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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

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            天木直人のメールマガジン
     反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

2009年12月10日号:Vol.000 政治報道の正体

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「ブッシュのイラク戦争」を支持した小泉首相に反対して外務省を罷免された
反骨の元外交官が、激動する世界と日本の情勢について、報道の裏に隠された
真実をズバリ解説。日本の進むべき方向を教えます。365日毎日欠かさず情報
を配信していきます。
                              天木直人
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◎ 政治報道の正体
◎ 政界大混乱が起きる(その1)
◎ 政界大混乱が起きる(その2)
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◎ 政治報道の正体
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いま発売中の新潮45という月刊誌の12月号に、フリージャーナリスト上杉隆氏
の手による興味深い記事を見つけた。

さきの月刊文芸春秋11月号に掲載された麻生手記によって、麻生首相は冒頭解
散を決めていたのではないか、という事が明るみになった。その事が国会質問
で取り上げられたほどだ。

その麻生論文が、実は麻生首相が書いたものではなく、朝日新聞の現職政治記
者である曽我豪という編集委員の手になるものだ、と上杉氏は書いているのだ。

ついでに言えば、上杉隆氏はまた、月刊文芸春秋の連載政局インサイダー記事
である「赤坂太郎」の書き手もまた曽我豪氏に違いないと書いている。

因みに、この曽我豪という朝日新聞の政治記者は、2005年の新党(国民新党)
づくりの際の亀井静香、田中康夫長野県知事(当時)会談の報道を、あたかも
田中康夫知事から直接したかのように虚偽報道した事件で、関与者の一人とし
て戒告処分を受けている政治記者である。

政治家と政治記者の癒着関係や、もたれあい関係は、何も珍しくはない。まし
てや政治家のスピーチや著作を代理人が書くという事は当たり前の事である。

何事も日本が真似をしたがる米国では、ジャーナリストが政治任用されて、公
然と大統領のブレーンやスピーチライターになっている。

だから上杉氏もその事自体を問題にしているのではない。

問題は政治家と政治記者の協力関係が日本では隠されているという事である。

米国では現役のジャーナリストが同時に大統領の協力者となることはない。

すなわち、大統領の協力者になる時はジャーナリストの仕事をいったん辞めて
からこれを行なう。

ジャーナリストとして政治記事を書く間は、決して同時に特定の政治家の協力
者にはならない。

この原則が守られるからこそ、メディアと権力の腐敗がギリギリのところで守
られるというのだ。

これは正しい指摘だと思う。

日本の政治報道が米国のそれに比べ上質な報道が少ないのは、このけじめのな
さに違いない。

匿名性の影に隠れてしか本音を書くことのできない保身性に違いない。

特に、大手メディアの政治記者は、権力者に逆らって情報源を失う事を恐れ、
地位をなげうって国民に真実を知らせる覚悟を持つことなく、今の恵まれた境
遇に安住しすぎているのではないか。

私は、フリージャーナリスト上杉隆がどれほどのジャーナリズム魂を持った政
治記者だかは知らない。

しかし、少なくともこの新潮45の記事は興味深く読ませてもらった。

ちなみに、新潮45の12月号には、もっと興味深い記事があった。

あの田母神前航空幕僚長が、M資金の詐欺話に危うく引っかかりそうだったとい
う記事だ。

そのような脇の甘い人物が国防のトップだった事に慄然とし、やめてもらう切っ
掛けとなった論文事件は国益にかなった論文であった、という記事に、妙に感
心させられた。

ついでながら、この詐欺未遂事件がまったく新聞には報じられないのはどうし
たことだろうと思ってしまう。


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◎ 政界大混乱が起きる(その1)
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政局について書くのは私の専門ではない。しかしここに来て俄かに政局が大混
乱の兆しを見せ始めた。

