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ダイナムジャパンHD Research Memo(6):コロナ禍の状況次第も、下期も経費削減で営業黒字を確保する方針

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■2021年3月期下期の見通し

1. パチンコ事業
新型コロナウイルス感染症が2020年11月以降再び全国規模で拡大しており、感染に対する警戒感も再び高まるなか、パチンコホール業界にとっては厳しい状況が続く見通しだ。実際、2020年10月以降、再拡大が先行した北海道では客数が落ち始めているようで、11月以降は大阪や東京でも客数の落ち込みが懸念される状況となっている。ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>はホールへの集客施策として、徹底した新型コロナウイルス感染症防止対策に取り組んでおり、安全性をアピールしているが、新規感染者数がピークアウトしない限りは、客足の戻りも鈍いと思われる。

こうしたなかで、同社は2021年3月期下期も各種経費の抑制に取り組むことで黒字を確保していく考えだ。人件費ではパート新規採用の停止による採用関連費用の削減や賞与の減額などを継続していく。弊社の試算では2021年3月期第1四半期の50億円弱の営業損失が第2四半期で50~60億円程度の黒字になったと見られ、下期も第2四半期並みの営業収入(前年同期比で25%減程度)を確保できれば、営業黒字は確保できる見通しだ。

ただ、機械費については2021年11月末の旧規則機の撤去期限に向けて、新規則機に段階的に入替えていく必要がある。当初は旧規則機の撤去期限が2021年1月末までとなっていたが、コロナ禍の影響で規制当局が2021年11月末に期限を先送りした経緯がある。これを受けて2020年5月にパチンコホールの業界団体でも自主ルールを策定し、段階的に新規則機への入替えを進めていくことを表明しており、今のところ同ルールに従って新規則機への入替えによって旧規則機の撤去を進めていくことになる。同社グループにおける旧規則機は2020年9月時点で約13万台となっており、2021年11月末に向けてどのようなペースまたは方法で入替えていくかは、今後の収益状況を睨みながらとなるが、現時点では機械購入費用として2021年3月期上期の5,073百万円から下期は約2倍程度に増やす計画となっているようだ。

購入コストの低減施策として、同社では全社一括購入による単価引下げを進めていく。従来はブロックエリアごとに仕入交渉を行っていたが、全社一括購入にすることで引下げ効果が出ており、下期以降も継続して引下げに取り組んでいく。また、フィールドテストの導入も進めている。フィールドテストとは、新機種を最初に小ロットで実験的に購入して稼働状況を分析し、分析結果に応じて追加購入の可否を判断し、収益ロスを早期に改善する取り組みを言う。さらには、社内流通の活性化も進めていく。新機種を購入した店舗から、一定期間を過ぎた段階で当該機種をグループ店舗に融通することで、全体の新機種購入台数を抑えることが可能となる。


航空機リース事業では、慎重に商談を進めていく方針
2. 航空機リース事業
航空機リース事業については、航空会社の財務状況等も注視しながら、製造後5年以内のナローボディ機を中心に慎重に商談を進めていく方針。

中長期的に見れば世界の航空機需要はいずれ回復するものと予想され、航空機リース事業そのものは安定した利回りが期待できる。購入機体数については、将来的に20機程度まで増やしていき、安定収益源としていく考えだ。


ビデオスロット機もコロナ禍の影響が大きく、現在は待ちの状況に
3. カジノ用ビデオスロット機事業の進捗状況
同社は新規事業の一環として、マカオのカジノ市場において、マスマーケット向けのビデオスロット機を投入することを目的に、機材の企画・開発に取り組んでいる。ビデオスロット機は時間消費型ゲームで、パチンコの要素を取り入れたわかりやすいゲームというのが開発コンセプトとなっている。

実際の開発はマカオにおけるカジノ機の製造販売ライセンスを有するシンガポールのWEIKE GAMING TECHNOLOGY (S) PTE. LTD.(以下、WEIKE)と共同で開発を進めている。これまでに6機種がマカオのカジノ管理当局から認可を取得しており、シンガポールでも3機種が認可、1機種が申請中となっている。また、2019年9月にマカオのカジノオペレーターと販売契約を締結し、同年11月よりLegend Palace Casinoで3機種各1台ずつ(計3台)が試験導入されたほか、2020年1月からは別のカジノ施設でも10台が導入された。さらに、もう1施設導入の予定があったが、コロナ禍の影響で先送りされている。

今回の販売契約は試験的なもので、今後の稼働状況を見て“稼げるマシン”という評価がされれば、導入台数が飛躍的に拡大する可能性もあったが、ここでもコロナ禍の影響が出ている。マカオのカジノ施設では中国本土からの入境制限の影響により、2020年10月時点で、客数が前年同期比8割減と大きく減少しており、試験的に導入した機種についても評価が進まない状況となっている。このため、同社では客数が正常化してからソフト替えを実施した上で試験稼働の再提案を、カジノオペレーターに行うこととしている。

ビデオスロット機事業に関しては本格的な収益貢献が実現するまでしばらく時間を要すると弊社では見ている。試験導入したとしても顧客からの支持を得られなければ本格導入に至らないこと、また、ビジネスモデルとして、同社は企画開発だけで製造や販売ライセンスについてはWEIKEに依存する格好で、本格導入ステージに入ったとしても収益へのインパクトが未知数であるためだ。カジノオペレーターとの間でレベニューシェアのような契約が実現できれば理想的だが、様々な規制もあるため、この点でも時間を要すると弊社では考えている。いずれにしても同社の新製品が“稼げるマシン”となることが最も重要であり、今後導入するマシンの稼働・売上状況を見守りたいと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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