
ブラジル新聞 08年06月03日付け vol.0001
※ニッケイ新聞は、ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されている移住者
や日系人、駐在員向けの日本語新聞。「ブラジル新聞」は、ニッケイ新聞に掲載され
る日々のニュースを発行日前日にお届けするメールマガジンです。
発行日は毎週月曜から金曜(日本時間の火曜〜金曜)までの週5日です。
「ブラジル新聞」を通じて成長著しい大国ブラジルと、そこに生きる日系人をよ
り身近に感じていただければ、何よりの喜びです。 ニッケイ新聞編集部
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▼ 樹 海 △━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6月はフエスタス・ジュニーナで祝祭が多い。24日のサンジョアン祭りは、焚
火祭りで国民的な大祭になっている。サンパウロ奥地のピラポジ―ニョの火祭りは、
ユ―カリで高い塔をつくり火を放っての大騒ぎだそうな。こうしたカトリックの宗
教行事を移民の父・上塚周平は知っていたらしい▼笠戸丸の移民監督としてサント
ス港14号埠頭に着いた周平は俳句を好み瓢骨と号しブラジルで初めて俳句を詠ん
だとされる。笠戸丸の甲板?で3句を詠みその一つが〃ブラジルの初夜なる焚火祭り
かな〃。今から100年も昔の6月18日のことだから―ただただ恐れ入る▼あれか
ら1世紀―第1回移民の生存者はなく、先ごろは厳島丸で荒波を乗り切ったお婆ち
ゃんが黄泉へと移民は日に日に減って行く。そんなマカコ・ヴェ―リョらが辿った
道に想いを馳せながら海岸山脈をサントスの厚生ホ―ムへ。旧移民の家の敷地に建
てられたこの施設でお年寄りたちが、今―明るく暮らしている▼この日は料理人が
海の幸を捌き昼食を共にしながら世間話に華を咲かせようの集まりだったが、この
ホ―ムにいる高齢者も1世が多いのは、やはり時の流れか?。お爺ちゃんとお婆ち
ゃんが、刺身や煮付けを口に運ぶ仕草がなんとも微笑ましい。カラオケでわたしに
マイクをと壇上に急ぐ人や会場に響く太鼓と日本舞踊を楽しみながら語る故老の苦
楽はオ―ラルヒストリ―そのもので真に愉快な日曜日であった。(遯)
▼ オーリャ! △━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さきごろ、一読者が強い口調で、本紙記事にある「君が代を歌う」という記述を
「おかしい」と言ってきた。「日本国国歌を歌う、が正しい」というのだ。「君が代
は国歌の名に過ぎない」、そう主張した。
早速、諸解説を検索してみた。九九年八月十三日に施行された「国旗及び国歌に
関する法律」によって「君が代は法的に国歌と認められる」とある。国歌と君が代
をどう表記するか、についての決まりは特にない。
つまり、わざわざ日本国国歌とことわらなくても「君が代といえば、それは日本
国国歌、それで十分ではあるまいか」と本紙記者たちは理解して、習慣的にそう記
述してきたのである。
その読者は、きみたちは不勉強だ、(匿名であったが)私から指摘があったことを
記事にして、今後改めなさい、といたく強硬だった。難しい人がいるものだ(神)
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※「ブラジル新聞」についての問い合わせ、感想やメッセージは、
メール:nikkeybr@hotmail.com まで。
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■サンベルナルド百周年式典=先人の功績称え、未来へ誓い=100人以上の高齢・
功労者表彰
■南米における日系人の存在=聖州政府主催で国際シンポ=「国家形成に影響与え
た」
■ピナコテカ=日系アート80年の軌跡=所蔵82点が7月末まで
■東京農大会講演会=「森づくりについて」=6月8日
■小島隆治氏
■辻一夫氏
■「移民百年二つの祖国に生きる」=第6回=夢を追ってひたすら仕事=社会保険入
らず〃綱渡り〃
■ブラジルで日本人医師の〃草分け〃=もう一人の野口英世 高岡専太郎(9)=
心地よかった師との出会い=魅了され、学ぼうと決意
■豪華版、ディナーショー=希望の家、資金集め
■興味深いポータルサイト=NHK名古屋放送局が開設
■9月、全伯短歌大会=作品募集締め切り迫る
■カストロすし祭り=30キロのマグロの活き造りも
■日本祭り、文芸作品投句郵送でも
■なつメロ合唱の集い=老ク連で6月例会
■名画鑑賞会「猫と庄造と二人―」など
■大耳小耳
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■ルーラ大統領=エタノールで宣戦布告=EUの指揮で圧力=食糧危機の元凶
