2人の考えるこれからのビジネスモデルとは
- 編集
- 堀江さんの周りって、お金持ちで無茶苦茶なことしてる人が多いイメージあるじゃないですか。堀江さん自身は最近、無茶してるんですか?
- 堀江
- 全然無茶苦茶やってないな。僕すごくまともですよ。
- 藤沢
- 堀江さんって、ほんとうに手堅くて、まともなんですよね。派手なことしてると思わせといて、ちゃんと採算考えて、次のビジネスにつなげたり。東京地検特捜部のあの件は、もう、本当に運が悪かったとしかいいようがなくて、ふつうの有名人とか金持ちがハマるような落とし穴とか、完全に超越してて、あれはもうお手上げだったんですよね。
だから、堀江さんみたいな人は、絶対に、小室哲也さんみたいな感じにならないんですよ。やはり金銭感覚というか、お金に関するリテラシーがあるんですよ、堀江さんは。これって、僕は、勉強したから身につくってもんでもない気もするんですよね。
- 堀江
- いやでも、簡単な話で、BSとPL読めるくらいでも別に大丈夫じゃないですか。
- 藤沢
- いや、BSとPL読むとか、そういうこと以前の問題なんですよ。小室哲也さんとか。あの人って何十億も毎年稼いでいたのに、破産して、自分で詐欺もやっちゃったわけでしょ。おかしいじゃないですか。でも、そういう人って、結構いっぱいいるんですよね。なんか特殊な才能で金持ちになった著名人には。
- 堀江
- 僕、すごくオフバランス化するし、資産持たないようにしてる。
- 藤沢
- だから、それはちょっと高度な話なんですよ。もっと普通の常識なんですよ。詐欺師が寄ってきて、この詐欺師はおかしいって思えるかどうかって。ていうか、世の中に、赤の他人が、うまい儲け話を持ってきたら、そりゃおかしいだろ、と思える感覚なんですけどね。
- 堀江
- 簡単に騙されてますよね。取り込み詐欺とか未公開株詐欺とか。
- 藤沢
- そういう話ってよく聞くじゃないですか。一般人にも、リテラシーのない人は勿論いっぱいいるんですけど、一般人にはそういう詐欺師寄ってこないからね。お金を持ってはじめて、いろんな詐欺師のターゲットになるんですよ。
- 堀江
- 僕の友達とかに凄いの来ましたよ。例えばリクルート株の未公開株詐欺とか。こんなの来てるけど、どうかなって聞かれて。いやそれ絶対詐欺ですよ。典型的詐欺ですよって(笑)。
- 藤沢
- 詐欺師業界って凄く組織的になっていて、ちょっと調子よくお金持ってそうな人をすぐ見つけ出して、ちゃんとマーケティングする。ちゃんとそういう体制になってるんですよ。
- 堀江
- 怖いですね、そういうの。
- 藤沢
- そうですね。気をつけたいですね。僕なんか、交友関係が狭いし、メディアには出ないし、基本、ケチだから、ぜんぜん来ないですけどね。ネット業界は、表にぜんぜん出てこずに、ぜんぜん有名じゃないけど、たくさん稼いでるみたいな人は、けっこういますね。
- 堀江
- 僕の毎月やってる「10万円鮨会」ってのに来る人に、たまにそういう人いて、今は薬剤師とか看護師の求人のアフェリエイトが儲かってるみたいですよ。人材紹介がけっこういい報酬を払ってるみたいで。それだけで年収4000万とかの人に会いました。
- 藤沢
- 昔はFXのアフィリエイトが儲かってましたね。トップクラスは、億プレーヤーいましたね。
- 堀江
- そういう人たちは確かに表に出てこないですね。
- 藤沢
- 出るべきじゃないですよね。
- 堀江
- 10万円の鮨会やってると色んな奴が来ますよ。ネットで転売屋とかセドリやってる二十歳くらいのちゃらい学生が来てね。スゲーかわいい娘が来てるなって思ったら、そいつの彼女だったんですよ。「君、かわいいね」みたいな。
- 藤沢
- 小説で弁理士を取材することになって、メルマガで弁理士募集したんですね。弁理士って日本に1万人くらいしかいないんですけど、メルマガで募集したら弁理士やってる人が40人位取材に協力しますって来てくれて。読者にどんだけ弁理士いるんだって(笑)。僕のメルマガって、そういうインテリ系の人が結構多いんですよね。よく言えば、エリート層に刺さってる。それでふたりぐらいの方に協力していただいたんですが、その内の1人の人が弁理士辞めて、今、競馬の情報商材売ってるんですよ。競馬の情報商材って怪しいのが多いけど、その人はちゃんとやってるから人気が出て、やっぱり年収何千万円らしいですよ。競馬って日本では控除率25%くらいだから、頭が良い人が考えたら、絶対に儲からないと思うから、逆にスポーツ新聞とかの予想で買う素人ばっかりなんですよ。そこの予想で1番人気が圧倒的な低オッズになっちゃうから、意外と歪んでるんですよ。そこをうまく取っていくと、意外と儲かるらしいんです。
- 堀江
- 今iPadで自動売買できるようになってるんで。もう10年くらい前からそうなんですけどね。競馬の自動売買ソフトで儲かっている例って今結構あるんですよ。それだいたい統計的にアービトラージするやつですよね。歪みをちょこまかちょこまか拾っていくっていう。
- 藤沢
- 25%だから逆にプロがいないマーケットなんで、意外と歪んでるっていうのは、面白かったですね。
- 堀江
- かなり歪んでますね。それに判例で、事業として機械売買をやる場合は外れ馬券を経費として認めてくれるようになったんで。あの人は脱税で有罪判決受けましたけど、税金をちゃんと納めていれば大丈夫。事業としてやっていれば。
- 藤沢
- そういう風にネットを使って面白いビジネスやってる人はいっぱいいるけど、結構有名な芸能人とか作家なのに、貧しい生活してたりする人はけっこういるから、その人たちはもっとね、ビジネスモデル考えたほうがいいんですよ。
- 堀江
- 動こうとしないんですよ。林真理子さんには本当何回も言ってるけど、「あなたはこうやって稼ぎなさい」って。勝間和代さんみたいに。
- 藤沢
- 勝間さんは、はしりですよね。
- 堀江
- 勝間さんもね~、あの人変わってますよね。
- 藤沢
- 堀江さんの『ゼロ』出版記念パーティでお会いして以来、勝間さんの無料メルマガ取ってるんですよ、僕。
- 堀江
- あれ結構面白いですよね。なんかよく分かんないけど雨の日でも走れるようにバイクに屋根をつけましたとかって。改造マニアなんですよ、彼女。
- 藤沢
- いや~、面白くないんですよ。スーパー行った話とか、タクシー乗るか自転車乗るかの心の葛藤とかそんな話じゃないですか。でも、メルマガって、スマホで、超読みやすいんですよね。だから、ついつい読んじゃって、毎日勝間さんに会ってる気がするんですよ。それで、やはりテキストっていいんですよ。
取ってるメルマガで、急にテキストをやめて、これからEPUBにします、ってなっちゃうとね……。EPUBってポチって押してアプリケーション起動させるだけで、急に読む気無くなるんですよ。堀江さんて、EPUB読みますか?
