神岡真司の人生逆転の心理術

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神岡真司の人生逆転の心理術
サンプル号
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はじめに

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皆さま、こんにちは。
「人生逆転の心理術」をお届けするビジネス心理学講師の神岡真司です。
心理学は、「人間心理」を解き明かすものですが、「ただ何となく人の心理的な傾向を知っている」というだけでは、ほとんど実際の役には立ちません。

大事な場面で、「自分の立場や人生を好転させる究極のワザ 」としての実践的な知見やテクニックにまで高めておかないと、効果を発揮できないからです。

このメルマガでは、心理学の最新知見の多くを応用することで、あなたの人間関係向上に役立つ「心理テクニック」を、毎回紹介していきたいと考えています。
たとえば、次のような苦難の状況にあなたが置かれていたとしたら、どうやって、この状況を打開すればよいのでしょうか。


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人に「嫌われる状況」から「好かれる状況」へ逆転させるには？

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まず今回は、最初のメルマガなので、最も簡単で効果的な、人間関係を「嫌悪」から「好意」へと大逆転させる、とっておきの心理学の知見やテクニックを紹介しておきましょう。

たとえば、あなたは会社や学校、取引先などでの人間関係で、「どうも、自分はいつもあの人からは嫌われていて困る」といった場面には思い当たらないでしょうか。

もしも、そんな人が実在するとしたら、あなたにとっては、その人はとても苦手な人で、厄介な人物に該当するでしょう。
それは、いつになってもその人とは良好なコミュニケーションがとれず、あなたへの共感がちっとも得られない関係になってしまっているからなのです。

こんな望ましくない人間関係を引きずることなく、ちょっとした心理テクニックの応用で関係性を何とか向上させてしまう――というのが今日の課題になります。

つまり、相手から「嫌われている」状況を、せめて「普通の人間関係」に、さらには自分を「とても好きな人物」と思ってもらえるようにする方法を、これからお伝えしたいのです。

とりわけ、あなた自身が「なぜ相手から嫌われているのか、その理由がわからない」といった場合には、有効な手立てがまったく思い浮かばないでしょうから、この心理作用を覚えておくと、大いに役立ちます。

まずは、この状況を打開し、良好なコミュニケ―ションを取れるようにするためにも、心理学でのいくつかの「好悪の法則」を知っておくことが有効です。


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「共通項・類似性の原理」とは？

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ところで、あなたは、人が人を好きになったり、嫌いになったりする原理や心理メカニズムをどの程度ご存じでしょうか。

人が人を好きになるケースは、割合シンプルです。
自分と共感できる考え方や、趣味や嗜好、好きな事柄が似ているなど、自分と相手に共通するものが沢山あるほど、「仲間」のような気がして安心し、相手を好ましい人物として捉えるようになります。つまり、お互いが相手を肯定し合う関係です。

これを心理学では「共通項・類似性の原理」と呼んでいます。
出身地が同じとか、家庭環境が似ている、出身学校が同じだった、好きなテレビ番組が一緒、贔屓のスポーツチームが共通している……などなど、要は何でもよいのです。
相手と自分に共通したり、似ているところが沢山あるほど、人は相手に好感をもつからなのです。

このことをテクニックとして活かすなら、相手が「好きな分野」を、自分も「好き」とアピールすることで距離を縮めていく方法が考えられるでしょう。
たとえば、犬好きの相手になら、「私もワンちゃんが大好きです」などとアピールして、犬の話題で盛り上げ、近づいていくのも一法になるわけです。