に仕立てる=環境にかこつける包囲網
■ジャーナリストを襲い暴行=新聞発刊200年の記念の年に=言論の自由、知
る権利の侵害
■年金を官民均等に=新規採用は上限最賃10カ月分
■借金取りが大繁盛=注意、新案取り立て奥の手
■金融危機は嵐一過=残る問題はインフレのみ
■ホンジュラスの事故機に伯国大使夫妻搭乗
■男性が男らしくなるには
■東西南北
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■サンベルナルド百周年式典=先人の功績称え、未来へ誓い=100人以上の高
齢・功労者表彰
サンベルナルド・ド・カンポ市役所主催のブラジル日本移民百周年記念式典が、
五月三十一日午前九時から同市のパビリヨン・ヴェラ・クルスで開催され、約千人
が訪れた。ブラジル側百周年式典の先陣を切った同市の百周年式典。当日はウィリ
アン・ウー連邦下議など多数の来賓が出席、会場では百人以上の高齢者・功労者が
表彰を受けた。同日午後には記念展示会のイナウグラソンも行なわれ、土、日の二
日間で約一万人が訪れた。
南洋行記念式典祭典委員長はあいさつで、初期移民の当時の様子を説明、上塚周
平の俳句「夕ざれば樹かげに泣いて珈琲もぎ」などを紹介しながら、出稼ぎからブ
ラジル永住の道を歩んだ日本移民の歴史を日ポ両語で紹介。「私たちの先輩に敬意と
尊敬を述べたい。これからのサンパウロ、サンベルナルドの発展に期待をしていき
たい」と先人の功績を称えた。
サンベルナルド市在住の八十五歳以上の高齢者九十二人に対し、一人一人に来賓
者から表彰状が手渡された。その後、地元コーラス隊が「海を渡って百周年」、中平
マリコさんによる記念ソング「歩み続けて百年」、「ふるさと」などを合唱した。
高齢者を代表して、宮本信雄さん(96)は「本日の表彰を迎えることができた
のは、サンベルナルド、ブラジルの皆様の温かい支援のおかげ」と喜びを表した。
続いて、サンベルナルド市民章、ベネメリット市民章、エメリット市民章、ジョ
ン・ラマーリョ章の受章者に、記念品と賞状などが贈られた。
ジョン・ラマーリョ章を受章した荒崎章さん(85)は「百周年を記念して、日
本移民の子孫として受賞できたことを誇りに思う。我々を受入れたくれたブラジル
人に感謝します」と感謝の言葉を述べた。
ウイリアン・ジブ市長は、全ての民族系コロニアにとっても日本移民百周年は意
義があるとの考えをのべ、「今日という日を迎えたことをとても誇りに思っている」
と強調した。
その他、オルラミド・モランド州議、ウー連議など来賓、中原アルツール同委員
会まとめ役など多くの人があいさつを行った。
最後には来賓一同で鏡割り。南祭典委員長が乾杯の音頭をとってカクテルパーテ
ィーへ移った。
高齢者表彰を受取った佐藤勘蔵さん(86、秋田)は「初めてこんな立派なもの
を貰った。額を作って飾りたい。こんな嬉しいことはない」と涙を浮かべながら話
した。
各章の受章者は次の通り(継承略)。
【サンベルナルド市民章】藤森志津(103)、植松ジョゼ卓實(69)、松永次
郎(67)、小橋孝昭(70)【ベネメリット市民章】堀田ネルソン(77)、クラリ
セ・タケシタ・デ・ソウザ(85)、菅信夫(80)【エメリット市民章】中野マリ
オ、田村幸重(93)、小山ウーゴ(39)、宮川股男(56)【ジョン・ラマーリョ
章】伊藤基治(93)、中崎渡(73)、轟昇司(65)、生長の家(村上真理枝理事
長)、杉野高治(71)、ブラジル創価学会、荒崎章(85)、マルイシ・オルガ(7
5)、ヤクルト工場、タワタ・カマト(100)。
「サンベルナルドの日本」=地元日系社会を多彩に紹介
午後一時からは、同会場で開催される展示会「サンベルナルドの日本(Japao em Sao
Bernardo)」の開会式に移り、ジブ市長、南祭典委員長らが入口に設置された鳥居の
前でテープカット。
会場内には、姉妹都市の周南市(旧・徳山市)がある山口県のブースや茶道、折
り紙の講座、地元日系集団地、アルモニア学園の歴史紹介などが行われた。昔の日
本紙幣、鎧兜、日本移民の写真、着物、扇子など様々な展示や、会場中央に設置さ
れた小型の大仏像などが注目を浴びていた。
展示を見学していた伊藤広良さん(68、二世)は「この剣道の防具は懐かしい。
昔、同じものを使用していたから」と懐かしそうに話した。
同展は八日まで開催。開催期間中、舞台上では、太鼓やコーラス、傘踊り、阿波
踊り、神楽、平田ジョー、マウリシオ・ミヤのコンサートなどが行われる。
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■南米における日系人の存在=聖州政府主催で国際シンポ=「国家形成に影響
与えた」
五月十九日から二日間、聖市のメモリアル・ダ・アメリカ・ラチーナで聖州政府