日本の政治はどうなるのか。

私の予測を二回に分けて述べてみる。

どうやら日本の政治は100年に一度の混迷政局に突入しつつあるようだ。

キーワードは政界再編と大連立である。決して政権交代ではない。

政界再編といえば総選挙後に起きると相場は決まっていた。

つまり今度の総選挙は、麻生自民党と小沢民主党の政権交代をかけた選挙であ
ると皆が思ってきた。

そして私を含め多くの者が、何はともあれ一度は政権交代を実現しなければ日
本政治は変わらない、という思いで、小沢民主党を応援してきた。

今の民主党が自民党と本質的に変わらない政党であっても、そして小沢一郎と
いう政治家が嫌いでも、それらに目を瞑って政権交代を望んできた。

しかし、残念ながらそうはならない。

総選挙前の政界再編が起きるのである。

その仕掛け人はもはやこのままでは選挙に勝てないと悟った自民党であり、い
までも自民党の一部との大連立を願っている小沢一郎である。

自民党では勝てない。しかし自民党議員として権力のうまみを知ってしまった
以上、総選挙に負けて野党になるのは堪えられない。

この二つの要請で生まれるのが、自民党をいったん分裂させ、分裂した後の新
政党による政権維持である。

しかし、その主導権を握るのは、例えば塩崎泰久や渡辺善美や後藤田正純など
の二世議員の若造が作ろうとしている新党の動きではない。森善朗がいみじく
も言った通り彼らは目立ちたいならお笑いタレントになればいい、その程度の
連中だ。顔ぶれがお粗末過ぎる。政界再編の軸にはなりえない。

良くも悪くも、政局は、55年以来一貫して政権を担ってきた自民党の古老の政
治家の、生き残りをかけた執念によって動く。そしてその中には、自民党の要
職を歴任してきた自民党体質の小沢一郎も含まれる。

自民党が解体すれば、同時に民主党も解体される。

政権交代が現実のものになりつつある時に解体する馬鹿はいない、だから民主
党はどんなにバラバラでも解体しない、そう思うのは常識だ。

しかし小沢民主党はそうではない。

小沢民主党に政権を取らせるぐらいなら、解体・分裂した後の自民党議員と組
んで新たな政党を作ったほうがましだ、と考える小沢アレルギーの民主党議員
が少なからずいる。

小沢一郎もまた、そんな連中と組んで政権を取るよりも、かつての自民党議員
の一部と組んで政権を掌握する方がいい、と考える政治家である。

かくして、保守新党の乱立による選挙が行なわれ、その後の保守連立政権、す
なわち旧自民党体質を引き継いだあたらな自民党的政権が出来るのである。


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◎ 政界大混乱が起きる(その2)
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もう一つの可能性は小沢民主党が、総選挙前に大連立内閣を発表して、挙国一
致政権をつくる事になるというシナリオである。

月刊「選択」という雑誌の12月号に「予想される民主党内閣の顔ぶれ」が出て
いた。

それによると民主党の主要議員のほかに、民主党以外の閣僚として次のような
名前が挙がっていた。首班はもちろん小沢一郎である。

外務大臣     加藤紘一(無所属? 前自民党))
財務大臣     榊原英資(民間)
文部科学大臣   平沼赳夫(無所属)
経済産業大臣   亀井静香(国民新党)
国土交通大臣   笹森 清(民間 前連合会長)
環境少子化大臣  福島瑞穂(社民党)
財政金融担当大臣 寺島実郎(民間)
地方分権担当大臣 田中康夫(新党日本)

私はかつてこのブログで、もし民主党が今度の総選挙での勝利を確実にしたけ
れば、閣僚名簿を選挙のマニフェストにして闘うべきだ、と書いた事がある。

その時は半分無責任で書いたのだが、この「選択」の予想顔ぶれを見ると、小
沢一郎ならやりかねないと思うようになってきた。

奇しくも12月1日の報道では、麻生、小沢の党首討論が終わった夜、小沢一郎
は鳩山由紀夫、田中康夫と都内のすし屋で会食した席で、「(次の政権は自民、
公明両党との連立も視野にいれた)超大連立だ」と語っていたという。

「選択」の予想閣僚名簿に太田あたりを入れればその通りになる。そしてこの
場合も、本質的には保守大連立である。

共産党は最初から外され、福島社民党は、かつての村山社会党のように、この
大連立政権にとどまる限り、名前だけ利用されてその政策を実現する余地はな
い。

自民党分裂といい、超大連立といい、外されるのは護憲政党だ。

それがわかっていながら、護憲政党が大同団結できないところに、この国の政
治の不毛さがある。

保守政権と対峙する国民的護憲政党が出来ないものか。それを率いる魅力ある
政治家が出てこないのか。


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著者:元駐レバノン特命全権大使、作家 天木直人
著者e-Mail:amaki719@chive.ocn.ne.jp
著者ブログ:http://www.amakiblog.com/blog/
ホームページ:http://www.amakiblog.com/
所属事務所:有限会社 天木直人事務所
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  • P0007564
  • 2009/12/23
  • 日刊