バートランド・ラッセルの言葉366

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メルマガ「ラッセルの英語」の姉妹誌です。「ラッセルの英語」の方は,英語の学習に資するように,ラッセルの英文で使われている英単語・熟語・フレーズや構文等に注目していますが,「ラッセルの言葉366」ではラッセルが言っている内容に注目し,ご紹介していきます。

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メルマガ名
バートランド・ラッセルの言葉366
発行周期
ほぼ 日刊
最終発行日
2018年12月14日
 
発行部数
71部
メルマガID
0001626338
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
語学・資格 > 英語 > その他

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「(ほぼ日刊)バートランド・ラッセルの言葉366」
   n.1529 (2018年12月14日 金曜日)[2014/1/28創刊]

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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作からご紹介していますが,「ラッセルの言葉366」では,日本語にした時の'内容'に注目して,ラッセルの発言をご紹介していきます。
 読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありましたら,お知らせいただければ幸いです。

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 再配信 ラッセル『宗教と科学』第7章 神秘主義 n.1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ★テニヲハに一部おかしいところがありましたので、念の為
  再配信しておきます。
  ×その他の全の点で→◯その他の全ての点で
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 第7章 神秘主義 n.1

 科学と神学との闘争(戦い)は(これまで)独特なものであった。いつも,また,どこ
においても -18世紀末のフランスやロシアを除き- 科学者の大部分はそれぞれぞれ
の時代の(=当時の)正統信仰(orthodoxy 正説)を支持していた。その中(=正統信仰
支持者の中)には著名な人もいた。ニュートンはアリウス主義者(Arian:神の唯一絶
対性を強調し,イエス・キリストを神によって無からつくられた被造物であると考え
る。)であったが,(キリストの位置づけ以外の)その他の全ての点でキリスト教信
仰の支持者であった。キュヴィエ(Frederic Dagobert Cuvier, 1769-1832:フラン
スの動物学者)は正統派のカトリック信者だった。ファラデー(Michael Faraday,
1791-1867:イギリスの化学者・物理学者)はサンデマン主義者(Sandymanian)だっ
たが,この宗派の誤謬は彼にも科学的論証によって証明可能とは思われなかったし
(注:Sandymanian についてさいたま市立中央図書館で OED や Webster で引いてみ
ましたが出てきませんでした。sandy 砂だらけの;ギラギラした + mania マニア/熱
狂 → 「砂マニア」「砂フェチ」「サンドウィッチマニア」...まさか。と,ここで
ファラデーの伝記を調べればわかるかもしれないとウィキペディアを調べたところ,
次のような説明が書かれており,解決。即ち「ファラデーは信心深い人物で,1730年
に創設されたキリスト教徒の一派であるサンデマン派(注:イエス・キリストの神性
を信じて「イエスは主です」とさえ告白すれば救われると主張/キリスト教福音派で
は異端とされる)に属していた。伝記作者は「神と自然の強い一体感がファラデーの
生涯と仕事に影響している」と記している」。つまり,Sandyman + ian と分解すべき
!)。また,科学と宗教との関係に関する彼の見解は全ての聖職者(churchman)が
称賛(applaud 拍手)しうるようなものであった。闘争(闘い)は,神学と「科学」
との間にあったのであり,神学と科学者との間にあったのではなかった。科学者は,
非難されるような見解を抱いた時にも,一般的に言って,衝突を避けようと最善を尽
くした。(例えば)既に見たように,コペルニクスは自分の著書をローマ教皇に献呈
した,ガリレオは前言を取消した。デカルトは,オランダに住むのが賢明だと考えた
けれども,聖職者たちと良い関係を維持するよう大いに努力した。そうして,ガリレ
オの見解と同じ見解を共有しながら,計算づくの沈黙をすることによって非難をまぬ
がれた。19世紀においても,大部分のイギリスの科学者は,彼らの科学と リベラル
なキリスト教徒がなお不可欠だと見倣したキリスト教の信仰箇条との間には本質的な
衝突はまったくないと考えた。-なぜなら,ノアの大洪水やアダムとイブ(の楽園追
放)に関してさえ,文字通りの真理を犠牲にすることは可能だと(文字通りに解釈し
なくてもよいと)わかっていたからである。