主催の国際シンポジウム「南米における日系人の存在」が行われ、各国の発展に尽
くした日系人の貢献が報告された。全体のコーディネーターは本山省三USP教授
が担当した。
開会式で元州財務長官の中野慶昭(よしあき、二世)ゼッツリオ・バルガス大学
教授は、「百年ちょっと前に共和制宣言(一八八九年)をした若い伯国において、今
年百年を迎える日本移民の存在はその国家や国民アイデンティティ形成に強い影響
を与えている」と語った。
その実例として「勤勉さ、誠実など特に日本人が多く入ったサンパウロ州におい
てそれは顕著だ。他州にいけばポルトガル基層文化の特有の仕事は富を生む手段と
いうわりきった雰囲気になる。そのサンパウロ州がブラジルを引っ張ってきた」と
あいさつした。
共和制宣言と共に近代国家への道のりを歩きはじめたブラジルにとって、一九〇
八年に始まった日本移民導入は、まさに国家アイデンティティ形成と共にあった。
日本移民の歴史は日本の近代史であると同時にブラジルの建国史でもある。ブラジ
ルという西洋社会の一角を通して、日本国民は欧米の世界史の一部に血縁を作って
いる。
USPで昨年まで副学長を務めていた平野セイジ教授も「日系人の人口比率は少
ないが、学生の一八%、教師陣の八%は日系人だ」と胸を張った。
一つ目のシンポでは、基調講演として汎アメリカン日系人協会の笠松フェリック
ス会長が、南北米全体の日系人の歴史と現状を俯瞰し、「現在は南米全体から計三十
五万人が日本に働きに行っている」と語った。
続いて、森幸一USP教授が日系研究を概説し、日本食普及の現状に触れ、「こち
らの寿司は日本文化の産物ではなく、日本を起源とするブラジルで生まれた文化だ」
と語り、日系人は新しいブラジル文化の創造に貢献していると語った。
サンパウロ州立大学(UNESP)の坂手実教授は、学長を日本に連れて行った
ときに日本側から「前向きに検討する」と返事されて、学長が「冷たい。ブラジル
ならまず『やろう』といってからやり方を考えるのに」と言った例を出し、日伯の
思考様式の違いなどを論じた。
このように二日間に渡ってチリ、メキシコ、アルゼンチン、ペルー、パラグアイ
など十のテーマでの議論が次々に行われ、最後に州政府から県連、エスペランサ婦
人会、日伯文化連盟、日系研究者協会などの日系団体が顕彰された。
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■ピナコテカ=日系アート80年の軌跡=所蔵82点が7月末まで
サンパウロ州立美術館(ピナコテカ)は一日から、ブラジル日本移民百周年を記
念し、同館が所蔵する日本人・日系人の作品百十九点のうち八十二点を展示してい
る。七月二十七日まで。
間部学、大竹富江など著名な美術家の作品を始め、五十五人のアーティストの作
品を展示。
聖美会のメンバーとしてだけでなく、初めて日系社会外での美術展に出品した富
岡清治の作品(二八年)から、最近発表されたものまでがあり、約八十年の日系ア
ートの軌跡を辿ることができる展示会となっている。
今回の展示会のため、新たに三十七作品が寄贈されたことを喜ぶアナ・パウラさ
ん(同館キューレター)は、「日系アーティストをさらに知ってもらう機会になれば」
と来場を呼びかけている。
火曜日から日曜日までの午前十時から、午後六時まで。詳しくはピナコテカ(電
話=11・3324・1000)まで。
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■東京農大会講演会=「森づくりについて」=6月8日
伯国東京農大会(大島正敬会長)は八日午後二時から五時ごろまで、聖市の農大
会館(Rua Dona Cesaria Fagundes,235)で「森づくりについて」をテーマに講演会を
開く。
講師は同会副会長の沖真一さんと、山添源二さん(元聖州森林院総裁、ABJI
CA副会長)。
沖さんは苗や枝などを持参して植樹の実際例を紹介。山添さんが森づくりに必要
な樹木の種類の選択などについて解説する。
参加無料。「地球温暖化は切実な問題。関心のある方はぜひお越しください」と呼
びかけている。
問い合わせは同会(11・2275・0534)
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■小島隆治氏
サンジョゼ・ドス・カンポス市副市長の小島隆治さんが冠動脈疾患のため、一日
午前七時四十分に亡くなった。二日午後二時からオルト・サン・ディマス墓地で葬
式が行われた。
一九四六年十二月アララクアラ生まれ。七三年にサンジョゼに移り、カネボウ・
ド・ブラジル工場で働いた。
九六年から〇〇年まで同市公共工事局長。〇一年から〇四年まで副市長および計
画局長(〇一〜〇二年)、市長室長(〇三〜〇四年)を兼任。〇五年から現在まで副
