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行政書士・司法書士ダブルライセンス教室 平成19年度受験 第45号
◆◆平成18年11月21日発行◆◆
こんにちは、中川総合法務オフィス代表の中川です。 http://rima21.com/
「行政書士・司法書士ダブルライセンス教室」を開講しましたところ多数のご登
録ありがとうございました。改めてお礼申し上げます。
◆今回より,「平成18年度司法書士試験の過去問解説」ならびに「平成18年度行
政書士試験の過去問解説」を開始します。
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1【司法書士試験】
「平成18年度司法書士試験」 第1問 【憲法】 「衆議院の解散」
■衆議院の解散は,憲法第69条に規定する内閣不信任決議案が可決され,又は内
閣信任決議案が否決された場合のほか,憲法第7条の規定により,解散によって国
民の意思を問うべき正当な理由がある場合には,行うことができるとする見解が
ある。
次のアからオまでの記述のうち,この見解の根拠となるものの組合せとして最
も適切なものは,後記1から5までのうちどれか。
ア 天皇の国事行為は,形式的かつ儀礼的なものであって,その実質的決定権は,
助言と承認を与える内閣にあり,天皇は,その助言と承認に拘束される。
イ 衆議院の解散は,憲法上明文をもって解散を行うことができる場合として規
定されている場合にのみ行うことができると解すべきである。
ウ 衆議院の解散権は,立法作用でも司法作用でもなく,行政権を有する内閣が
行使することができる。
エ 衆議院の解散は,総選挙によって国民の意思を問い,それを衆議院に反映さ
せようという制度である。‘
オ 国会は,国権の最高機関である。
1 アエ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 5 ウオ
■早速解説を始めましょう。
正解 1
ア.○ 根拠となります。憲法7条が天皇の権能としているのは、あくまで権威
付けのためであり、実質的な決定権は内閣にあります。
イ.× 根拠になりません。 憲法第69条に規定する内閣不信任決議案が可決され,
又は内閣信任決議案が否決された場合のほかはできないとするのであれば、憲法
7条によるものも無理になります。
ウ.× 根拠になりません。憲法65条を根拠としており、7条を根拠として解
散を認める考え方ではありません。
エ.○ 根拠となります。国民の意思を問うべきときに解散できるとしているの
ですから、根拠になります。
オ.× 根拠になりません。むしろ、解散権を制約する考え方です。
★参照条文
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行
為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及
び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。
第六十五条 行政権は、内閣に属する。
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否
決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければなら
ない。
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2【行政書士試験】
■平成18年度第1問
◆裁判外の紛争処理手続の種類に関する次の文章の空欄(A)〜(D)内に当
てはまる語として、正しいものの組合せはどれか。
紛争当事者は、話し合いにより互いに譲り合って紛争を解決することができる。
しかし当事者間で話し合いがつかないときは、権威のある第三者に入ってもらっ
て、紛争を解決するほかない。国家はそのために、正式な裁判のほかにも種々の
制度を用意しているが、その一つが裁判上の(A)である。
また「当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的
とする」紛争解決方法として、わが国では(B)が発達し、争いの性質によって
は訴訟よりも活用されてきた。たとえば家事審判法によれば、(B)を行うこと
のできる事件についてはいきなり訴訟を提起することはできず、まずは(B)の
申立てをしなければならない。
裁判によらない紛争解決の方法としては、さらに(C)がある。これは紛争当
事者が争いの解決のために第三者を選び、その判断に服することを約束すること
によって争いを解決する手段であり、特に商人間の紛争解決手法として古くから
発達してきた。近時はこのような裁判外の紛争処理方法を(D)として捉えて、
その機能を強化することへの期待が高まっており、関係する制度の整備が行われ
ている。
A B C D
1. 和解 調停 仲裁 PFI
2. 示談 仲裁 あっせん ADR
3. 和解 調停 仲裁 ADR
4. 調停 仲裁 あっせん PFI
5. 示談 あっせん 裁定 PSE
■正解…3
A 和解が正しい。裁判上の「和解」は確定判決と同様の効果があり、裁判官か
ら勧められるのが多いのが実務です。
B 調停が正しい。家事審判法の18条2項によれば「前項の事件について調停の申
立をすることなく訴を提起した場合には、裁判所は、その事件を家庭裁判所の調
停に付しなければならない。…」とあります。
また、調停を調書に記載すれば、やはり確定判決と同様の効果があります(21
条)。
C 仲裁が正しい。民事紛争に関して「仲裁法」が平成15年に成立しました。従
来の国際間の商人間で仲裁がよく利用されてきており、商事紛争に関する仲裁・
調停・斡旋としては「社団法人 日本商事仲裁協会」があります。
D ADRが正しい。「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(いわ
ゆるADR法)が平成16年に成立し、平成19年4月1日より施行されます。
裁判外紛争解決手続とは,ADR(Alternative Dispute Resolution)とも呼
ばれますが,仲裁,調停,あっせんなどの,裁判によらない紛争解決方法を広く
指すものです。例えば,裁判所において行われている民事調停や家事調停もこれ
に含まれますし,行政機関(例えば建設工事紛争審査会,公害等調整委員会な
ど)が行う仲裁,調停,あっせんの手続や,弁護士会,社団法人その他の民間団
体が行うこれらの手続も,すべて裁判外紛争解決手続に含まれます。
このような裁判外紛争解決手続を定義すれば,「訴訟手続によらず民事上の紛
争を解決しようとする紛争の当事者のため,公正な第三者が関与して,その解決
を図る手続」となります(法務省HPより)。
★参照条文
【民事訴訟法】
(和解の試み)
第八十九条 裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問わず、和解を試み、又
は受命裁判官若しくは受託裁判官に和解を試みさせることができる。
(和解調書等の効力)
第二百六十七条 和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、そ
の記載は、確定判決と同一の効力を有する。
【家事審判法】
第十七条 家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他一般に家庭に関する事件
について調停を行う。但し、第九条第一項甲類に規定する審判事件については、
この限りでない。
第十八条 前条の規定により調停を行うことができる事件について訴を提起しよ
うとする者は、まず家庭裁判所に調停の申立をしなければならない。
○2 前項の事件について調停の申立をすることなく訴を提起した場合には、裁
判所は、その事件を家庭裁判所の調停に付しなければならない。但し、裁判所が
事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない。
第二十一条 調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したとき
は、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。但
し、第九条第一項乙類に掲げる事項については、確定した審判と同一の効力を有
する。 …
【仲裁法】
(趣旨)
第一条 仲裁地が日本国内にある仲裁手続及び仲裁手続に関して裁判所が行う手
続については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。
(定義)
第二条 この法律において「仲裁合意」とは、既に生じた民事上の紛争又は将来
において生ずる一定の法律関係(契約に基づくものであるかどうかを問わな
い。)に関する民事上の紛争の全部又は一部の解決を一人又は二人以上の仲裁人
にゆだね、かつ、その判断(以下「仲裁判断」という。)に服する旨の合意をい
う。
2 この法律において「仲裁廷」とは、仲裁合意に基づき、その対象となる民事
上の紛争について審理し、仲裁判断を行う一人の仲裁人又は二人以上の仲裁人の
合議体をいう。
3 この法律において「主張書面」とは、仲裁手続において当事者が作成して仲
裁廷に提出する書面であって、当該当事者の主張が記載されているものをいう。
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