麻布自動車グループ渡辺喜太郎のメルマガ

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バブル崩壊とともに経営されていた会社が債務超過に陥りましたが、どのようなご気分でしたか?

それは悲しいに決まってるじゃない!考えられないくらい悲しかった。でもね、大きな台風の中にいるのと同じで、自分じゃどうにもならないんだ。

まあ最盛期にはハワイにホテルを持ってたし、麻布周辺に150棟くらいビルを持ってたんだけれど。自由になるお金もいっぱいあったし、楽しい時代だったよね。

戦災孤児から丁稚奉公を経て、資産55億ドルの大富豪となるまでには、かなりのご苦労があったと思うのですが。

苦労ってね、けっこう楽しいんだよ。だってさ、苦労して働いた分だけ、かならず見返りはあるわけだから。ご主人の信頼を勝ち取ったり、家族がいい暮らしをできたり、給料も上がるし。だから苦労するっていうのは悪いことはないと思うよ。むしろ、苦労しないからダメになっちゃうんじゃないのかな。苦労はしたほうがいい、というのが僕の持論だよ。

そうは言っても、丁稚奉公というのはお給料は出ませんよね?

僕は7年間丁稚奉公をしたんだけど、自分への投資だと思って一生懸命仕事をしてたよ。給料は出なかったけど、小遣いはもらったのを覚えてるね。小遣いって言ったって、ラーメン1杯が30円の時代に、月に100円。最後の1年間は給料が月に2000円だったかな。それにしたって少ないよね(笑)。

ただ僕は、その丁稚奉公時代にいろんなことを覚えさせてもらったよ。たとえば、一応休みは月に二日だけあるんだけど、朝から遊びに行っちゃうとご主人はいい顔しないんだよ。しょうがないから、朝から子守して、ご主人の部屋から見える畑で麦踏して、それから溜担ぎして、まあお昼ごろまで働くんだ。それから遊びに行けば、ご主人はニコニコだよ(笑)。

こういうことをきっちりやっていれば、ご主人の信頼も勝ち取れるし、お互いに気分よく“休日”を楽しめるじゃない?苦労して働いた分だけの見返りとしては十分だと思うよ。朝早くから家の周りを掃除するのも丁稚の仕事なんだけど、これだって後々ものすごく役立ったし。

渡辺喜太郎さん

掃除が役に立ったという状況を具体的に教えていただけますか?

麻布でオートバイ屋を開いたとき、まわりに知り合いなんてまったくいなかったんだよ。当時はオートバイも決して安い買い物じゃなかったから、どうやったら買ってくれるようなお客さんを開拓できるだろうって考えた。その時ひらめいたのが、庭先掃除作戦だ(笑)。

このあたりはお屋敷が多かったから、まずは手始めに店の隣にあった豪邸の庭先を朝早くに掃除するんだ。丁稚時代に毎日やってたことだから、まったく苦にならなかったね。

それを2~3日続けてると、そのお宅のお手伝いさんたちが、「誰が掃除してくれてるんだろう」なんて、陰から見張るようになるんだ。そこで僕が掃除してるのを知って、奥さまに「隣のオートバイ屋さんが毎朝掃除してくださってます」って報告してくれるわけ。こうして奥さまと仲良くなるんだ。

その次の段階は、奥さまからいろんな雑用を引き受ける。そのときはお宅に小さなお子さんがいたので、幼稚園や学校の送り迎えを僕がやるんだよ。これだって丁稚時代に奉公先の子守で慣れてるから、まったく苦にならない。実はこの「送り迎え作戦」は、そのお宅のご主人が僕にやきもちを焼いて夫婦間で悶着が起こらないようにって考えた秘策(笑)。誰だって、自分の子どもをかわいがってくれる人を疎ましくは思わないじゃない?こうやってご主人の信頼を勝ち取ることができれば、オートバイを買ってもらえる。それだけじゃなくて、知り合いに僕のことをどんどん紹介してくれるから、取引先もあっという間に広がったんだよね。