市長と経済発展局長を務めた。
九一年には当時の市長と一緒に訪日し、同市と大阪府門真市との姉妹提携締結に
も寄与した。
初七日ミサの日時は未定。
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■辻一夫氏
ロライマ州で現地日本人会の会長を務めた辻一夫さんが先月三十一夕方、サンパ
ウロ病院で内臓ガンのため亡くなった。七十四歳。
辻さんは熊本県出身で一九五四年六月ベレン着のあめりか丸で来伯。マナカプル
ー移住地(現ベラ・ヴィスタ)に入植後、サンパウロでフォルクスワーゲン社に入
社。八二年から同州の首都ボア・ヴィスタで養鶏業を営み、同地日系人の世話役的
な存在だったが、昨年末からサンパウロで療養生活を送っていた。
葬儀は一日に行なわれ、ヴィラ・アルピーナ火葬場で荼毘に付された。初七日は
パライゾ区のサンパウロ教会で七日午後三時から行なわれる。
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■「移民百年二つの祖国に生きる」=第6回=夢を追ってひたすら仕事=社会保険入
らず〃綱渡り〃
群馬県大泉町の日系ブラジル人二世、畠山(はたけやま)アキオさん(35)=
仮名=の一日は長い。午前七時に起床、夕方まで同県内の自動車関連工場で働く。
帰宅後すぐに、昨年に町内で開店したブラジル料理店を切り盛り。三十人ほど入る
店は平日は午前零時ごろまで営業、後片付けをして就寝は午前二時を過ぎる。休日
前は明け方まで店を閉じない。
「新車を買うため」と軽い気持ちで来日したのが一九九二年。岡山県の古い一軒
家で十五人の日系人らと共同生活し、工場でひたすら働いた。「豊かな国という想像
とまったく違うし、ブラジルが恋しかった」。日本語もよく理解できずトラブルもた
びたび。「それでもまじめに働き、日本語も勉強した。悪い誘いもあったが道を外れ
ずにやってきた」と振り返る。
日系人の妻(36)、長女(13)、長男(1)の四人家族。日本に永住するかは
決めていないが「店を軌道に乗せて、子どもを大学に行かせてやりたい」と夢を描
く。
これまで大きな病気やけがはなかったが、以前勤めた工場では、けがをした同僚
が補償がないまま何人も解雇されるのを目の当たりにした。「家族のことを考えると
社会保険はほしい」。雇用主の派遣会社に加入を要望したが、保険料で手取りが減る
として「君以外は入りたくないと言っている」と断られた。
外務省の二〇〇六年度調査によると、在日ブラジル人は約四割が社会保険に加入
していない。「違法状態がまかり通っている。何か起きたときには取り返しがつかな
い〃綱渡り〃状態」と大泉町の社会保険労務士、小野修一(おの・しゅういち)さ
んは指摘する。
四年前、小野さんの事務所に群馬県太田市の派遣会社から「ブラジル人が派遣先
のプレスの事故で左手の指を三本失った。保険に未加入でどうすればいいか」と相
談があった。会社は保険料をさかのぼって納めるより治療費や休業補償などの全額
負担を選んだ。だが会社はその後、労働基準監督署に全従業員の保険加入を指導さ
れ、約二百人の保険料を負担できずに倒産したという。
畠山さんは「組合みたいなものがあればいいんだけど、波風を立てて解雇される
のは嫌だから」と話す。不安を抱えながら、仕事に打ち込む日々が続く。(共同=畠
山卓也、前橋支局)
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■ブラジルで日本人医師の〃草分け〃=もう一人の野口英世 高岡専太郎(9)=
心地よかった師との出会い=魅了され、学ぼうと決意
菅邸に入った専太郎は、これまでいっしょだった出迎え役の若勢から礼治(礼之
助の父親)夫人ユウにバトンタッチされる。上がり口でふろしき包みを下ろし、わ
らじをほどき、足袋を脱ぐ。専太郎は正座し、ユウにあいさつをする。
夫人のユウが横堀の母や叔母のような雰囲気の人のように見える。子どもはただ
直感で、自分が全面的に受け入れられているかどうか判断する。後年、専太郎にと
って自分の家族以上の家族とまで思えた菅家の人たちである。専太郎はこの日、長
い旅の終わりに何かほっとした気持ちをこの家族から受け取った。
専太郎はこのときに礼治の長男、礼之助に初めて会う。礼之助は母親に促されて
長旅のねぎらいの一言二言を言ったと思われる。専太郎より二歳年上で、この春土
崎の高等小学校三年生になるところだった。
彼は土崎生まれの土崎っ子であり、横堀とは違った、都会の人間によくあるよう
に年齢より大きく見えたと思われる。礼之助は自分の育った土崎をこよなく愛し、
七十三年後、日本の指導的立場になってから土崎小学校を表敬訪問し、「今日の自分
を育ててくれたのはこの土崎であり、今日の自分の精神を作ってくれたのはこの土
