートを振り切ってゴールに迫るシーンがあり、後半には再びベルトロがピケに競り勝って抜け出し、際どいシュートを放っている。さらに、ポンゴルがロ
ングボールで裏へ抜け、GKバルデスと1対1になる絶好機があったが、バルデスがファインプレーで阻止した。サラゴサのチャンスはだいたいこれぐらい。このうちの1点でも決められれば試合は引き分けられたわけだ。

 ただ、こういうチャンスを確実に仕留めるには、やはりそれなりの技量と経験がないと簡単ではない。インテルなら可能かもしれないが、サラゴサではやや厳しかった。しかし、逆に言えば、あれほど一方的な試合をするバルサであっても、だからといって必ず勝てるとはかぎら
ないのだ。バルサの選手、指導者はトップからカンテラも含め、サッカーとはそういうものだという前提で仕事をしている。だからこそ、ほとんどサンドバッグを叩くようなこの試合でも、グァルディオラ監督の采配は細心だった。


◇◆35分のフォーメーション変更◇◆

 前半、バルサはチャンスの山を築いたがなかなか決めらない。サラゴサ守備陣は決壊寸前だったが、何とか0-0で持ちこたえていた。サラゴサにはツキもあった。しかし、バルサ相手にこのやり方で勝とうと思ったらこれぐらいの運は必要である。だが、それも35分にグァルディ
オラ監督の指示で行われたフォーメーションの変更によって、あえなく失点することになった。

 バルサの変更は、左ウイングだったボージャンをセンターに入れ、ペドロを左に張らせたこと。右はダニエル・アウベスが右ウイングとなり、前線を3トップとした。これは、サラゴサが最終ラインに常に5人を置いていたからだ。通常、バルサは両サイドにウイングを起用する
が、センターフォワードはトップに張らないことが多い。これはウイング2人でディフェンス4人を足止めすることで、中盤と守備のエリアでの数的優位を2人にする目的があるからだ。だが、サラゴサの5バックは全く上がる気配も見せないので、FWを3人並べても2人のオーバー
ナンバーは確保できる。

 中盤にはメッシ、チャビ、ケイタ。ここにマスチェラーノかマックスウェルが加わって4人。サラゴサは3人なので数的優位は1人。一番後方のエリアでは、ポンゴルに対してピケ、ミリートがいるので1人余る。トップ下はマスチェラーノかマックスウェルがマークする。

 これで、数的優位を生かして縦横にパスを回して攻め、奪われたら素早くプレスしてロングボールを蹴らせ、落下点でも数的優位を生かしてセカンドボールをすみやかに回収するという、いつものバルサ式の試合の流れができあがった。グァルディオラ監督の指示は、それを無駄
なく行うための交通整理である。

 フォーメーションを変えたからというわけではないだろうが、すぐにバルサに1点が入る。右サイドをメッシがドリブルでこじ開け、ゴールライン際から折り返し、詰めたケイタが押し込んだ。メッシのドリブルには3人のDFが順番に対応していったが、誰もボールをとることが
できず、軽くよけられてしまった。

 後半もバルサの一方的な展開は変わらず。追加点は奪えなかったものの、サラゴサのごく少ないチャンスもバルデスの攻守でキャンセル。1-0で勝利した。

 アーセナル戦に向けて、予定どおりの準備ができたバルサだが、この試合では不安も垣間見られた気がする。まず、ミリートの衰えが顕著だったこと。あのスピードでは、アーセナル戦は使えない。プジョルが間に合わないとすると、ピケのパートナーはブスケツかアビダルにな
る。アビダルなら、左サイドバックはマックスウェルの先発が濃厚だ。ブスケツならば、左はアビダルで、ボランチにマスチェラーノが入るだろう。前節のバレンシア戦で、フォーメーション対応になっていないのに3バックを使ったのは、やはりマスチェラーノにプレーさせたかっ
たからかもしれない。サラゴサ戦を見る限り、マスチェラーノのコンディションは良さそうだった。グァルディオラのことだから、アーセナル戦に向けての布石は打っていたに違いない。

