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2009「週刊/センター政経、現社に勝つ/解説と解答」

  1. 教育・研究
  2. 高校生向け
  3. その他の教科
**************センターに勝つ政経、現社 No.32**************11/9★
労働基本権以外、出題頻度、配点はそれほど高くはない分野である。
ただし、下記内容のほとんどは政経の教科書に年表等の形式で記載されている。
政経ではどこを出題されても文句は言えない。(08年政経第5問問3「34」出題)
現社は(1)と(2)の内容を中心におさえておこう。

32.「労使関係と労働法」
 産業革命→階級分化┌資本家=生産手段を所有し労働者雇用┐→資本主義社会
          └労働者=賃労働の代価(賃金)で生活┘
   (契約自由の原則)→パート、派遣など全ての労働者を含む
            2007年「労働契約法」制定、08年施行
(英)1851年、熟練労働者中心の職業別労働組合(企業横断的)初めて組織
   1868年、全国的統合体である「全国労働組合会議」(TUC)結成
(米)1955年、アメリカの労組が労働総同盟産業別会議(AFL・CIO)に合同
(国際労働運動)
 1919年、国際労働憲章に基づき国際労働機関(ILO)設置→連盟、国連機関
(日本の労働法)‥第二次世界大戦後の民主化政策→労働運動自由化
 1989(平成元)年に日本労働組合総連合会(連合)発足
  他に全国労働組合総連合(全労連)・全国労働組合連絡協議会(全労協)
(1)「労働組合法」1945年制定(49年全面改正)
 1.労働三権を具体的に保障することで、労働者の地位向上をはかる→除公務員
 「団結権」  労働者が自主的に労働組合を組織
 「団体交渉権」使用者と話し合い、労働協約を締結
 「団体行動」(争議行為/ストライキ・ピケッティング・サボタージュなど)
            →正当であれば刑事上・民事上の免責
 2.使用者の組合活動に対する妨害を「不当労働行為」として禁止(7条)
 {黄犬契約・不利益取扱・過度の経済援助・団体交渉拒否など}
            →「労働委員会」に申立
  調整のため、厚労省に{労+使+中立委員}で構成する「中央労働委員会」設置
(2)「労働関係調整法」1946年制定
  労働争議の解決のための「労働委員会」(中央・地方)の活動
*1方の申請で可能→「斡旋」
 労働委員会指名の「斡旋員」が争議の解決を援助
*双方の申請が必要→「調停」
 労働委員会に設置の「調停委員会」が調停案を作成し、その受諾を勧告
*双方の申請が必要→「仲裁」               
 労働委員会が形成する「仲裁委員会」が仲裁裁定を下す→「労働協約」同効力
*「緊急調整」(運輸、通信、電気、医療などの公益事業)                      
 公益事業争議→中労委諮問後「内閣総理大臣」決定
       →公表日から50日間争議行為禁止
(3)「労働基準法」1947年制定‥「労働条件に関する労働契約の最低基準」
 第1条「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充
  たすべきものでなければならない」
 第3条「同一労働同一賃金」
 第4条「男女同一賃金」
 第20条「解雇予告手当」(即時解雇には30日相当の賃金支払い義務)
 第32条「1日8時間・週40時間労働」
 *他{賃金支払原則、休憩時間、深夜労働、労働者最低年齢(15歳)その他}
 *厚生労働省下「労働基準局」
        →各県「労働局」→各地に「労働基準監督署」設置して監督
 *「最低賃金法」(1959)各県、各業種ごとに毎年改訂
  「労働安全衛生法」職場の安全、健康確保
  「労働者派遣法」
   など

────────センターに勝つ政経、現社問題 No.32─────────
32.「労働問題」に関する下記文章空欄に適語を記し、関連する設問に答えよ。
 資本主義において、労使が労働条件に関して契約する自由は「形式的自由」
にすぎない。生産手段を持たず、賃金なしでは生活できない労働者は、不利な
条件での契約を強いられるからである。そこで、実質的な自由を求める「労働
運動」が展開されるようになった。
 日本の場合、1897年に高野房太郎・片山潜が組織した「 1 」がそのさきが
けとなる。1900年にはその取締のために治安警察法が制定されている。1912年
には鈴木文治が「 2 」を発足させたが、1925年の治安維持法の取締の対象
となり、1940年の「 3 」の発足とともに、労組はすべて解体された。
 戦後、GHQの労働運動自由化により一時は加熱したが、公務員の労働基本権の
制限から低落が始まった。国の「 4 」、地方の「人事委員会」という代替
措置があることを理由に、国営企業、地方公営企業の争議行為は禁止されてい
る。公務員の場合には、団結権すら認められない職種がある。
 厚労省調査によると、労働組合の推定組織率は2003年にはじめて20%を切った。
力関係の変化は、労働条件の悪化に直結する。2006年に、企業の業績好転を受け
て5年ぶりの賃上げがあったが、好調なトヨタでさえ一人あたり1000円に過ぎな
かった。2006年には、残業手当を払わない「ホワイトカラー・エグゼンプション」
の導入が論議され、2007年には、労働条件を「就業規則」で一方的に変更できる
「労働契約法」が制定、08年に施行された。労働分配率(雇用者報酬/国民所得)
の低下に歯止めがかからないのは当然なのである。