崎小学校の教員であります……」と故郷への思いを感慨深げに語っている。
母親のユウから言われていたのだろう、礼之助は専太郎を家の中を少し案内した。
専太郎は自分が長男だったので、兄のような人間が目の前に現れたことに言い知れ
ぬ心地よさを感じたに違いない。同時に自分よりに二、三歩ならず更に四、五歩も
先を行くように見える礼之助にすっかり魅了され、今後この人からいろいろ教えて
もらおうと自分で勝手に決めた。
自分は小学校に四年しか行っていない、不足の分はこの人についていって吸収し
ていこうという訳である。まさに出会いの初日に、専太郎が礼之助の意向など構わ
ずにこの決意をしていることは枡屋での丁稚奉公が始まってからの行動に如実に表
れている。
当主の菅礼治は、明治十一年(一八七八年)士族の「金禄公債」の浪費を防ぐため
の第四十八国立銀行を創設し、その二年後、明治十三年(一八八〇年)秋田商法会
議所作り、会頭として活躍したり、県会議員に当選したり、物産委託商会を設立し
たり、金融、回漕業、商社経営などまさに八面六臂の活躍で、秋田の渋沢栄一と呼
ばれていた。
したがって連日多忙を極め、事実、専太郎の到着した日もまだ帰宅していなかっ
た。帰宅してすぐ風呂に入り、その後、息子の礼之助を、寝ているときは起こして
まで何らかのうんちくを垂れるのが日課であった。親子で会う時間がないから、入
浴後の一瞬が対話時間なのだという。礼之助によると、礼治は立身出世しろとは一
度も言わなかったそうだ。つづく(押切宗平)
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■豪華版、ディナーショー=希望の家、資金集め
希望の家福祉協会(木多喜八郎理事長)を支援するディナーショー「Hai,irasshai
mase(はい、いらっしゃいませ)」が五月二十四日午後八時から、エキスポ・バラ
フンダで開かれ、千七百人以上が駆けつける盛況ぶりだった。
ブラジル日本移民百周年と同協会創設者の市川幸子元園長(故)の来伯五十周年
を記念したイベント。上原幸啓百周年協会理事長、松尾治同執行委員長、森口イナ
シオ援協会長はじめ、各日系団体の代表者らが多数顔をみせた。
広大な会場内には、二百の十人掛けテーブルが並んだ。中央舞台をはさんで、四
つの巨大スクリーンが並び、照明も工夫。寿司や刺身などの日本食を中心とした食
事ほか、日本酒を使ったサケピリーニャなどが用意され、人気を集めた。
舞台では平田ジョー、マウリシオ・ミヤさんほか、来伯中の中平マリコさんが美
空ひばりの「川の流れのように」、伊藤カレンさんがBEGINの「島人(しまんち
ゅ)の宝」を披露。四人が長渕剛の「乾杯」を美しいハーモニーで歌い上げ、会場
の雰囲気を一気に盛り上げた。
希望の家の園生らが、歌やキーボード演奏を披露し、会場からは大きな拍手が送
られた。パラグアイ旅行券が当たるくじ引きに続いて、ブラジル人歌手のギリェル
メ・アランテスさんが登場、キーボードを弾きながらロマンチックに歌った。
上原理事長や木田理事長が祝辞を述べた舞台上には、ミス百周年の中平エリーナ
さん(26)と、このほど来伯した日本のミスニッケイ・安藤クラウジアさん(1
7)がドレス姿で登場し、会場の視線を集めていた。両ミスは園生らと舞台裏で記
念撮影した。
イベントは午前〇時ごろまで続き、大変な盛り上がり。コーディネーターのオオ
ドウ・ニヴァルド希望の家理事は、「たくさんのお客さんに満足してもらえた。利益
を施設の運営費に有効活用したい」と話していた。
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■興味深いポータルサイト=NHK名古屋放送局が開設
ブラジル人と日本人の掛け橋になることを願って――。NHK名古屋放送局はこ
のほど、在日ブラジル人コミュニティー向けに、ポルトガル語のポータルサイト(ホ
ームページ)を開設した。東海四県(愛知・三重・岐阜・静岡)在住のブラジル人
を主な対象にしており、幅広く情報を紹介している。
サイトでは、東海四県の自治体やNPOからのお知らせやイベント情報ほか、週
間こどもニュースとして、日本のニュースをポ語でわかりやすく解説。地震・津波
の基礎知識や防災に関する情報も盛り込んでいる。
ラジオ番組「FM トワイライト」では、毎週金曜日、日本人の父とブラジル人
の母を持つ在日女性シンガー、隼人加織さんが日ポ両語でブラジルの音楽情報など
を放送する。
「あなたの歴史を教えてください」のコーナーでは、日系ブラジル人から日本に
行った経緯や、日本に来てから感じたことなどのエピソードを載せる予定。日本語
翻訳版も掲載する。
今月十五日付けの特別コラムには、アンジェロ・イシ、アンナ・シュドウ、エリ
カ・イトウ・ジルベルト・ヨシナガ、イナシオ・シバタ、マルセロ・タバタさんら