○採点&寸評
GKバルデス 6.5 アーセナル戦に不安のない出来ばえ
DFダニエル・アウベス 6.0 メッシとの極小スペースでのパスワークは楽しい
  ピケ 6.0 ややスピード不足
  ミリート 5.5 スピード、試合勘に難。この試合はともかくCLは不安
  マックスウェル 6.0 自由に上がれたので楽勝だったのでは
MFマスチェラーノ 7.0 キレていた。速攻つぶし
チャビ 6.5 少し疲れていたかも。それでも貫録
  ケイタ 6.5 トラップのしなやかさが見ていて気持ちがいい
FWペドロ 6.0 サイドに張ってからは見せ場が少なかった
  メッシ 7.0 ドリブルは止められていたが、まあ文句なしの活躍
  ボージャン 6.0 持ち味はみせた
  ビジャ 6.0 短い時間でも決定機には必ず絡む
  アビダル 6.0 いちおう試運転か
  イニエスタ 6.0 いちおう動かしておいたか

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3.週刊10大ニュース
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 ~1位はもちろん!?
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 私が、一週間に起きたサッカーニュースをランキング形式で10個紹介するコーナーです。


◆第10位『パリ・サンジェルマン、移籍金の安さにエルナンデスを獲らず』

 PSGはちょっと不思議なクラブだ。このニュースは夏の時点の話が今ごろ表沙汰になったもの。PSGはメキシコ代表のハビエル・エルナンデスを獲得する予定だったのだが、違約金400万ユーロが「安すぎる」と判断して獲得しなかったという話。エルナンデスはW杯で活躍
し、マンチェスター・ユナイテッドが1000万ユーロで獲得している。高いと文句をつけるならわかるが、安いから獲得しなかったというのは理解に苦しむ。おそらく、安物ならいらないということなのだろうが・・。
 実は、このクラブには全盛期のロナウドを獲得しなかったという“前科”がある。ブラジル代表のエースで飛び鳥を落とす勢いだったロナウドと契約寸前までいっていたのに、役員会が拒否したのだ。理由は「うちだけが強くなるのはまずい」。当時、PSGのスポンサーはテレ
ビ局のカナル・プリュスだった。カナル・プリュスはフランスリーグ1部の独占放映権を持っていた。そのため、PSGだけが突出して強くなると優勝争いの醍醐味が薄れ、コンテンツの魅力を損なうと考えたようなのだ。いまだに信じられない話だが事実だそうだ。
 例えば、ミランのベルルスコーニ会長もテレビ局のオーナーだったが、自分のチームが強すぎてはいけないなど微塵も思わなかったに違いない。逆に、ベルルスコーニはミランの強大化を望んでいた。フランス人がサッカーに疎いのか、パリジャンにサッカーへの情熱がないのか、
いずれにしても不思議なクラブである。


◆第9位『ビーチサッカー、アジア制覇』

 強いんだな、日本。ビーチサッカーは難しくて、基本ボレーです。地面の上だと、どうイレギュラーするか予想がつかない。確実につなぐには空中。ボールを踏んづけて砂にちょっと埋めて、砂ごとすくい上げてから蹴る。そういうビーチ独特のテクニックが必要。ボレー中心な
のでアクロバチックなプレーも大事かも。
 ラモス監督と選手たちには、ぜひまた世界を驚かせてほしい。


◆第8位『フランス収入番付でアンリがトップ』

 レキップ紙の週末の付録「レキップ・マガジン」は、いつもユニークな企画で楽しませてくれる。このたび恒例のフランス人スポーツ選手の収入ベスト50が発表された。1位はティエリ・アンリ(NYレッドブルズ)の1830万ユーロ(約21億円)。これは広告収入も合わせたもの。
 めでたくトップを守ったアンリだが、昨年から50万ユーロの減収だそうだ。ベスト10にはリベリー(3位1020万ユーロ)、ベンゼマ(4位930万ユーロ)、アビダル(7位670万ユーロ)、ビエラ、トレゼゲ(8位ともに650万ユーロ)、グルキュフ(10位610万ユーロ)と、サッカー
選手が7人を占めた。50位以内でも実に41人がサッカー選手というから、フランスの高額収入スポーツといえば、まずサッカーということになっている。ただ、国内組では10位のグルキュフが最高。同じサッカーでも海外組にならないとお金は稼げないようだ。
 ちなみにフランスでは税金が高いので、選手の手取りは他国に比べて安くなる。それでも80年代までは練習に電車で通っている選手もいたというから、サッカー選手はここ10年ぐらいで一気にお金持ちになっているわけだ。


