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経済ニュースゼミ有料版 (第○○○号) 2008年○月○日
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こんにちは、seijiです。
これは、経済ニュースゼミ有料版のサンプルです。
経済ニュースゼミという名のメルマガが、2004年11月に創刊されま
したが、あれから4年以上の月日が経ちましたところ、有料版のメル
マガを発行してはとのお話があり、この度有料版をスタートされるこ
ととしました。
ただ、今までご愛顧頂いていた読者の方からは、「えっ、有料にな
るの」と言われることは十分承知しています。
また、読者の方からお金を頂くからには、今までとは違う責任が生
じることも承知しています。
無料の時代には、お正月や夏休みの休刊も自分で好きに決めること
ができましたが、有料になればそんなことは許されません。
確かに、今まで週に3度のペースで発行していたものを、例えば週
1回にしたり、或いは、予め原稿を用意していたりしておけば、決め
られたペースでメルマガの配信が可能でしょう。
しかし、週1回では、世の中の流れについていけませんよね。
やっぱり、週3回は出したい。
でも、そのペースを厳格に守ることができるのか。
そんなことを考えた末、次のようにすることにしました。
月、水の配信分は、今までどおり無料とします。
そして、金曜日の配信分は有料とさせて頂きます。
ただ、有料分は、初心者の方により分かりやすくするために、基本的
な説明を充実させるほか、より長いスパンに立って解説することにも努
めます。
ということで、週に1回で、月に4−5回しか配信しない有料のメルマガ
ですが、無料版も含めれば、月に12回程度は配信されるとご理解頂きた
いと思います。
では、どんな内容のメルマガか、サンプルをお示しします。
以下では3本お示ししますが、実際には1−2本の掲載になるとご理解下
さい。
<本日のメニュー>
1.日本銀行の新融資制度
2.金融危機の日米比較
3.貿易赤字と過剰消費
4.編集後記
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日本銀行の新融資制度
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1.日本銀行の新融資制度
12月2日、日本銀行が新しい融資制度を発表しました。
最長3か月間、金利0.3%でどれだけでも民間の銀行にお金を貸し出す
という制度です。担保として社債やCPなどを差し入れる必要はあります。
(注)CPとは、コマーシャルペーパーといい、信用力のある優良企業
が短期の資金を調達するために発行する無担保の約束手形のことです。
これだけでは、日本銀行のことや金融について詳しくない人は、何が
何なのか、さっぱりわからないと思います。
多分、皆さんは、日本銀行だから民間の銀行にお金を貸すのは当たり
前だと思ってはいないでしょうか。
そこで基礎から考えてみたいと思います。
2.銀行の資金管理
民間の銀行が資金繰りに苦しくなったら、普通どうするのか?
こんな質問をすると、銀行って、大きな金庫に沢山お金を保有してい
るのでは? なんて、思う人がいるかもしれませんね。
でも、金庫にお金を入れておく量は、必要最小限度に限られます。
どうしてかといえば、金庫にお金を置いておいても殖えないからです。
だって、利息がつかないでしょう。
これが、鶏かなんかだったら違います。
庭で放し飼いをしている鶏は、玉子を生んで殖える可能性があります
が、お金の場合は決して殖えません。
どうしても増やしたければ、誰かに貸さないといけません。
ですから、金庫の中のお金は、預金の支払いなどに使用することが
予想される量に限られるわけです。
ただ、余り少なすぎると、支払いに応じられなくなることもあるの
で、余裕は必要です。
そういうことで、銀行の経営者は、如何に効率的に資金を運用するか
をいつも心配しているわけです。
ついでに言っておきますが、最近、貸し渋りだとかがよく話題になり
ますが、銀行は、本来お金を貸したくてしょうがないのです。
貸し渋りなどしていたら、利息が稼げないからです。
でも、貸し渋りが多いといいます。
それは、要するに安心して貸せる先が減ってきているということです。
景気が悪くなって、融資先の将来に懸念が出てきているので、このま
ま貸し続けていいのかと、迷いだしているというのが基本的な姿です。
3.日本銀行に預ける当座預金
で、話は戻りますが、民間の銀行は、日本銀行に当座預金の口座を保
有しています。
(注)この当座預金は、準備預金とも呼ばれます。
何故か?