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「相補性の原理」とは？

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もうひとつ、似たような方法に、「相補性の原理」という心理学のセオリーの活用も覚えておきましょう。
これは、お互いを「補い合う関係」にしていく――というものになります。
たとえば、自分を嫌っている人が、パソコン操作が苦手だとします。そして反対に、あなたのほうがパソコン操作が得意だったなら、その人に適切なパソコン操作を親切に教えてあげることで、相手にとっては、あなたは「無くてはならない人」になっていくことが考えられます。
つまり、あなたがもっている、得意ワザや知識、特別なスキルといったものをうまく相手を補佐する形で使うことで、相手との距離感をも、一気に縮めていくことが可能になるのです。犬好きな人になら、「犬に牛丼を挙げてもよいのでしょうか？」と教えを乞うと、きっと「犬には玉ねぎが大敵だから、牛丼から玉ねぎを抜いて与えるとよいですよ」などと教えてもらえるでしょう。これだけでも「補い合う関係」が生まれていくわけです。
このように、人が人に対して好意をもつ原理は、意外にシンプルかつわかりやすい原理に支えられていることがわかります。


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誰かを嫌いになる心理メカニズムとは？

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ところで、「人が人を好きになる」メカニズムとは反対に、「人が人を嫌いになる」ケースの場合は、意外にもそのメカニズムや関係性は複雑になっています。

それは、相手があなたに対して、「安全・安心」ではなく、何らかの「脅威」を感じ取った状況ゆえに、心理学では、概ね次のように、その理由をいくつかに分類しているのです。

●「軽蔑」…あなたの容姿や言動、マナーの悪さなどを自分が忌み嫌う下等なものとして、不快に思う。
●「嫉妬」…自分よりはるかに低いレベルに相当すると思えるあなたが、周囲からは特別に優遇されたり、高い評価を得たりすると不快に思う。
●「裏切り」…自分の期待にあなたが適切に応えてくれなかったことがあったりして、そのことから相手を不快に思う。
●「否定」…相手があなたに対して否定的な対応をしたことなどを不快に思う。
●「軽視」…相手からあなたが自分の存在を軽んじられたりしたことを不快に思う。
●「投影」…自分が封印しているタブーで嫌な行動を、あなたがいつもためらわずに平気で実行しているのを不快に思う。
●「差別」…自分とはあまりにも異なる部分や属性が、あなたにことさら多く目立っている場合を不快に思う。

これらの事例のように、人は誰かから不快な感情をもたらされると同時に、相手に「脅威」を感じ、それが原因で相手を嫌いになっていくわけです。
たとえば昔、意地悪をしてきた人物の顔が、あなたの顔と非常によく似ているという状況があるだけでも、「投影」の心理作用によって、相手はあなたに脅威を感じ、あなたを不快に思い、嫌いになっていくといったことさえ起こりうるわけです。

要するに、嫌いになる相手というのは、自分に「脅威」を与える存在であり、好きになる相手とは、自分を肯定し、自分に「安心・安全」を与える存在である――ということがわかるのです。
負の感情を抱かされる存在のままでいると、この先もずっと嫌いな人物として、相手との良好な人間関係を築くことさえ出来なくなるのです。

ここは、やはり、あなたのほうから心理術を使って動き、相手のあなたへの認識を変えさせたほうがトクといえるでしょう。
一見すると、難しそうですが、実際にやってみると、そうでもないので、次の方法を覚えておきましょう。

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ベンジャミン・フランクリンが使った「秀逸な方法」とは？

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ベンジャミン・フランクリンといえば、アメリカ合衆国建国の父とも称され、今の100ドル紙幣にも肖像画が使われている著名な政治家です。
実は、この彼が若いころに見出した「人間関係好転の方法」が、心理学的にも非常に核心を衝いた方法なので、ここで改めて考察を深めておきましょう。

若い頃、フランクリンは議会において、ある特定の政治家から、なぜか徹底的に嫌われ、何かと足を引っ張られ、激しく攻撃されていたといいます。
その頃の出来事で、ベンジャミン・フランクリンが、その相手に対して取った面白い行動がありました。

ある時、相手の政治家が、とても珍しい書物をもっていることを聞き及んで知ったフランクリンは、その本が読みたくて、ものすごく丁寧に礼儀正しく、その書物を貸してほしいとその人物に頼み込んだのでした。