◆第7位『宮市の活躍でオランダリーグ放送決定』

 フェイエノールトで活躍中の宮市亮。たぶん、いま日本のファンが最も見たい選手ではあるまいか。その期待に応え、フジNEXTとスカチャンで残り8試合をすべて生中継するという。アーセナルから貸し出されている宮市は、フェイエノールトで5戦連続の先発出場、その間
にチームは3勝2分けの負けなし。宮市だけでなく、いつの間にか若手ばかりになっていたフェイエ。香川のボルシア・ドルトムントもそうだが、若いチームが伸びていくときの勢いは凄まじい。
 おそらく、宮市は欧州組の中でも最もわかりやすい魅力を持った選手だろう。速い、相手を抜ける、決定的な仕事をする。一生懸命頑張るシュツットガルトの岡崎もわかりやすいが、若さと爽快感で、よりテレビ向きなのは宮市か。


◆第6位『カズ出場試合の年齢記録更新』

 カズが読売に入団したときは、正直彼のメンタリティーでは当時の日本サッカー界の中で“浮いてしまう”のではないかと思っていた。
 ところが、けっこういい浮き方をして、日本のサッカーをぐいぐい引っ張っていった。単純にあの年齢でやれていることにも驚くが、実はそんなに長くやれるタイプだとは思っていなかった。足は速くないし、ボールタッチは上手いけど、あんまりインテリジェンスのある選手だ
とも思っていなかったから。体力が落ちた時点で厳しいだろうと。しかし、それも全然違っていた。僕の見方がダメだったということもあるかもしれないが、たぶんカズ自身が少しずつ変化していったのだと思う。
 しかし、年齢的にはシニアサッカーでやれるんだよね。もし、あんなのがいきなり入ってきたら堪らんな。もうしばらく現役で続けてくれ(笑)。


◆第5位『代表選手待遇改善要求の問題』

 選手会と協会でにらみ合いの構図が続いている様子。セルジオ越後さんがコラムで書いていたが、選手会がまず目を向けるのはJリーガーの低年俸のほうだろう。代表は誰が選ばれるかわからないし、選ばれるのも全体のごく少数にすぎない。
 ちなみに、代表と協会がボーナスの額で対立するというのは、たぶん一度は通らなくてはならないことなのだと思う。2002年W杯のとき、カメルーン代表がボーナス問題で協会ともめて、なかなかキャンプ地の中津江村に到着せず、それが話題になっていたものだ。「アフリカは
大変だなあ」などと言っていたものだが、何のことはない、いまは日本がそうなっているわけだ。
 1974年W杯では、直前に西ドイツがもめている。隣国オランダの金額などを引き合いに出し、「要求が通らなければキャンプを引き上げる」と、ベッケンバウアー主将が実力行使をちらつかせて増額を勝ち取った。今回、日本の選手会は韓国のボーナスなどを引き合いに出してい
ると聞く。
 ただ、個人的には他国と比べてどうこうというのは、あまり意味のないことだと思っている。自分たちへのインセンティブとして、協会の金額に納得できるかどうかではないだろうか。


◆第4位『ユーロ12審判5人制が決定』

 まあ、これは当然でしょう。南アW杯で、あれだけ誤審を見せつけられたら何かしないとまずい。といっても、UEFA会長のプラティニは機械判定には断固反対の立場だ。プラティニ会長によれば、W杯も草サッカーも同じルールでやるべきだという。
 とはいえ、イモが転がっているような草サッカーの畑を改造したピッチでやるサッカーと、世界中が注目して大きなお金が動いているプロの試合が同じだとは誰も思っちゃいない。
 では、どうするかといったら、機械判定反対派のプラティニとすれば審判の人数を増やして判定精度を上げるしかないわけで。すでに昨季のELから導入されていて、効果もあることは確認されている。いいと思いますよ。それ以上の精度を求めるなら、やはり機械しかないように
思う。
 ただ、実はローテクな解決策もある。判定が難しいのはシュートがゴールラインを完全に通過したかどうかなのだが、もしゴールインした場合はボールがピッチ側に跳ね返ってこない方法がある。ピッチ側に跳ね返ってくるからモメるわけで、全部ネットに吸い込まれてしまえば
判定は劇的に容易になる。それを機械でやる手もあるが、まずゴール内の地面を掘ってしまえばいいのではないか。ネットへ向かって地面に角度をつける。たとえバーに当たって落下しても、物理的にピッチ側に跳ね返らないだけの角度をつけてやればいい。
 機械判定推進派の中には、大きなビジネスチャンスを失ってガッカリする人もいるだろうが、全世界のサッカー場にスコップ持った人々が現れるという図は壮観だし、儲かる業者もあるだろう。


