丁々発止！、国際政治二大勢力最終決戦

＜プーチン曰く、「復仇するは今！」＞

読者各位が本稿を目を通される頃には閉幕しているかも知れませんが、パリ五輪が7月26日から8月11日まで、17日間の日程で開催されます。

マクロン仏大統領は鼻高々でしょうが、実は10年前（2014年2月7日～2月23日）のソチ冬季五輪に、国家の威信を賭けていたのがプーチン露大統領でした。

ソチ五輪そのものは恙なく閉幕を迎えたものの、プーチン大統領はその開催期間中に、国家元首として苦汁を舐めさせられる羽目に陥りました。

隣国ウクライナで親露政権が倒れ、親欧米政権が誕生したのです。

そしてここから、プーチン氏の苦闘が始まります。


冷戦終結及び、それに続く旧ソ連の崩壊に伴い、ロシアはその勢力圏の後退を余儀なくされました。

東欧諸国（旧東独、旧ユーゴスラビア、旧チェコスロバキア、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア他）は、その大半がEU（欧州連合）に下命し、ロシアの影響下から脱しました。

それに先立ちバルト三国も旧ソ連時代に連邦から離脱し、常に旧ソ連の影に怯えていた北欧フィンランドも、新西側姿勢を鮮明にしています。

結果、2014年時点でロシアの最終防衛線はベラルーシとウクライナを残すのみ、そのウクライナに反露政権が樹立されたのですから、ロシアの焦燥は一方ならぬものがあったと推察されます。


実は、西洋列強の魔の手はロシア国内にも伸びていました。

前任のエリツィン大統領時代、国内の大手企業がただ同然で、西側の代理人達に叩き売られました。

それが後のオリガルヒ（新興財閥）を発展するのですが、オリガルヒ創業者の大半は、西側に魂を売ったロシア人か、ユダヤ系現地人でした。

その様な状況から、プーチン大統領は祖国を立て直すべく、内政外交両面で奔走しているのです。


話をパリ五輪に戻しますと、プーチン大統領は10年前の屈辱を決して忘れてはいません。

他方、マクロン氏に恥をかかせるには、相手を出し抜く必要があります。

それが何か、ロシアの謀略と結び付け難い事柄、例えばフランス国内のイスラム系不法移民（難民）による暴動や、ユダヤ系国民への襲撃も否定出来ません。


この辺りから国際情勢を解きほぐしていきたいと思います。

（了）