通常、人は嫌いな相手にモノを貸したり、何かを教えたりといった親切行動をする場合には、大きなストレスがかかるものです。
あんなに大嫌いなフランクリンに本を貸すなどということは、当然ですが、一般的には断るのが普通のことなのです。
しかしこの時、相手はフランクリンのあまりにも礼儀正しい態度での申し入れを是とし、その願いを聞き入れ、親切にも書物をフランクリンに貸してあげたのでした。

そして、書物を読み終えたフランクリンは、本を返す際に、これまた非常に丁寧な態度で礼を述べ、書物を貸してくれた相手の親切心に対して、厚い感謝の言葉を贈った――というのでした。
すると、驚くべきことに、このことがキッカケとなって、このあとの2人の関係は劇的に変わっていったのでした。
なんと不思議なことに、フランクリンを嫌っていた相手は以後の態度を一変させ、フランクリンとは友好関係を結ぶようになり、やがては「生涯の親友」のような親密な関係にまでなっていった……ということだったのです。

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「認知的不協和」を起こさせ、「嫌い」を「好き」に換えてしまう！

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いったい、相手の心に何が起こったのでしょうか。
ここでのポイントは、心理学でいうところの「認知的不協和」の状況になります。
つまり、人は認知に不協和が起こると、誰もが不快になります。認知とは、物事への判断や理解といった「知覚」を中心とする概念のことです。
たとえば、ヘビースモーカーの喫煙者は「タバコが有害」という医学的、化学的な認知を得たままでいると、とても不快な気分になるでしょう。

これは、「タバコが有害なのに自分は吸っている」という「認知的不協和」の状態であり、とても不快な気分ゆえに、人によっては、「禁煙する」という行動面の変容で「認知の協和」を図る人も少なくないわけです。つまり、認知に不協和が起こると、人は行動を変えて、認知を協和させたくなるのです。

しかし、禁煙できない人は、そうした行動の変化をもたらせないゆえに、「タバコが有害」という認知そのものを変えようとします。
いわく、「ヘビースモーカーの人でも、長生きの人は大勢いる」「精神の安定や鎮静を保つのに、タバコほど有益なものはない」などと、「有害」というデメリットよりも、「有益」なメリットを自分は享受していると、自分の認知を変えることで、「認知の協和」を図ることになるわけです。

つまり、フランクリンを嫌っていた相手の心の変化は、次のような「認知的不協和の作用」ということに他ならないのです。

大嫌いだったフランクリンに書物を貸した相手は、当初こそ「何であんな嫌いな奴に、本を貸したのか」という認知に不協和をきたし、気分はかなり不快で最悪なはずでした。

しかし、フランクリンから非常に礼儀正しい態度で、「書物を貸してほしい」と言われたことを思い出し、「あんなに紳士的で礼儀正しいフランクリンは、もともとそんなに嫌な奴じゃなかったかもしれない…」などと認知を協和させはじめたというわけです。
つまり「嫌な奴でなく、良い奴だったからこそ、書物を貸したのだ」と思い直すようになっていくわけです。
嫌いな奴に親切に本を貸した――という自分の矛盾した行動による「認知的不協和」の状態を放置しておくのではなく、フランクリンは紳士的でよい奴だから本を貸してやったのだ……というふうに、認知そのものを変えていくようになったのでした。

さらにその後、フランクリンが丁重な礼と深い感謝の意を表して、書物を返してきたことで、「やっぱり、こいつは良い奴に違いない。だから自分は本を貸してやったんだ」と明確に認知を変えていくようになったのでした。

こうした心理メカニズムを誘発させることで、相手の自分への「嫌い」が「好き」に変わったわけです。

心理テクニックとして使う時には、もっともっと簡単な方法があります。
たとえば、フランクリンがやったように、相手がもっている大事なモノや貴重なモノを借りるのではなく、礼儀正しい態度で、ちょっとした文房具を借りるとか、何かの簡単な教えを乞うといった些末な行動を起こせばよいだけなのです。