◆第3位『W杯アジア出場枠は4.5で変わらず』

 アジアだけでなく、どこも出場枠は現状維持。日本と韓国がベスト16に入っている以上、競技的な視点から出場枠減は考えにくい。市場拡大や普及の面から考えても。南アW杯に出場したアジアの4カ国は日本、韓国、オーストラリア、北朝鮮ですべて東側だった。アジアカップ
のベスト4も日本、オーストラリア、韓国、ウズベキスタンで中東は入らず。
 このところ競技面では東側の圧倒的優勢だが、逆に政治的には西側が勢力を伸ばしている。


◆第2位『長友ゴール』

なに、この「これぞストライカー」みたいなゴール(笑)。イタリアのメディアがインザーギを引き合いに出したのもわかる。日本のメディアも初ゴール、初ゴールって騒いでるけど、サイドバックに待望の初ゴールって、何か違う気がするのだが。
 チェゼーナへ移籍した時点で異例の出世扱いだった長友だが、もうそのときには世界のトップレベルでやれる力は持っていた。技術で長友より上手い選手はたくさんいる、速く走れる選手もいる。だが、あのスピードとキレを維持したまま、あんなにたくさん走れる選手はそうい
ない。例えば、プレーメーカーに求められる資質と、サイドバックに求められる資質は全然違う。日本のユース年代では、最高の資質を持ったサイドバックでも、MFで起用されたりすることがまだ多いと聞く。どのポジションで生きる選手なのか、その見極めと育成をちゃんとやら
ないと、第二第三の長友は出てこない。長友が評価されれば、攻撃的MFやボランチが一番エライ的な風潮もなくなっていくだろう。
 今のところ、世界一のクラブでプレーした日本人選手は長友だけだ。中田英寿よりも、小野伸二よりも、中村俊輔よりも、ある意味で高みに登った。本田圭佑や香川真司よりも先に。ただ、長友はまだ何もタイトルを獲っていない。インテルでタイトルを獲ったとき、長友は日本
人で最も高いところへ登った選手になる。

◆第1位『Jリーグ開幕』

 Jリーグがついに開幕。僕的に注目していたのは、いわずもがなジェフ千葉の北九州との開幕戦。噂の2メートル超、オーロイはさすがに高かった。北九州の選手も相当意識していたようで、開始直後からファウル(笑)。試合はオーロイのPKゲット、米倉のゴールをアシスト、
さらに自らCKを頭でズドン。次節に対戦する湘南の反町監督は「バスケットボール選手にダンクを決められないように」とコメントしたとか。しかし、オランダ流を掲げるドワイト監督だが、それにはもう少し時間がかかりそうで・・。デカいCFがいるところはすでにオランダ式
ではあるが。オランダ人自体がデカいのだが、このあたりはアヤックスのサッカーを移植したバルセロナとの違い。クライフとファンハールの違いでもあるわけで。


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4.BALL AROUND THE WORLD
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vol.1 ~バルセロナ編~
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 ボールとともに世界を回る、題して「ボール・アラウンド・ザ・ワールド」。記念すべき第1回バルセロナ編をお届けします。

 まあ、平たくいえば旅行記なんですが、これからバルセロナに行く方々も多いでしょうから今回は旅行ガイドです。ただし、おいしい物を腹一杯食べて、ブランド・ショッピングを楽しんで、観光はもちろん、高級ホテルを満喫・・なんてのとは無縁です。そのかわり、サッカー
ファンに多少とも役に立ちそうな情報をお届けしましょう。

 だいたいですね、いまどき取材で海外へ行くのに金を全部出してくれる出版社なんてありゃしません。そうでなくても、取材旅行というのは案外余裕がないもので、ろくに観光もしないのが実態であります。食い物なんて、ありつければラッキーぐらいな・・。

 ですから、まともな旅行情報を知りたい方は、その筋の本なり、サイトなりを探してください。この旅行記は、あくまでもサッカー観戦第一の、サッカー好きのためのものです。では、いってみましょう!