いろいろ理由はあります。
1つは、そうした口座を日本銀行にもっていないと、銀行同士の資金の
やりとりができないからです。
私たちもそうです。民間の銀行に預金口座を持っていると、そこから
公共料金の引き落としができたり、給料を振り込んでもらったりと、生
活が便利になります。
もし、そういう口座がなければ、全部の取引に現金が必要になり、面
倒で仕方がないでしょう。
で、そういうことで、民間の銀行も日本銀行に当座預金の口座を持っ
ていて、そこに資金をプールしています。
で、そこで保有している資金量も効率的に管理しなければいけません。
何故なら、本来その当座預金には、利子がつかないからです。(今は、
異例の措置で金利がつくようになっていますので、要注意)
(注)何故、当座預金に利子をつけるかといえば、もし利子をつけても
らえば、資金に余裕のある銀行は、その余裕資金をそれを下回る金利で
コール市場で運用することがなくなりますが、そうすると、金利が下が
り過ぎるのを防ぐことができ、中央銀行は金利をコントロールしやすく
なるからです。
ということで、当座預金口座の資金も最小限度にしときたいわけです
が、法律で定まった率の当座預金を保有することが求められています。
それは、万が一のときに備えての規定です。準備預金制度といいます。
そして、この準備率を日銀が操作することによって、金融を緩和した
り引き締めたりもできるわけです。
(注)預金準備率を引き上げられると、市中銀行は、その分融資などに
回す資金が制限され、金融が引き締められることになります。
4.コール市場
で、民間の銀行が資金繰りが苦しくなるというのは、この当座預金口
座にある資金量が少なくなってしまうことを言います。
法律で定められた量の資金を維持する必要がありますし、また、当座
預金口座がゼロになると、他行との決済が不可能になり、破綻という事
態に陥ってしまいます。
仮に、お客さんから何兆円という規模の預金を定期で集めていて、そ
して、貸出先も健全なところばかりで、毎期巨額の黒字を計上していて
も、資金の管理に失敗してしまうと、当座預金口座がゼロになることが
あり得るわけです。
ただ、経営内容に問題がなければ、他の銀行が、どれだけでも資金を
融通してくれるでしょう。
そうした銀行同士の資金のやりとりが行われるのが、コール市場であ
り、そこで成立する金利を、日銀がある一定の目標値に誘導しようとし
ているわけです。
(注)日銀が政策金利を引き上げた、などと報道されることがあります
が、実際には、政策金利の誘導目標を引き上げたということになります。
そして、政策金利とは、無担保コール翌日物を指しています。
ということで、いくら資金繰りが急に苦しくなっても、銀行としての
経営内容に特に問題がなければ、他行からお金を借りることが容易にで
きるのが普通です。
従って、民間の銀行が日本銀行から資金を借りる必要もありません。
5.最後の頼み
では、どんなときに日本銀行から資金を借りるのか?
先ほど、経営内容の特に問題がなければと言いました。
ということは、経営内容が危ないとみられると、どうなるというので
しょう。
変な噂が立つと、資金を融通してくれる銀行は限られてくるでしょう。
そうすると高い金利を支払う必要があります。
でも、高い金利を支払っても借りることができるのであれば、まだま
しです。
最後には、他の民間銀行はどこも相手にしないようになるかもしれま
せん。
で、そうなると、日本銀行から借りざるを得ません。
ということで、最後の頼みということで、中央銀行は、ラストリゾー
トと呼ばれるわけです。
(注)国際的にみると、IMF(国際通貨基金)が、真のラストリゾート
と考えられます。
「どうして最初から日本銀行に頼まないの?」
日本銀行からの融資は、通常、民間銀行同士でやりとりするコール市場
の金利よりも高く設定してあります。それだけコストがかかるのです。
それに、日本銀行にお金を借りるということが分かっただけで変な噂が
立ってしまいます。
ですから、日本銀行からお金を借りるのは、本当の最後の最後というこ
とになるのです。
ここまで来ると、冒頭のニュースの意味が分かってくると思います。
5.新融資制度の意味
本来、民間銀行は、日々、資金のやり取りを管理しています。昨日は、
資金不足になったが、本日は余り気味だ、明日は、また不足気味かな‥、
という感じです。
それが、3ヶ月にも渡る融資を日銀が供与するというのですから、この
意味で異常です。
そして、その融資にかかる金利も、公定歩合(基準貸付利率)の0.5%
を下回る0.3%です。
(注)公定歩合というのは、今は正式な言い方ではなくなっています。
もはや公定歩合の意味がありません。
さらに、担保として差し入れが可能な社債なども、これまでよりも格
付けが低くても可能だとしているのです。
ということで、今回の措置は、画期的なものだと考えることができま
す。
6.新融資制度の効果
では、この新しい制度のお陰で銀行の貸し渋りや貸し剥がしはなくな
るのか?