が、サッカーやデカセギ、多文化共生などについて日ポ両語で綴っており、ブラジ
ルに興味がある日本人にとっても興味深い内容だ。
またNHKが海外に向けてポ語で提供している「NHK World Atualidades」を聴
くことができる。その他、教育や労働、年金について日本で生活していく上で役立
つサイトのリンク集も紹介している。
ホームページ・http://www.nhk.or.jp/brasil/
携帯サイト・http://www.nhk.or.jp/brasil/k/
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■9月、全伯短歌大会=作品募集締め切り迫る
【既報】椰子樹社、ニッケイ新聞社共催による第六十回全伯短歌大会が、来る九
月十四日、サンパウロ市のエスペランサ婦人会サロン(文協ビル内)で開催される。
椰子樹社会員はもちろん、一般短歌愛好者の参加も歓迎している。
応募方法はつぎのとおり。◇作品=自作未発表作品二首を楷書で縦書きにする。
原稿には作者名、住所を明記。◇締め切り=六月十日。◇応募料=二十レアル。シ
ェッキ・ノミナル(MISAKO KOIKE)を同封する。現金は手渡しのみ。◇応募先=
Misako Koike
Av Padre Vicente Melillo 1596 Osasco SP 06036―003
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■カストロすし祭り=30キロのマグロの活き造りも
パラナ州カストロ市の文化体育協会(大久保武会長)は、去る五月十八日、文協
会館ですし祭りを開催し、約五百人が駆けつける盛況ぶりだった。
三十レアルで食べ放題。マグロ、サーモン、スズキ、ガロッパ、えび、たこなど
二百キロほか、すしや焼きそば、かき揚げなどがあり、大好評だった。
同文協では八月十日、カストロ入植五十周年記念慰霊祭を開催する。当日は、二
百本の雪割桜と百五十本の陽光桜が満開になる。問い合わせは同協会(電話42・
3233・2144)まで。
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■日本祭り、文芸作品投句郵送でも
第十一回日本祭りのブラジル日系文学会コーナーでは、毎年俳句、短歌、ハイカ
イのコンクールを行ってきたが、今年から会場での投稿だけでなく、事前に郵便で
も応募を受付ける。
題「日本祭(郷土祭)」「百年祭」、子供俳句題「おまつり」「こいのぼり」。郵送の
場合締め切り七月十五日、住所、氏名、電話番号明記、子供俳句の場合は学年、年
齢を記入。送り先Teruo Hama
Praca da Liberdade 107 apt.1608 CEP 01503-010 Sao Paulo SP
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■なつメロ合唱の集い=老ク連で6月例会
なつメロ合唱の集いが、七日正午から、老ク連センター(シケイラ・カンポス街
134)で行われる。参加は自由、会場費五レアル。問い合わせ電話3726・3
709(いがらし)、6546・4043(しおばら)、3826・6015(ごと
う)。
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■名画鑑賞会「猫と庄造と二人―」など
名画友の会は、二十八日日午後〇時十五分から、老ク連センターで第百七十五回
鑑賞会を催す。上映は「猫と庄造と二人の女」(五六年作品、森繁久弥、山田五十鈴、
香川京子)、「シャレード」(六三年作品、オードリー・ヘップバーン、ケリー・グラ
ント)。会場費五レアル。問い合わせ電話3726・3709(いがらし)、412
9・7754(まつひら)。
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■大耳小耳
聖州美術館(ピナコテカ)で現在、日系アーティストの作品を展示しているが、
「江戸の工芸展」も同時に開かれている。同館一階にあるカフェでは、弓場農場の
写真展が飾られ、向かいのルス駅にある『ポルトガル語博物館』の一階部分でもア
ブリル出版社による日本関連の展示がある。まさに日本一色だが、訪れる方は土曜
日が全て無料で楽しめてお得だ。
◎
非日系のブラジル人はじめ、多くの人で賑わった文協主催の文化祭り。会場の各
入り口にあった受付では、このほど移民百周年協会が発行した記念イベントガイド
ブックが配られていた。ボランティアの青年も会場内を歩いて、同ガイドブックを
手渡ししてPRに励む姿も。式典まで一カ月を切ったが、こうした努力は大切だ。
というか、すでに終了した行事も書かれているので、早く配らないと価値が減る?
