絵のない画集

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メルマガ名
絵のない画集
発行周期
毎月5、0のつく日
最終発行日
2018年08月15日
 
発行部数
236部
メルマガID
0000108215
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 美術・デザイン > 絵画

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 絵のない画集  第1089回  2018年8月15日号

  いつもお読みいただき、ありがとうございます。

 このごろは人に会うたびに、あいさつが「今日も暑いですね」
「ほんとうに暑いねぇ」です。暑い暑いと言えば涼しくなるわ
けでもないのに、つい言ってしまいます。ニュースや天気予報
の時、必ず言われるのが、熱中症に注意で、家にいる時は必ず
エアコンを点けて涼しくしましょう、です。今年はまだ電力会
社は、電力需要が多いので供給に不安がある、とは言ってない
ようですが、原発を使いたいので、このまま暑い日が続くと、
きっとそんなことを言い出すのではないかと思います。一方、
西日本豪雨の避難生活者はいまだ三千人以上いると聞きます。
だだっ広い体育館のなどでプライバシーもなく、不快な環境で
暮らさざるをえない人たち!一日も早い自宅の復興か、それに
代わる住宅を持てるように、政府と地方自治体の努力を望みま
す。

  さて、今回の《極私的鑑賞》作品は、 
 ───────────────────────────
    グウェン・ジョン 黒猫を抱く若い女
 ───────────────────────────

 彼女の名は、カリンダ・オショーネル。通称、カリン。
 若い女性は椅子か何かに腰を下ろして、まっすぐに背と首を
立てて、ななめ前を向いている。暗い色のワンピースを着てい
て、膝には猫を抱いている。比較的大きな黒猫である。
 服は首筋までぴったりとしたもので、首には金色っぽい色の
チョーカーをしている。
 卵型の小顔で直毛の黒髪は、額を明らかに見せて耳にかけて
自然に後頭部に流れている。でもその表情には、女性らしい華
やかさも愛嬌も見られない。
 背景の壁も顔色と似たベージュなので、カリンの顔は一層、
映えない・・・

 このごろわたしは日がな一日、こうして猫を膝の上に置いて
過ごしている、こんなに広い部屋で。経済的な問題はまったく
ない。わたしには成功したビジネスがある。
 成功の初めは、服飾のデザイン画だった。なにげなく描いた
服のデザインを目にした専門家が、それをカットして服にして
売り出したところ、これが大当たり。どんな婦人でも、カリン
のデザインした服を着ると、十キロは痩せて見えるという評判。
次々に発表するデザインはどれも大当たりした。
 その次は布地。わたしの考案した布を使って作ったハンカチ
やナプキンは、それで口紅を落とすとそのあとが綺麗に残って、
洗うと美しいデザインが出るというもの。有名な女優が使った
ので、爆発的に売れた。
 三十歳を過ぎるころには、わたしの資産はイッチョウ、ニチ
ョウ、サンチョウと数えるんだから、豆腐屋さんと同じだね、
なんて冗談を言われた。わたしはその金の一部をインターネッ
ト関係の通信会社に投資したので、ますますお金は増えた。
 その金に引き寄せられた男たちもいた。あなたのような美し
いひとははじめてだ、とか、あたまのいいのにほれぼれする、
だの・・・ありとあらゆる種類の男が言い寄ってきた。
 でも、その誰にもわたしは取り合わなかった。すこしも心動
かされるものがなかった。
 そのうちみんな立ち去った、ひそかにわたしのことを、頭か
体がおかしいのだという風評を残して。
 そんな風評にお構いなく、わたしは静かになつたのをよろこ
んだ。しかし、わたしのこころはだんだん沈んでいきとうとう
わたしは自分の命を絶とうとした、らしい・・・。そこらあた
りの記憶はたしかではない。
 わたしの生活の面倒を見てくれていたおばさんが、鬱からの
回復期にあったわたしのもとに、一匹の子猫を連れてきた。
 子猫はわたしの膝に乗ってじっとしていた。
 体じゅう真っ黒の毛だったので、クロと名づけた。
 以来、ずっと一緒。体も大きくなって、膝の上にいられると、
わたしも疲れるけど、そんなことはおくびにも出さないでじっ
としている。

        *     *     *

 『グウェン・ジョン 黒猫を抱く若い女』
 1920年頃の作
 縦46センチ、横29.8センチ
 テイト・ギャラリー(ロンドン、イギリス)

 画像はこちら:
 https://www.tate.org.uk/art/artworks/john-young-woman-holding-a-black-cat-n05744

 グウェン・ジョン(Gwen John)
 1876年生、1939年没

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さて、次回は、

 『南桂子 少女と猫と鳥』

 を予定しています。お楽しみに。

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