どう思いますか?
あまり期待できないでしょう。
それは、いくら民間の銀行が日本銀行から資金を借りやすくしても、
貸出先の一般企業の経営内容に明るい展望が見られない限り、怖くて貸
すことができないからです。
今、貸し渋りが起こっているとしても、その理由は、銀行の資金繰り
に問題が生じているというよりも、景気が悪くなり、融資先の業況が悪
化していることが最大の原因であるからです。
(注)但し、銀行が何かの事情で大きく資本を毀損した結果、貸し渋りに
走ることもあります。このような場合は、融資先の業況とは関係がなく貸
し渋りが起きます。
皆さんが、バンカーになったと想定してみて下さい。
いくら金庫にお金が余っていたとしても、融資の申し込みに来る人が、
お金を返せそうもない人ばかりであれば、決して貸そうとはしないでしょ
う。
それと同じです。
金融機関側の資金繰りが貸し渋りの原因でないことは、我が国の場合、
特に信用金庫などの預貸率が低いことから証明されます。
預貸率とは、金融機関が集めた預金と貸出金の比率のことです。
例えば、預金を100億円集め、80億円貸し出したら預貸率が80%になり
ます。
で、その預貸率が、低くて信用金庫は困っているのです。
つまり、お金は余っているのだと。
無理やり金融機関に融資を行うようにいうと、将来、多額の不良債権
が発生することが予想されるので、問題は単純ではないのです。
以上
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金融危機の日米比較
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1.米国における金融危機対策
先週金曜日から本日までに、またアメリカではいろんなことが起こ
っていますね。
先ずは、シティグループの救済。
先月250億ドルの資本注入を行ったのに、またもや200億ドルを注入
するとか。
それだけではありません。シティが保有する3060億ドルの不良資産
を政府が保証すると言っています。
アメリカで一番でかい銀行がそんな状況になっているわけですから、
本当に酷いものです。
で、それだけに驚いてはいけません。
今度は、FRBが、8000億ドルの支援策を打ち出しました。
(注)FRBとは、Federal Reserve Boardのことで、日本語では、連邦
準備制度理事会と訳されていますが、最近は、連邦準備理事会と呼ば
れることが多いようです。米国の中央銀行である連銀の意思決定機関
をFRBと呼んでいるのです。
中身は、二つに分かれていて、一つは、6000億ドル分の住宅ローン
担保証券などの買い取り。
そして、もう1つは、消費者ローンなどを担保にした資産担保証券の
保有者に対する融資。これは2000億ドルの規模です。
何でも、9月頃から消費者ローンなどを担保にした資産担保証券が売
れなくなってしまい、その結果、消費者や中小企業の経営者の資金繰
りが苦しくなっているといいます。
消費者ローンには、自動車ローンや、学資ローンや、クレジットカー
ドのローンが含まれています。
そうしたローンの利用が阻害されると、消費が益々弱くなってしまう
ので、その面での支援が必要だと、FRBは説明しています。
で、私思うのですが、そこら辺に日米の違いがあると思う訳です。
2.日本の経験
どういうことか?
10年ほど前の日本を思い出して下さい。
確かに、貸し渋りや貸し剥がしも起こったでしょう。
でも、消費者ローンが借りれなくなるようなことは起こりませんでし
たよね、日本では。
日本の地域金融機関は、一貫して、借りてくれるところがないと、嘆
いています。
優良な貸出先があるのであれば、喜んでお貸ししますと。
でも、アメリカは、借りたいというところはあっても、貸すことがで
きないのです。
どうして、そんな違いが生じているのでしょう。
3.証券化の進展
これは、アメリカは日本に比べ一段と証券化が進んでいることが原因
なのです。
日本の場合にも、証券化が少しずつ盛んになってはきていますが、そ
れでも基本は預金を原資とした融資です。
銀行が、住宅ローンを提供するのも、その原資は個人などから集めた
預金であり、それを消費者に貸しているのです。で、貸した後も、貸出
金として銀行のバランスシートに残ります。
しかし、米国では、住宅ローン業者が主な住宅ローンの出し手ですが、
貸し出した後は、そのローンを証券化して投資家に売ってしまいます。
(注)ローンを証券化して売ると、その分が帳簿から落ちますので、オ
フバランス化したと言われます。
そして、そうした証券を売り出すと資金が回収されるという仕組みで
す。
でも、そのようにして資金を調達しているので、絶えず資金繰りに気
を使う必要があります。
今回のように、そうしたマーケットで投資家が、買うことを止めてし
まうと、たちまち資金繰りに困ってしまうことになります。
それに対し、我が国の銀行のように、住宅ローンの原資が預金で賄わ
れるとどうでしょうか。
通常、預金者は、一旦預けた預金を一斉に引き出すようなことはあり
ません。
それは、預金には預金保険がついており、1千万円までは必ず戻ってく
ると信じているからです。
ですから、日本の場合には、資金繰りに困る割合が、米国と比べれば
はるかに少ないということができるのです。
それに対し、アメリカの場合には、短期市場での資金調達比率が大き
いため、効率的に資金を調達することが可能であっても、極めて不安定
だということができるのです。
4.シティグループのサムライ債
ここで、あの「儲け話」を思い出しませんか?