◎
先週末からサンパウロ市内の気温が急に下がり、防寒着が必須になっている。三
週間後に迫ったサンパウロの記念式典の会場は屋外。皇太子さまが出席予定の式典
第二部が始まるのは夕方、気温が下がり始める時間だ。いずれにせよ防寒の備えは
必要だろうが、残りの期間での天候回復を望みたいところ。
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■ルーラ大統領=エタノールで宣戦布告=EUの指揮で圧力=食糧危機の元凶
に仕立てる=環境にかこつける包囲網
イタリアを歴訪中のルーラ大統領は一日、ブラジルのエタノール生産へ国際的な
封鎖作戦が展開されていることで、その対応は「売られた喧嘩」と位置付けたこと
を二日付けエスタード紙が報じた。これらの作為的な謀略に対し、これからは世界
貿易機関(WTO)を戦場として争うことになると大統領は宣言した。
EUを始めとするグループが、温暖化防止という美名のもとにエタノール封鎖作
戦を展開していることで、その欺瞞性をルーラ大統領が糾弾した。ブラジルの森林
伐採を批判するなら、その前にEUの乱伐による伐採の実体を見てからものを言え
と訴えた。
大統領の対応は、宣戦布告の通告といえそうだ。EUの唆しで始まった国際的な
動きが、ブラジルを標的としているのは明白。「喧嘩なら受けて立つ」と大統領はた
んかを切った。EUの作為が、WTOに向け、外堀を埋める魂胆であることは想像
に難くない。
大統領は記者団に述べた。「ブラジルは今、数々の主要産品輸出国だ。国際舞台の
主役で余りに目立ち過ぎたから、世界が足を引っ張っている。ブラジルは、G8洞
爺湖サミットへ招待されたが、サミットの残飯を食わせるのなら断る。ブラジルは、
お人よしの協力者ではない」と。
サミットは主要議題を協議し終える最終日に、ルーラ大統領を招いた。サミット
宣言が、ブラジル代表を交えての合意のような言い方をされるのは迷惑。G8サミ
ットは、途上国の分際を守るならという前提付きの会合だ。洞爺湖サミットでは、
ブラジル代表でなく途上国代表として地球温暖化やエタノールとは何かを訴えると
いう。
大統領は三日、国連食糧農業機関(FAO)会議で食糧高騰とエタノール元凶説
に関する演説を行う。これまで異常気象の石油元凶説はいうが、それへの対応とし
て、エタノールが最善の貢献策であることを誰も口を閉じていわなかった。
森林伐採といえば、ブラジルだけのように吹聴する。EUに現在残っている自然
林は、〇・三%である。この乱伐振りを、どう説明するか。アマゾンはブラジルの
領土である。アマゾンを保護したければ、相応の協力をすべきだ。これまで余計な
口出しをする者はゴマンといたが、カネを出した者は僅少であった。
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■ジャーナリストを襲い暴行=新聞発刊200年の記念の年に=言論の自由、知
る権利の侵害
二百年前に伯国初の新聞が創刊された記念日すべき六月一日付け伯字紙に、リオ
市のファベーラで取材中のジャーナリストらが拉致され、暴行を受けたと報じられ
た。
一日、二日付けの伯字紙によれば、五月一日からリオ市西部のファベーラ、バタ
ンに住み込み、武装集団にコントロールされている地域社会の実態を取材中だった
地方紙「オ・ディア」の記者ら三人は、十四日に拉致され、七時間余り監禁された
上、殴る、蹴るなどの暴行を受けた。
最初に拉致されたのは写真家と運転手で、ビールを飲もうと誘われて店についた
ところで、武装した男たち十人に囲まれた。借家にいた記者も七人の男たちに拉致
され、一カ所に集められた。七時間余りの監禁中、三人は二十人近い集団から暴行
を受けたという。
監禁中、三人のEメールで記事や写真を見た一味は、さらに暴行を加えたという
が、写真には、警察車両や、武器を持ってファベーラ内を自由に歩き回る男たちの
様子も写っていた。三人は殺すぞとの脅しも受けたが、その後、携帯電話や金銭略
奪の上、この件について口外しないことを条件に解放された。
リオ市内七十八のファベーラを管理しているといわれる武装集団は、基本的には、
警官や消防士、犯罪人らが組織。麻薬密売者らを地域から追い出し、地域の安全を
約束する代わりに、住民や商人たちから金を徴収。ガスなどの販売を一手に握り、
利益を得る他、泥棒や麻薬使用者の取り締まりや処罰も実行する。
今回の事件の発表が遅れたのは、警察の調査を妨害しないためだったというが、
二日の記事によれば、警官らの関与は明らかで、監禁されていたと見られる場所か
らは銃器も応酬されたが、現時点では証拠不十分で、一斉検挙には早いという。
この事件の報告を受けたリオ州知事は徹底捜査を命令。報道関係諸機関は、報道
の自由と権利、国民の知る権利への侵害であるとし、組織の一掃をとの要望を提出
した。
国連や国際的人権擁護組織などでは警官による暴行が問題視されている伯国だが、
国内外からの治安政策を問う声がさらに高まりそうな事件がまた一つ起きたといえ
る。
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■年金を官民均等に=新規採用は上限最賃10カ月分
社会保障制度の維持が困難となったことで政府は、二〇〇八年末までに社会保障
院(INSS)扱いの公務員年金と遺族年金、民間企業の定年退職者年金も上限を
最低賃金十カ月分とする法案を国会へ上程する意向を明らかにした。
社会保障院のシュワルツアー次官によると制度改革案が適用されるのは、同令公
示後に採用された公務員に限るという。現在勤務中の公務員は、現行法通り最終給
与を基準とする。軍人は例外として、空軍も海軍も同令を適用しない。
二〇〇四年一月以降に採用された公務員は、当時の制度改革により、INSSへ
最低賃金十カ月分の掛け金一一%を支払い、それ以上は社会保障基金へ別枠掛け金