先ごろ出版された自伝の中に「“じじい殺しの渡辺”と呼ばれていた」とありましたが。

なんでだろうね、昔から年配の偉い人から不思議と気に入られるんだよね、しかも初対面の時から。笑顔がよかったのかな(笑)。

まあ冗談はともかく、戦災孤児から丁稚奉公して、そこから東京に出てきて苦労を重ねたっていう経験が、そういう年上の人の心に響いたのかもしれないよね。

奉公先のご主人がね、僕によく言ったの。「お前はどっちみち東京に行くんだろう。でも、どこに行ってどんなに成功しても、頭を下げないとダメなんだぞ。稲の穂を見ろ」って。その教えはずっと生きてるね。そういうところも関係してるのかな。

今は、そういうのがないからダメなんじゃないかな。愛もないしね。みんなが自分のことだけじゃなく、人のことも考えればいい国になると思うよ。そういうことをメルマガでも伝えていきたいね。

だいたい東大法学部出て役人になってる連中がダメじゃない、自分のことばっかり考えて。天下り先が6千もあるっていうんだよ、むちゃくちゃな話だよ。国に1000兆円の借金があるっていうのに、天下り先には700兆円プールしてあるって。役人たちの退職金だ。

その役人たちの下に、政治家がいるんだよ。“族議員”ってのが、役人の天下り先から小遣いもらってるんだよな。役人と政治家がつるんでるところに、マスコミも一緒になっちゃってる。役人の言うこと聞かないような政治家がいたら、マスコミが「あいつは金に汚い奴だ、やっつけろ!」って煽る。小沢一郎だってそんな感じでやられてたんだろうよ。こいつらのせいで、日本もすっかりダメになっちゃったよな。失業率も上がっちゃったしね。

国を立て直すためのアイディアがあればお聞かせください。

日本のブランド力を世界に売ればいいんじゃないかな。たとえばさ、田舎の方行くとほったらかされてる田んぼや畑がたくさんあるじゃない。そういうのを利用してさ、各県でブランド農産品を作ればいいんだよ。新潟にコシヒカリがあるみたいに、島根だったらシマヒカリとかそんな感じに。小麦だって蕎麦だってみんな作れるんだから。それ作るには人がいるからね。そしたら失業率も下がるじゃない。だいたい地方に仕事がなくて、若者がみんな東京出てきちゃって残ってるのはおじいちゃんおばあちゃんで、雪下ろししてたら死んじゃったなんて話ばっかりじゃない。これをなんとかしなくちゃダメなんだ。

大手スーパーがさ、地方の空いてる農地を引き受けて、そこで農産物を作ればいいんだよな。たくさん社員を入れて、まず最初の3年くらいは農地で一生懸命働いてもらってブランド米なりを作って、外国に売る。日本のコメは人気があるからね、高く売れるよ。そうしたら景気も良くなるし、失業問題も解決できるじゃない。

渡辺喜太郎さん

なるほど。それでは、若い人に一言お願いします。

若いうちは、人の嫌がる仕事を好んでやんなきゃダメだよ。みんなが「僕が一番人の嫌がる仕事をやる」っていう気になれば、この国はよくなるよ。不景気だなんて騒いでるけど、仕事なんていくらだってあるんだから。僕だったらそこからのし上がる自信はあるね(笑)。

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渡辺喜太郎さんプロフィール

1934年、東京都生まれ。戦災孤児から丁稚奉公を経て、22歳で自動車販売会社を設立、中古車、高級外車の販売、不動産で成功する。麻布グループ会長として、最盛期にはハワイに6つの高級ホテル、港区に165ケ所の土地・建物、栃木県に27ホール・ホテル温泉付きゴルフ場を所有した。資産55億ドルとして世界6番目の富豪となるまで上り詰めたが、バブルの崩壊によって一転、債務超過に陥る。以降、RCC(整理回収機構)等の過酷な債権取立てを相手に所有資産の処分による債務整理を進めて、近年、ようやく整理を完了。

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