9月11日に書いたブログの記事です。
そう、シティグループが発行するサムライ債に3.22%の金利がつくと
いう話がありましたよね。期間は3年でしたけど。
(注)サムライ債とは、海外の企業などが日本で発行する円建ての債券
のことです。
で、それは、結局発行中止となりました。リーマンブラザーズの破綻
で、市場の環境が大きく変化したからです。
そのように、証券化が進むと、良い面とともに悪い面もあるというこ
とです。
証券化が進展すると、世界の資本の移動が益々激しくなります。
ある国に投資した方が儲かると思えば、世界中から一瞬にして多額の
資本が押し寄せます。しかし、危ないと思えば、一瞬にして多額の資本
が逃げ出してしまいます。
そうしたことによって10年ほど前のアジア通貨危機は起こりました。
今は、場所を変えて同じようなことが起きているのです。
以上
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貿易赤字と消費過剰
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1.麻生首相の主張
金融サミットで麻生首相は、アメリカは過剰消費を改め、そして日本
などは過剰貯蓄を改め、内需拡大に励むべきだと主張したと言います。
ご存じですか?
この議論、実は、麻生首相の持論ではなく、もう相当以前から言われ
ていることですね。
そう、日米の貿易不均衡をどうやったら解消できるか、という問題意
識の上にそうしたことが言われているのです。
アメリカは、毎年多額の貿易赤字を計上し、他方、日本や中国は、多
額の貿易黒字を計上しています。
(注)アメリカは、もう20年以上も貿易赤字が続いており、近年におけ
る赤字額は、年間7000億ドル(70兆円)を超える規模に達しています。
日本の場合は、2007年度は、9兆円ほどの貿易収支(サービスを含む)の
黒字となっています。
こういう状況が一時的なものであれば、それほど気にする必要もない
のでしょうが、もう何十年もこうした状況が続くと、こんなことがいつ
まで続くのか、と心配になるものです。
2.貿易赤字と消費過剰の関係
で、アメリカの貿易赤字は、アメリカ人の消費過剰に原因があり、日
本の貿易黒字は、日本の貯蓄過剰に原因があると言われるのです。
しかし、皆さん、貿易赤字と消費過剰がどのように関係しているかお
分かりですか?
貴方のお子さんたちに、分かりやすく説明することができますか?
これ、経済学者にとっては、常識みたいなものです。
どうしてなの?などと聞けば、馬鹿にされそうな気さえします。
ということで、本日は、そのからくりをご説明したいと思います。
そして、その「常識」が果たして正しいのかも検討しましょう。
消費が過剰だと、どうして貿易赤字になるのか?
何となく、消費が多すぎると、貿易赤字になるような気はしますよね。
でも、いくら国民が沢山消費するといっても、もし、その国が魅力の
ある製品を海外にどんどん輸出すれば、貿易収支は黒字になる気もしま
す。
どうなっているのでしょう。
実は、消費が過剰だと貿易赤字になるというのは、国民所得の恒等式
によって説明されます。
国民所得の恒等式は、次のように表されます。
Y=C+I+G+(X-M)
Yは、国民所得、つまり国内総生産を示します。
Cは、個人消費
Iは、民間の投資
Gは、政府支出
Xは、輸出
Mは、輸入
ですから、(X-M)は、貿易収支を示します。
では、この式を少しひねってみます。
CとIとGを左側に移項します。
そうすると、
Y−(C+I+G)=(X-M)
(X-M)は、輸出から輸入を差し引いたもので、貿易収支を意味します
が、その貿易収支は、Yから(C+I+G)を差し引いたものに等しくなるの
です。
Yは、国内総生産で、GDPのことですから、一定期間にある国で生産
されたものですが、それから(C+I+G)を差し引くと、その値が、貿易
収支に等しくなるということをこの式は示しているのです。
で、Cは個人消費で、Iは民間の投資で、そしてGは政府支出ですから、
(C+I+G)は、官民の支出の合計を意味します。
ということは、一定期間にある国で生産されたものから、消費や投
資などの形で支出されたものが貿易収支に等しいということです。
で、貿易収支が赤字であるということは、(X-M)がマイナスの値に
なり、その結果、(C+I+G)、即ち消費や投資の合計の方が、生産され
たものよりも大きいということになります。
ということで、もしCやIやGが小さな値になり、(C+I+G)がYよりも
小さくなれば、貿易収支は黒字になると考えられるということになり、
逆に、もしCやIやGが大きな値になり、(C+I+G)がYより大きくなれば、
貿易収支は赤字になるということになるのです。
ご理解いただけましたか?