- 堀江
- 俺、EPUBクソ派なんで。いつもクソだよねっていって炎上してますね。
- 藤沢
- EPUBに限らず、テキストじゃないと、開くの大変なんですよ。だって、開くのに3秒ぐらいかかっちゃう。3秒って、本当に長いんですよ。
- 堀江
- すごく不思議なんですけど、なんであんな使いにくいフォーマット使うんですかね。
- 藤沢
- やっぱり字の大きさやフォント変えられたり、画像が入ったりするのが嬉しいんですよ。なんでみんな装飾を付けたがるかなって、僕は思うんですけど。
- 堀江
- だからEPUBは最終的に滅びる気がするんですよね。そこは僕、Kindleとかの限界が来るのかなと思っていて。
― 中略 ―
- 堀江
- 僕は今投資すべき所って「遊び」だと思うんですよ。で、色んな所の「遊び」のビジネスに投資をしていて、その延長線上にJリーグのアドバイザーもやってる。今後人間はどんどん暇になっていくじゃないですか。工場で働いてたりとか、コンビニのレジ打ちの人とか未だにいるけど、あれは絶対無くなる仕事。ドライバーとかも無くなるんじゃないですか。多分20年後とか公道を人間が運転するの禁止になると思うんですよ。
- 藤沢
- 安全性を考えたら、なって欲しいですね。
- 堀江
- なると思う。僕はそれ位大胆な改革、例えばシンガポールとかやってくると思う。
- 藤沢
- 僕は自動運転システムの研究開発を見ていて、こんな儲からない分野にGoogleとか沢山お金を出して凄いなって思ってたんですけど、あれって、考えてみると、自動運転のプラットフォームを握ったら、いまある道路が全部線路として見なせる鉄道会社になるということに気がついて、それって、すごいなと思ったんですよ。既にある道路のインフラに全部タダ乗りできるかもしれない。
- 堀江
- 車の数ってすげー劇的に減ると思うんですよ。駐車場が要らなくなるでしょ。だって車がいつもその辺走ってるわけだから、乗りたい時に乗れば良い。すると、今までつまんない労働してた人たちが、しなくてよくなる。そうすると暇になるでしょ? 暇になったらやっぱりエンターテイメントに行くんですよ。
- 藤沢
- 暇つぶし産業ですね。
- 堀江
- 暇つぶし産業が一番儲かるんで、暇つぶし産業に今から先行投資をするっていう。だから、スポーツなんてコンテンツの王様ですよ。なんだけど、例えばサッカーの試合とかでも全くそういう努力とかされてないんですよ。僕、スタジアムに行ってこの間も話していたんですけど、スタジアムってつまんなくないですか? と思ったわけです。全然知らないチームの試合とか見に行ったら、誰が何をやってるのかさっぱり判らないから、楽しめないんですよ。なんか家でテレビ見てた方が良いじゃんみたいな気持ちになる。テレビなら解説とかしてくれるじゃないですか。だから、ああいうのも、今だったらLEDのパネルとかめちゃめちゃ安いから山ほど設置して、スタジアムに行っても誰が何やってるのかとか解説とかタップすると出るようにして、わかるようにしたら、全然変わると思うんですよ。スタジアムに行く意欲が出てくる!っていう様なことを話しても、スタッフはみんなポカーンなんですよ。結局、臨場感以外の楽しみないですからね、スタジアムって。
- 藤沢
- これからどこの暇つぶしエンターテイメントが出てくるかっていう点からも、数打たないとダメですね。
- 堀江
- だから、僕は今マイナースポーツとかよく見てるんですよ(笑)。
- 藤沢
- 堀江さんは、本当に守備範囲が広いんですよね。
- 堀江
- ええ。
― 約束の時間を大幅にオーバーして、非モテコミットから未成年問題、AmazonやFacebookの分析から未来の投資候補まで多岐に渡った実りの多い対談は無事終了。次の機会を約束して、堀江さん、藤沢さんは颯爽と六本木の街に消えていったのでした!
※今回お届けした2倍以上のボリュームで、「これからは素人革命の時代だ!」という必読テーマを含めた”対談完全バージョン“は堀江貴文、藤沢数希のいずれかのメルマガにご登録頂くと、読むことが出来ます。