本誌創刊時に5回にわたって掲載した「缶闘記」。宮城県石巻市の缶詰め会社「木の屋石巻水産」の震災後の1年を追いかけた連載です。同時に制作された同名の短編ドキュメンタリー映画Cans of Hopeが先月英国のエジンバラで開催された映画祭“EDINDOCS”で招待上映されました。
映画祭の主催者、スチュアート・マクルネスさんは「日本の震災は、イギリスでも誰もが知っている大きなニュースでした。しかし、そこに暮らしていた人々が、いまどのような状況なのかは、あまり知らされていません。災害は誰にでも降り掛かるもの。だからこそ、多くのイギリス人が震災のその後に関心を寄せています」と、選出の理由を話してくれました。観客の一人、地元の大学生ジュリアンさんは「災害を乗り越えようと、多くの人たちが協力して困難に立ち向かう姿に感動しました。日本の方の行動に、私たちが教わるべき知恵があります。私も日本に行きたくなりました」と語ってくれました。
東北沿岸では、震災の風化が語られていますが、未だ強い関心を持って震災後の東北を見つめる人々が、世界中にいることを知りました。