◇◆Fresc Coの心得◇◆

 バルセロナにはおいしいレストランやカフェがたくさんあります。が、しかし、予算は限られているし、スペイン語で注文できないし、英語も自信ないし、という人もいるでしょう。のんびり食ってる時間がない、というケースもあります。

 スペインといえばタパスですね。小皿にいろんな料理が盛ってある、あれです。ひと皿の値段は安いんで、ついつい頼んでしまうのですが、そうすると結構な値段になってしまったりします。もうちょい安く、というか、とにかく腹一杯食いたい! スペインに吉野屋はないのか~
と叫びたくなったときにお勧めなのが、フレスコ(Fresc Co)です。

 食べ放題のビュッフェレストランなんですね。バルセロナ市内に14軒あるそうです。夜遅くまでやっているし、休みなしで営業という強い味方。11ユーロほど払えば食べ放題です。

 まず、サラダ・バーから好きなだけとって、飲み物を注文してレジでお金を払います。奧へ進むとメイン・ディッシュとスープ、デザートが待っています。セルフサービスなので言葉が通じなくても大丈夫。好きなものを好きなだけどうぞ。

 味はね、いまいちです(きっぱり)。見た目はとっても美味そうなんですが、何かひと味、いや、ふたぐらい味足りない。でも、まずくはない。しかし、とにかく豪快に、腹一杯食いたい欲求は十分満たしてくれるはずです。

 コツはサラダをとりすぎないこと。サラダ大好きならいいですが、そうでもないなら、メインの肉を狙いましょう。僕が行ったときの肉はけっこう美味かったです。ほかにご飯物やパスタがあります。サンドイッチばかりで野菜が不足気味になったときの強い味方でもあります。
イタリアやオランダなどでも、こういう学食系の店に入ったことがありますが、正直いってバルセロナは少しレベルが低い。ですが、気兼ねなく腹一杯食べられます。デザートもフルーツもあるでよ。


◇◆Melon District◇◆

 今回、バルセロナのお勧めの宿はここMelon District。自分的に穴場なんで、あんまり教えたくないんですが。

 学生用のこじゃれたユースホステルみたいな感じです。若い人が多いですが誰でも泊まれます。白で統一された建物、それぞれの棟の屋上にはプールつきのリラックス・スペースがあります。部屋は35ユーロの1人用から80ユーロぐらいのキッチン付きのステュディオも。

 今回泊まったのは50ユーロのキッチン付き。テレビ、冷暖房、シャワー、トイレ、冷蔵庫、電子レンジもありました。共有スペースの勉強部屋(?)や地下のランドリールームには有料ですが洗濯機と乾燥機がある。コインランドリーですね。溜まった洗濯物を一気に洗うのに都
合よし。バルセロナにはMarinaとPoble Secの2カ所あるのですが、僕が泊まったのはメトロ1号線のMarinaのほうでした。

 決めては値段の安さもさることながら、近くに大きな公園があったから。公園内には人工芝のピッチがあって、午後5時ごろまではほとんど誰も使っていません。本当はチームで申請して借りる場所ですが、勝手に使っている人もいます。5時からは地元の少年チームの練習が始
まるので、4時半ごろになると子供たちがやって来ます。で、こちらがボールを持っていると必ず「一緒にやろう!」と声をかけてきます。スペインの子供って、練習にボール持ってこないのね。練習開始までヒマなので、こちらがボールを持っていると蹴りたくて寄ってくるわけ
です。2日間、子供の相手になってしまいました(笑)。もし、子供でも誰かとボールを蹴りたいなら止めませんが、くれぐれもケガなどさせないように気をつけてくださいね。

 Marinaは地下鉄のほかに、トラムも走っています。2駅で終点のオリンピック村に着きます。海岸には、しゃれたカフェもいくつかあるので食事にも困らないでしょう。また地下鉄で2駅行けば、ど中心のCatalunyaですから買い物にも便利です。