つまり、「小さなお願いごと」なら、相手もいちいち断るのもストレスゆえに、簡単に受け入れてくれやすいからです。
フランクリンのように、貴重な本を相手から借りるといった、ハードルの高い「お願いごと」でなくても、この心理テクニックは十分に「認知的不協和」効果を起こしたのちに、「協和」へのはたらきかけを発揮してくれるからです。

※「〇〇さん、たしか50㎝の長い定規をおもちでしたよね？　ほんのちょっとお貸しいただけないでしょうか？」
※「〇〇さん、渋谷から横浜に行くには、東横線とJRと、どちら　
　が便利でしょうか？」
　
こんな程度の軽いお願いごとや、質問を、丁重にしてみるだけでよいのです。
そして、要求が叶えられたら、これまた丁重に感謝を告げることです。これだけで、あなたの印象が、認知的不協和作用によって、どんどん良くなっていくからです。
要は、頼みごとの前に丁重な依頼をすることと、願いがかなった後には、深い感謝の意を示すことなのです。

こうすることで、最初に、「嫌いな奴に親切にした」という「認知的不協和」が生じても、やがて、「礼儀正しく、低姿勢で良い奴に見えたから本を貸してやった」と認知を協和させるキッカケとなり、最後には不協和となった認知を協和させてくれるからです。
つまり、認知的不協和の作用を利用して、相手の悪い先入観を打ち消していき、こちらへの認識を改めさせていくわけです。

相手に「良い奴だから、〇〇を貸してやったんだ」と納得させ、「嫌いな奴」から「良い奴」へと認識をどんどん変えていくことができるわけなのです。

いかがだったでしょうか。
これが「自分を嫌っている人と仲良くなるための「心理攻略プロセス」というわけです。
ぜひ、実践の場においてこそ、使ってみてください。

このように、神岡真司の「人生逆転の心理術」では、毎回テーマを絞り、具体的な人生好転の心理スキルを実践的にお伝えしていきます。
そして、今後は次のような目標を掲げ、実践心理学の知見を広くお伝えしていこうと思っています。ご期待ください。

★あなたの第一印象を「好感度の高い人」へと作り変える。
★初めて出会った人と仲良くなる時間を大きく短縮させます。
★好かれる人に変換する、様々なテクニックを紹介します。
★理不尽な扱いや嫌がらせを回避できるようにしていきます。
★面従腹背の相手を変化させ、信頼関係へと発展させます。
★交渉力や説得力をアップさせます。
★ビジネススキルの向上に寄与します。
★他人からの「騙しや裏切り」を回避できるようにしていきます。
★敵対者との対立・競合関係から友好関係を築いていきます。
★意中の異性への効果的アプローチ手法を紹介します。
★男女のマンネリを回避し、継続的な良好関係を保ちます。

つまり、今まで悩んでいた人間関係の事柄からの解放を目指し、ハッピーで充実した人生を築いていただこうというわけです。

今まで「これはもう無理」などとあきらめていたことさえ、こうした実践的心理術で、克服していけるようになるはずなのです。
ぜひ、今後へとご期待いただきたいと思います。

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お知らせ

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本メルマガでは、皆様からのご意見、ご感想、ご質問やご相談も、随時お待ちしております。
ご質問やご相談については、このメルマガ上で回答させて頂くので、解決のヒントにしていただければ幸いです。掲載は匿名で行いますので、お気軽にお寄せください。


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●著者プロフィール
ビジネス心理研究家。日本心理パワー研究所主宰。法人対象のモチベーショントレーニング、組織活性コンサルティング、心のパワーアップセミナーなどで活躍中。
著書に『思い通りに人をあやつる　101の心理テクニック』（フォレスト出版）、『苦手な相手に勝つ　実践切り返し術』、『必ず黙らせる「クレーム」切り返し術』（日本文芸社）、『効きすぎて中毒になる　最強の心理学』（すばる舎）など多数。