 今日の状況は(も),コペルニクス説が勝利を占めて以来全ての時代においてそうで
あった状態と余り異なっていない。連続した科学的発見は,キリスト教徒に,中世に
おいて信仰の不可欠な部分(integral parts)と見なされていた(種々の)信仰箇条
(信念)を,次から次へと捨てさせていった。このように次々に信仰が後退したので
(信仰箇条を捨てることが認められたために),科学者も,彼らの研究が(科学と宗
教との)闘いが今日到達した論争の最前線に関するものでない限り,キリスト教徒で
あり続けることを可能にした(のである)。ところで,過去3世紀の間ほとんどの時
代において,科学と宗教とは和解したと宣言されている。(即ち)科学者は科学の範
囲を超えた領域が存在することを謙虚に認め,また,リベラルな神学者たちは科学的
に証明可能なことはあえて否定しないと認めている。いまだ,この平穏を破る者が少
しはいることは事実である。(即ち)一方には,キリスト原理主義者及び頑固なカト
リック神学者がいる。他方には,より啓発された牧師たちの比較的控えめな要求さえ
認めることを拒否する,生化学や動物心理学のような主題に関する急進的研究者たち
がいる。しかし,全体的にみて,闘いは過去に比べて不活発になっている。共産主義
やファッシズムの新しい信条は神学的頑迷さの継承者(相続人)である。そして,も
しかすると,深い無意識の領域のどこかで,牧師や教授たち(注:宗教と科学の闘い
の主役たち)は共に現状維持に関心をもっているかも知れない。

Chapter 7: Mysticism, n.1

The warfare between science and theology has been of a peculiar sort. At all
times and places - except late eighteenth-century France and Soviet Russia
- the majority of scientific men have supported the orthodoxy of their age.
Some of the most eminent have been in the majority. Newton, though an Arian,
was in all other respects a supporter of the Christian faith. Cuvier was a
model of Catholic correctness. Faraday was a Sandymanian, but the errors of
that sect did not seem, even to him, to be demonstrable by scientific
arguments, and his views as to the relations of science and religion were
such as every Churchman could applaud. The warfare was between theology and
science, not the men of science. Even when the men of science held views
which were condemned, they generally did their best to avoid conflict.
Copernicus, as we saw, dedicated his book to the Pope ; Galileo retracted ;
Descartes, though he thought it prudent to live in Holland, took great pains
to remain on good terms with ecclesiastics, and by a calculated silence
escaped censure for sharing Galileo's opinions. In the nineteenth century,
most British men of science still thought that there was no essential
conflict between their science and those parts of the Christian faith which
liberal Christians still regarded as essential - for it had been found
possible to sacrifice the literal truth of the Flood, and even of Adam and
Eve.

The situation in the present day is not very different from what it has been
at all times since the victory of Copernicanism. Successive scientific
discoveries have caused Christians to abandon one after another of the
beliefs which the Middle Ages regarded as integral parts of the faith, and
these successive retreats have enabled men of science to remain Christians,
unless their work is on that disputed frontier which the warfare has reached
in our day. Now, as at most times during the last three centuries, it is
proclaimed that science and religion have become reconciled : the scientists
modestly admit that there are realms which lie outside science, and the
liberal theologians concede that they would not venture to deny anything
capable of scientific proof. There are, it is true, still a few disturbers
of the peace : on the one side, fundamentalists and stubborn Catholic
theologians ; on the other side, the more radical students of such subjects
as biochemistry and animal psychology, who refuse to grant even the
comparatively modest demands of the more enlightened Churchmen. But on the
whole the fight is languid as compared with what it was. The newer creeds
of Communism and Fascism are the inheritors of theological bigotry ; and
perhaps, in some deep region of the unconscious, bishops and professors
feel themselves jointly interested in the maintenance of the status quo.
 出典:Religion and Science, 1935, chapt. 6:
 情報源:https://russell-j.com/beginner/RS1935_06-170.HTM

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■編集・発行:(松下彰良/まつした・あきよし) 
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