を支払うとなっていた。この別枠年金についても、新たに審議する。
社会保障制度改革案は、選挙のない二〇〇九年早々発令の見込み。現職中の公務
員は年金を削られる心配はないというものの、高齢化社会に入ったブラジルも、社
会保障制度が破綻しつつある世界の傾向から例外とはいえない。
この不人気法は二〇一〇年採用の公務員から適用され、民間企業と同等扱いにな
る。社会保障院の赤字は約一千億レアルに達し、殆どは国家と地方公務員、軍人の
年金と遺族年金である。
二〇〇六年の時点で国家公務員の年金掛け金は百七億レアルの歳入に対し、歳出
が四百六十五億レアル。同年だけで三百五十八億レアルの赤字。公務員の掛け金は、
僅か五十四億レアル、歳出の大部分が公務員だ。
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■借金取りが大繁盛=注意、新案取り立て奥の手
ブラジルのローンが一兆レアルの大台に乗ったことで、ローン踏み倒しや滞納者
に対する借金取り立て業が大繁盛している。取り立て要請件数は過去十二カ月で二
五%増え、聖市で二千人が新たに採用され特訓中。
同業界の最大手ムウチコブラは全国に十一支店を構え、八百人の取り立てプロを
擁する。以前のように州外へ逃げても無駄。取り立ては、穏便な方法から法に訴え
るで九五%が解決。商品を取り上げるや張り込みなど奥の手まで色々が五%。
最も多いのは、車両販売の六〇%。販売は、国策でローンの条件を緩めたからう
なぎ上りである。同業者は、雨後の竹の子のように開業をしている。支払期限から
十五日の猶予を与え、取り立て攻勢が始まる。
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■金融危機は嵐一過=残る問題はインフレのみ
中銀のメイレーレス総裁は、地方選挙の年であっても基本金利の引き上げをちゅ
うちょしないという。金利を上げて、とフェイジョン以外のものは買わせないのが
左翼政治だそうだ。
米発金融危機は、五カ月が経過し、峠は過ぎたという見方が多い。残るはインフ
レ対処が問題らしい。格付け会社Fitchの警告に従い、政府は経費百三十億レ
アルを削減すると発表した。
中銀の通貨政策は、選挙に不利とPT(労働者党)が中銀総裁へ抗議をした。「肉
や果物の高騰から見たら金利の引き上げなど微々たるもの」と総裁が一蹴、昇給よ
り不買の方がインフレには効果があるという。
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■ホンジュラスの事故機に伯国大使夫妻搭乗
三十日にホンジュラスのテグシガルパ空港で起きた事故では、悪天候とぬれた滑
走路とでオーバーランとなった飛行機が、空港近くの道路を走行中の車も巻き込み、
少なくとも五人が死亡する事故となった。この事故で、同国駐在の伯国大使婦人が
死亡、大使も骨折などで入院加療中。
エルサルバドルのTACA航空の飛行機による事故は八件目。また、同空港は離
着陸の困難な空港として知られている。
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■男性が男らしくなるには
最も売れている媚薬五種は、多い順にドルフレックス、シアレリ、ヴァイアグラ、
ネオサジーナ、タイレノール。媚薬に関する女性の意見は多い順に、夫が男らしく
なった。性に目覚めた。落ち着いた。夫婦関係が改善した。戸惑っている。
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■東西南北
リオ州元知事と前知事絡みの事件が新聞紙上をにぎわしているが、リオ州議員の
半数は犯罪に絡んでいると、ショックな数字も。聖州でも、親族雇用の議員が問題
になっているが、政治の世界では清濁併せ呑むというより、濁りっ放しの感も。閣
僚などのコーポレーション・カード疑惑も、告発や起訴といった形の解決もないま
ま、議会調査委員会(CPI)が閉じられようとしている。
◎
昔のサッコレイロは、バスでパラグアイまで行き、品物を仕入れて帰って売った
もの。今のサッコレイロは、飛行機で旅行し、聖市の35・デ・マルソで仕入れた
品を、地元で売りさばく。国内だけではなく、アンゴラなどからのサッコレイロも
多いというが、ペルナンブコから仕入れにきている婦人いわく、売れることは保証
付きで、利益は百%にもなるという。
◎
一日未明に駐車中の車の中に九カ月の息子を残したまま恋人を迎えに行った聖市
の二十五歳の女性。五分後に戻ってきた時には車は影も形もなし。車は約三十分後
に発見され、男児も無事保護されたが、保護義務放棄とみなされ、訴えられた母親。
今後、司法当局により、男児を誰に委ねるかの判断が下される。
◎
一日に行われた聖市のマラソン大会。気温十四度というあいにくの天気だったが、
二年連続でケニア勢にさらわれたタイトルを伯国選手が奪還。男子はガウッショの
フェルナンデス選手が、女子は、二〇〇二年にも優勝したミナス州のバウダイア選
手が優勝。出発点のオタヴィオ・フリアス・デ・オリヴェイラ橋を埋め尽くした一
万二千人。重装備で走ったバウダイア選手と、この程度の寒さは平気というフェル
ナンデス選手が好対照。
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《用語解説》リベルダーデ=日本人移民が集住する地区、別名は東洋人街、
聖市=サンパウロ市、聖州=サンパウロ州、ポ語=ポルトガル語、日語=日本語、
コロニア=移民一世を中心とした日系社会の一部、伯国=ブラジル、伯人=ブラジ
ル人、南大河州=リオ・グランデ・ド・スル州、亜国=アルゼンチン、R$=ブラ
ジル通貨単位レアル。
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