◇◆カンプノウ◇◆

 でかいので有名なカンプノウ。スタジアムだけじゃなく、敷地がやたらと広いわけです。その中にはオフィシャルショップも練習場もミュージアムもハンドボール場もスケートリンクも・・と、とにかくいろんなもんが入っています。というわけで、周囲をぐるりと回った日にゃ
あ、くたくたになっちゃいますよ。というわけで、カンプノウ直撃作戦の伝授であります。

 まず、試合を見たい人は、たぶんオフィシャルショップにも行きたいと思います。少し早めに行って、おみやげもゲットしておきたいなと。各ゲートのオープンはキックオフの1時間ぐらい前なので、スタジアムの周囲は2、3時間前から人でごった返していますが、ショップへ
の通路は開いているので、そこまではアクセスできます。で、このショップへの出入口に直撃なのがPaulau Reialというメトロ3号線の駅です。トラムも停まります。

 このPaulau Reialを出たら、目の前の坂を一気に下ります。距離はそこそこありますが(徒歩5分)、スタジアムは見えているので道を間違える可能性はゼロ。坂を下りたら、オフィシャルショップへの扉は開かれています。買い物を終えたら、開門時間にそれぞれのゲートへ向
かいましょう。

 ちなみに、試合終了後は大観衆が一気に出て行きます。さながらダムが決壊するかのごとし。迷子にならないように! 周辺道路は車の交通を一時的に止めていますが、歩道にバイクを止めて見に来ている人が多くて、試合後は次々に路上へ飛び出してくる。バイクとの接触は注
意してくださいませ。


◇◆Ciutat Esportiva◇◆

 バルセロナの練習場です。2009年にオープン。トップの練習は非公開ですが、週末に行われているカンテラの試合は見ることができます。巨大な施設内には9面ほどピッチがあり、朝の10時ごろからどこかで試合をやっています。下は小学生からユース年代まであるので、いろい
ろな年代の試合を一度に見ることができますよ。

 行き方はSants EstacioからRINFEに乗って1駅か2駅(St.Feliu de LobregatかSt.Joan Despi)というのもありますが、駅から一番近いのは路面電車です。このトラムはディゴナル通り沿いに走っています。T1からT3まで3つの行き先がありますが、T3の終点になります。
T3が来るのはだいたい10分間隔くらいでしょうか。

 このトラムはMaria CristinaやPalau Reialにも止まります。この2駅はカンプノウの最寄りでもあり、メトロ3号線の駅のすぐ近くなので、カンプノウのオフィシャルショップでの買い物やスタジアムツアーとリンクさせるなら、トラム利用が便利なのです。

 T3に乗ったら、終点のConseil Comarcalで降ります。進行方向を見ると、売店がありますが、その向こうに何やら銀色の建物が見えるはず。そう、そこがバルセロナの練習場。歩いて5分ぐらいですかね。トップチームの出入り以外は、入場時の規制はないはずです(ただし平
日は入れません)。

 バルセロナのカンテラは、下はU-13あたりからサッカーのスタイルがトップと同じです。小学生だからといってドリブル多めとか、そういうこともありません。やろうとしていることは、そしてやっていることは、ほぼトップと変わらない。バルサ・スタイルの真髄に触れる絶好
の機会になるでしょう。

 ちなみに、現在インファンティルAには韓国人のペク・スンホ君がプレーしています。韓国U-13の遠征でスペインに来たときにスカウトされたとか。堂々の10番、将来のチャビという感じでしょうか。とても礼儀正しい子でした。韓国のメディアでは東洋のメッシなんて書かれ
ているみたいですが、プレースタイルはメッシよりチャビ、イニエスタ系でした。よく動いて、ボールの出し入れをマメにやる。運動量も素晴らしい。インテリジェンスの高い、まさにバルサ向きのMFでしたね。

 ただ、日本にも同じぐらいのレベルの子はけっこういるような気がします。というか、特殊なドリブラーでもなければ、飛び抜けた身体能力の持ち主でもない。そのかわり明晰なサッカー頭脳とボールタッチの繊細さ、あと何よりもセンスですね。そういうタイプは、わりと日本
からも出やすいわけです。日本人も目指すならバルサ! かな?

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  • 0001264412
  • 2012/05/23
  • 毎週 水曜日(年末年始を除く)