1.労働組合に関する下記文章から、不適切な記述を記号選択せよ。
(1)1919年、国際労働憲章に基づき国際労働機関(ILO)が設置された。現在
 は国連経済社会理事会の専門機関である。
(2)スト・ピケ・サボなどの争議行為は、正当である限り刑事上・民事上の免
 責が認められている。
(3)黄犬契約、不利益取扱、過度の経済援助、団体交渉拒否などの、使用者の
 組合活動に対する妨害は「不当労働行為」として労働基準法で禁止されている。
(4)日本では1989年、総評、同盟等が合同して日本労働組合総連合会(連合)
 が発足した。他に全国労働組合総連合(全労連)・全国労働組合連絡協議会
(全労協)などがある。
(5)労働組合の組織率は低下を続けている。(2007年/18.1%)原因として
 公務員や大企業の正社員が中心で、中小企業や零細企業、パート労働者
 (4.3%)を組織してこなかった点が指摘されている。

2.労働争議の調整に関する下記文章から、適切な記述を記号選択せよ。
(1)労使代表で構成する「中央労働委員会」は、内閣府のもとに設置され、
 各県の労働関係の調整のために活動する。
(2)労使どちらか一方の申請で開始されるのが「仲裁」であり、仲裁裁定は
「就業規則」と同等の効力がある。
(3)公益事業の争議行為により深刻な社会的影響が生じた場合には、「厚労
 省大臣」による「緊急仲裁」が行なわれる。
(4)労働基準法の労働者にはパート、派遣など、全ての労働者が含まれる。
(5)労働基準法の監督機関として、厚生労働省に「労働基準監督署」、
 各市町村に「労働基準局」が設置されている。

*90年代の日本の企業行動と労働市場の変化についての記述として最も適当な
 ものを、次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1)不況の深刻化やリストラの影響があって、労働組合の推定組織率は上昇した。
(2)労働組合法が改正されたので、企業は、年功序列を重視する賃金制と、能力
 や成果を重視する年俸制を、自由に選んで採用できるようになった。
(3)パートタイマーや派遣労働者などを雇用する企業が増えたので、非正規労働
 者の数が増加した。
(4)雇用情勢や労働条件の悪化により、争議件数が増え、社会不安の一員となっ
 ている。
(5)社会の国際化と高齢化に対処するために、大企業は、一定数の外国人と高齢
 者を雇用するように義務づけられた。

□■□■□■□■□センターに勝つ政経、現社解説 No.32□■□■□■□■□
32.「労働問題」の答えと解説
【空欄】
1.労働組合期成会
2.友愛会
3.大日本産業報国会
4.人事院
【択一】
1.(3)が不適切である。
「不当労働行為」は労働組合法で禁止されている。

2.(4)が適切である。
(1)労使代表と中立委員で構成される「中央労働委員会」は、厚労省に設置
 され、全国的な調整のために活動する。
(2)一方の申請によるのは「斡旋」である。「仲裁」は労使双方の申請で開始さ
 れ、仲裁裁定は「労働協約」と同等の効力がある。
(3)公益事業の争議行為に行なわれるのは「内閣総理大臣」による「緊急調整」
 である。公表日から50日間は争議行為が禁止される。
(5)各県に「労働基準局」、各地方に「労働基準監督署」である。

*(3)が正しい。非正規雇用者数は2007年に約1732万人となった。
 正規雇用者は約3441万人である。(07年度、総務省労働力調査による)
(1)労働組合の推定組織率は低下し続けている。07年は人数は増えたが0.1%低下
 した。
(2)労働組合法に賃金制度に関する規定はない。
(4)組織率低下に伴い、争議件数も激減している。
(5)大企業に外国人の雇用を義務づける法律はない。高齢者に関しては「高年齢
 者雇用安定法」により、定年の延長などが課せられているが、雇用義務ではない。

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