きれいだね 2006/03/01 WED(No.Sample)
  マンションの桜が満開だ。ベランダのすぐ下に30本ばかりの染井(樹齢30年)があるが、まるで視界一杯に薄桃色のカーテンがかかっているようで、まことに気持ちがいい。電線さえなければどこから撮っても絵になりそうだ。
 児童公園の角に1本だけ離れて植わっている桜は、ものの10メートルぐらいしか離れていないのに、不思議なことに毎年3、4日ほど早く開花して、30本が満開になるときには早くも散り始める。
 その花びらが風に乗って、4階の我がベランダにも飛んでくるのだが、その花びらをきりっと冷やした冷酒に浮かべてくいっとやるのが毎年の楽しみだ。30本のほうが散り始めると寂しくなるので、酒もあんまり美味しくない。この2、3日が独り花見酒の一番いいときだ。
 30本を植えた30年前(実際は29年前)にたぶん植木屋が間違えたのだろう、1本だけ大島が混じっている。染井が葉桜になる頃にやっと開花し、満開になるときには周りを新緑に取り囲まれる。この桜の花見酒もまた格別だ。ベランダにキャンプ用の椅子を持ち出して、何時間も座っている。
 今日はノートPCを開いてはいたのだけれど、原稿書きはあんまり進まず、酒だけが進んだ。暖かな、いい一日だった。

 原稿書きを一段落させて、午後遅くに元荒川の土手まで行ってみた。途中のコンビニで缶ビールを3本買って行った。車がまだ戻ってこないので歩きである。片道2キロ足らず、ちょうどいい散歩だ。
 川の向こう岸に文教大のキャンパスがあり、昼間の河原はそこの学生たちでほぼ占領されていた。クラス単位、部活単位の大きなグループもあれば、数人だけでこじんまりと飲んでいるグループもある。毎年必ず酔って川に飛び込むバカがいるので、それを撮影してやろうと思ってパワーショットを持っていった。カメディアでは望遠端が140mmしかないのでちょっと役不足だ。
 学生たちの隙間を見つけてビールを飲んでいたら、この親子が通りかかった。あわててビールを下においてカメラのスイッチを入れ、かろうじて2枚ゲット。あわてた拍子に缶が倒れて半分ぐらいこぼしてしまったけれど、こういうときはビールより写真なのだ。3本のつもりが2.5本になってしまったけれど、お陰でいい写真が撮れた。
 人物の位置は、ほんとならもう少し右に寄せたいところ。人物が向いている方向を広めに空けたほうが、ゆったりとした印象が強まるからだ。でも、左側には大騒ぎの酔っ払い学生たちがいたので、ここまでが精一杯。ヤツらの荷物の一部が写ってしまったけれど、ま、これぐらいならいいでしょう。
 
撮影データ
カメラ Canon PowerShot S1 IS
レンズ -
撮影日 05/04/08 16:11
画像ファイル JPEG
ISO感度 100
絞り F4.0
シャッター 1/500
露出補正値 -2/3
WB オート
露光方式 絞り優先AE
測光方式 分割測光
合焦方式 スポットAF
フラッシュ OFF
焦点距離 58mm
(35mm換算) (360mm)
その他 手持ち撮影
現像ソフト -
レタッチソフト PhotoShop EL
縮小ソフト PhotoShop EL
現像データ
露出補正 -
WB -
調子 -
カラー -

今日のワンポイント
【部分的な明度調整】
使用ソフト「Photoshop Elements」

やや広めに範囲指定しておいてから、
境界をぼかす半径を大きめに設定する。
 人物にラインライトが出ていることから分かるように、逆光での撮影である。したがって、背景の桜の明るさにカメラが引っ張られて、全体的には狙った露出(この場合は補正-2/3)より暗めに写ることになる。肝心の人物の顔の部分が落ちて、表情が生きないことにもなる。
 こういう場合、画像全体のレベル補正では救済できない。人物の顔の部分をメインに補正すると桜の色合いがかすれてしまうし、陽光を反射している花びらは白飛びするからである。なので、こういうときには人物と背景とを分離して補正してやる必要がある。

 方法は範囲指定。投げ縄ツールを用いる。ただ、人物の顔の部分だけを起こそうとしてもまずうまく行かない。範囲指定が厳密にはできないし、仮にできたとしても、境界があまりにもはっきりするので不自然になるからだ。
 こういうときは、人物全体を包み込むような感じで、やや広めに範囲を指定する。そして、境界が目立たないようにぼかす半径をかなり大きめに取るのである。

 普通はこれで次のステップ、つまり、レベル補正に進む人が多い。しかし、範囲を指定してレベルを補正するときの原則は、できるだけ範囲が広いほうをいじるということである。したがって、この指定した範囲を、[選択範囲を反転する]で逆転させてやる。つまり、選択した人物部分ではなく、背景のほうをレベル補正するのである。
 背景側をやや暗くしておいて、次に画像全体のレベルを明るくする。暗くした背景が元の明るさに戻ると同時に、その分だけ人物部分が明るくなるという仕組みである。


  XX月のお題=「XX」
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キットくんの作品
湖畔の花

 肝心の桜が全然綺麗に見えないですね。ピント位置がぴったり桜に来ていることから見ても、撮影者の意図は桜の描写であるはずですが、ボケた背景のほうがはるかに目だって綺麗に見えます。  原因は、桜が日陰になっているからです。背景も日陰になっていて、相対的に桜の明るい色が目立つというのならまだしも、背景には陽が当たっていますから、つまり、意図したのとはまったく逆になってしまったわけですね。こういうのを主客転倒と言うんです。

 目立つべき桜の分量も少ないですね。なんだか、端っこのほうに申し訳なさそうに入れさせていただきましたというような按配です。花がついていない枝が真ん中の部分にあるのも大きなマイナスポイントです。桜が主役ということであれば、背景を選ぶのと同等、もしくはそれ以上の意気込みで、綺麗なはずの満開の桜が綺麗に見えるところを探さなくてはなりません。

 どうしてもここしかないというのであれば、桜の分量をもう少し多めにして、弱いフラッシュ光を当ててやると多少はましな写真になります。  その場合、オート発光させてしまうと背景の露出が狂ってしまいますから、絞り優先AEのままでシンクロ発光させるといいでしょう。カメラに発光量の調整機能がついているのであれば-1以上弱めてやります。ついていないのであれば、発光部にティッシュの切れ端でも唾でくっつけておくといいかと思います。
 それから、ここまで下手くそだともうどうでもいいことではありますが、水平が豪勢に狂っています。眼医者に行かれることを強くお勧めいたします。
 満開の桜が綺麗だったので、できるだけ桜が引き立つような背景を選んで撮りました。


メーカー,"OLYMPUS OPTICAL CO.,LTD"
機種,"C4100Z,C4000Z"
露出時間(秒),1/200
F値,2.80
露出プログラム,絞り優先AE
ISO感度,100
撮影日時,2004/04/02 16:50:09
露出補正量(EV),-0.7
最小F値,2.83
測光方式,分割測光
光源,自動
フラッシュ,使用せず / 常時オフ
焦点距離(mm),12.7
手持ち撮影
埼玉県
晴れ
■ 3月のお題:「モノクロ」、デジカメで撮影された単写真、一人3枚まで。
■ 撮影期間:3/1〜3/31
■ 応募締切り:3/31
■ 読者は無料で1枚応募することができます。
2枚目以降は、1枚につき1,000円の講評料を申し受けます。
■ 応募要領はこちらをご覧ください。


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著・キット・タケナガ

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