多くの人が、「なるほど」と思ったかもしれません。
確かに、この数式からは以上のようなことが言えます。
でも、理解はできても、まだ納得はできていない人も多いのではな
いのでしょうか。
本当に消費を抑えると貿易赤字が解消するのだろうか?
そう思っていませんか?
話を簡単にするために、上の式を次のように単純化しましょう。
投資も、消費に含めてしまいます。
生産=消費+(輸出-輸入)
となれば、
生産-消費=(輸出-輸入)=貿易収支
この単純化した式を見る限り、確かに生産が不変である一方で、も
し消費が小さくなれば、貿易収支はプラスの値をとるようになるでし
ょう。
で、経済学者は、このことを強調するわけです。
消費が小さくなれば、つまり、消費を生産以下に抑えれば、貿易収
支は必ず黒字になる。
だから、アメリカは消費を抑制し、反対に貿易黒字の国は、消費を
増やせば、貿易黒字が小さくなるはずだという訳です。
3.消費過剰が貿易赤字の原因だという考えの前提
しかし、この話の重要な前提条件を忘れてはいけません。
それは、この議論は、消費を小さくする一方で生産は小さくしない
でおくことが可能であるということを暗黙の前提としていることです。
具体的に言いましょう。
アメリカ人が消費を抑えたとします。
そうするとモノの売れ行きが悪くなる訳ですから、それにともない
米国での生産は減少します。
これ常識ですよね。
消費が減少する一方で、生産が不変であるというのは、通常考えられ
ないことなのです。
ですから、いくらアメリカ人が過剰な消費体質を改めて、節約に励ん
だとしても、もしそれと同じ額だけ生産が減少すれば、(生産‐消費)
の値は変わることがないのです。
それは、日本についても言えるのです。
日本人が何らかの理由で、もっとお金を使うようになったとしましょ
う。
そう、消費を拡大させるのです。そうするとモノの売れ行きが良くな
るので生産が増加します。そうすると、この場合も(生産−消費)は変
化せず、貿易収支に変化は生じないことになります。
4.貿易赤字の原因を過剰消費に求めることは適切でない
ですから、貿易収支が黒字になるか赤字になるかを、全て消費が過剰
かどうかという議論に置き換えるのは適切でないのです。
それにも拘わらず、経済学者は、アメリカの過剰消費を問題にしてい
ます。
そして、多くの政治家がそうした議論が正しいと思いこんでいるので
す。
日本の、貿易黒字なんて、日本人が今より消費をするようにならなく
ても、企業が努力を怠り国際競争力がなくなれば、いっぺんに赤字にな
ってしまいます。
反対にアメリカの方も、例えば、ドル安が一段と進み輸出企業の国際
競争力が回復すれば、貿易収支の赤字が解消されることも期待できるの
です。
現に、この夏ごろまでのドル安ユーロ高の状況下で、米国の貿易収支
は改善の傾向を見せていたのですから。もちろん、アメリカ人の過剰消
費体質には何の変化も伴わないままでです。
以上
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編集後記
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以上、サンプルをお示ししました。
このメルマガは、経済や金融に詳しくない人にも、経済ニュースを
分かりやすく解説することを目的としています。
今回、経済ニュースゼミの金曜日配信分が有料になり、内容にも
変更が生じますが、基本的な理念は変わりません。
どうぞ、今後ともご愛顧頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
では、次回まで
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経済ニュースゼミは、『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
を利用して小笠原誠治が発行しています。
発行者のサイト:「経済ニュース解説 by コラムニスト
seiji」です。 http://www.columnist-seiji.com
発行者ブログ: http://blog.livedoor.jp/columnistseiji/
発行者への質問、御意見: cute@columnist-seiji.com へ。
配信中止: http://www.mag2.com/m/0000143981.htmから。