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【基本3分!映画レビュー】わかりやすい映画案内
NO.275 2015.07.18
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●目次(INDEX)●
■【ターミネーター:新起動/ジェニシス(TERMINATOR: GENISYS )】
■【編集後記】
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■【ターミネーター:新起動/ジェニシス(TERMINATOR: GENISYS )】
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「ターミネーター:新起動/ジェニシス(TERMINATOR: GENISYS )」
監督:アラン・テイラー 2015年
コメント・レビュー(Comments・Review)(論評、批評、意見)
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「ターミネーター」と名が付く作品はやはり気になるもの。
では今作はどうなのか。
■ ざっくりどっちのグループ?
まずは「ターミネーター」「ターミネーター2」ターミネーター4」といった
作品群(仮にグループA)に分類される作品ではないといえる。ざっくりした
「雰囲気」でいうと「ターミネーター3」(仮にグループB)に近い。
そもそも「審判の日」というワードから見てとれるように、ターミネーター
シリーズは聖書の中からヒントを得た作品だというのは広く知られている。
だからグループAは「生き方」に深く関わるテーマと内容の為、観客の心に
深く響いた。いわば「魂」の物語なのだ。
一方で「ターミネーター3」は、こんなテイストの作品があったもいいけどあ
まりにもそれ以前の作品と雰囲気が変わり過ぎた変化球であった。そして「タ
ーミネーター:新起動/ジェニシス」はどちらかというとこのグループBに分
類される。
さて「ターミネーター」というだけで観客の期待というハードルは思いっきり
上がってしまうから、すべての観客を満足させるのはとても難しい。ならばあ
えて違うものに挑戦したであろう今作はアーノルド・シュワルツェネッガー出
演。とはいえ、まさか「T2」の頃の容姿をキープできているわけもなく、とに
かく挑戦せざるをえなかったのだろう。
■ 「バイオハザード」みたいな?
「新起動/ジェニシス」鑑賞中にふと思った。ゲームの「バイオハザード」の
初期作品になんとなく似た雰囲気がある……と。つまり、いかにもなB級感だ。
初期の「バイオハザード」はそれがすごくマッチしてヒットしたのだが……。
特に「新起動/ジェニシス」の俳優たちの会話シーンなどで顕著なこのB級感は
なかなかのものである。映像はそれなりに凄いしお金もかなりかかっているだ
ろうに、映画「エネミー・ライン」ばりにB級感がほとばしる。あえてB級感を
狙ったのだろうから、観客はこのノリを楽しもうとすればジワジワくるかもし
れない。
■ 世界観とは一本の直線
「T1」と「T2」のパロディをすすんでやろうという気持ちが垣間見れ、シリー
ズのファンなら思わずニヤリとするシーンはけっこうある。ではそっち方面で
いくのかと思いきや、アクションはなかなかのガッツリ系だ。このアンバラン
スさがB級感に拍車をかけている。
映画とは世界観を楽しむものでもある。冒頭のセットアップで作品世界のお約
束事を観客に早めに知ってもらい、その雰囲気にじゅうぶん浸れるようにする。
世界観を共有できれば物語世界の出来事に集中しやすくなるからだ。
「見入る」から「魅入る」へ。そうなれば主人公の決心や行動を応援したくな
るもの。そのためにはやはり世界観が大事。
世界観とは一本の直線。それがしっかり引ければ、多少ズレることがあっても
方向は定まっている。ズレも味として吸収され、さらなる旨味となる。
「T1」と「T2」は監督が同じでスタッフもほぼ同じというから一本の直線は引
きやすかっただろう。その直線と並行でなくてもかまわない。それでも今作で
新たな直線が一本引けていたならば、どっちつかずのアンバランスにはならな
かっただろう。
■ 期待と楽しみ方
期待……。大きければ大きいほどそれとズレれば落胆するもの。「T1」と「T2」
は確かに存在するが、それらは「I'll be back」とはならない。同じセリフは
「新起動/ジェニシス」にもあるが、それがあたかもコントの意味かのように
用いられるのが、それを物語っている。
「T1」と「T2」があるからこそ、そのパロディもできる。ならばそこを積極的
に楽しんでしまおう! という気持ちで観るのがいいだろう。
ちなみに「ターミネーター4(Terminator Salvation)」はとても深い作品と
なっている。シリーズではグループAに近い。未見ならばぜひ。
▼「ターミネーター4(TERMINATOR SALVATION)」
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■【編集後記】
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久しぶりに舞浜のイクスピアリの映画館で鑑賞。
座席がリニューアルされたのかな。
少し豪華になったような……。
気のせいかな。
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高田圭(3分映画のタカ)https://twitter.com/wakataka3
・映画評論家
・ストーリー・アナリスト
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