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日経平均は反発、「決算で材料出尽くし」懸念と新興株物色

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 日経平均は反発。204.22円高の28727.48円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。

 20日の米株式市場でNYダウは続伸し、257ドル高となった。バイデン大統領の就任式が混乱なく進んだほか、新型コロナウイルスのワクチンの普及が加速するとの見方などもあり、投資家心理が上向いた。動画配信のネットフリックスが決算を受けて急伸したこともあり、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は2.0%の上昇。S&P500指数を合わせた主要3指数が揃って最高値を更新した。本日の日経平均もこうした流れを引き継いで187円高からスタートすると、朝方には一時28846.15円(322.89円高)まで上昇。ただ、その後はやや上値が重く、28700円台でもみ合う場面が多かった。

 個別では、ソフトバンクG<9984>が売買代金トップで4%近く上昇し、日経平均を約72円押し上げている。出資先の中国アリババ集団の株価上昇などが支援材料となっているようだ。新型コロナワクチンの輸送・保管向け保冷容器を開発したと報じられたパナソニック<6752>は4%の上昇。その他ではトヨタ自<7203>、キーエンス<6861>、ソニー<6758>、ファーストリテ<9983>がしっかり。また、北興化<4992>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、任天堂<7974>のほか、東エレク<8035>やレーザーテック<6920>といった半導体製造装置関連株が軟調。また、防衛関連の豊和工<6203>や石川製<6208>が東証1部下落率上位に顔を出している。

 セクターでは、情報・通信業、サービス業、石油・石炭製品などが上昇率上位。半面、その他製品、鉱業、電気・ガス業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の59%、対して値下がり銘柄は35%となっている。

 米国で主要株価指数が揃って最高値を更新し、本日の日経平均も朝方300円を超える上昇となる場面があった。トランプ前米大統領の熱狂的な支持者によるデモなどが警戒されていたなか、バイデン大統領の就任式は厳戒態勢ながら混乱なく終わった。進捗の遅れが懸念されていた米国での新型コロナワクチンの投与も、足元でペースが加速してきたと伝わっている。日本は米ファイザーから2021年中に1億4400万回(7200万人)分のワクチン供給を受けることが正式に決まり、2月中旬にも接種が開始されるという。先行きへの期待の高まりが日米株の上昇を後押しした。


 ただ、日経平均は朝方にこの日の高値を付けると、やや上値が重い。下押し役になっているのは東エレクやアドバンテス<6857>といった半導体製造装置関連株だ。半導体露光装置で世界トップのオランダASMLが20日発表した決算は市場予想を上回る内容だったが、同日の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は小幅ながら下落。本日の東京市場もこうした流れを引き継いでいる。半導体関連株は今年「スーパーサイクル」入りとの期待からこのところ株価が大きく上昇していた。来週から国内でも企業決算の発表が本格化するのを前に、ASMLの決算に対する半導体関連株の反応には「決算発表で材料出尽くし」との懸念が出てくる可能性もある。積極的に上値を追いづらいところか。

 とはいえ、引き続き投資家の物色意欲は根強く、その矛先は新興株に向いているようだ。マザーズ指数は3%近い上昇で前場を折り返した。これまで上値の重い展開を強いられていたBASE<4477>やマクアケ<4479>が急伸し、JTOWER<4485>は上場来高値を更新。米長期金利の上昇に目先一服感が出てきて、米ハイテク株は好決算もあって大幅に上昇。日経平均は29000円を前にやや上値が重くなり、前述したとおり決算発表前の主力大型株に対する様子見ムードも加わって、新興株に物色が向かいやすいタイミングだろう。決算発表シーズン入りまではこうした幕間つなぎの中小型株物色が中心となるかもしれない。

 コロナ禍の影響が強かった昨年4-6月期に対し、7-9月期の増収ペースが鈍化したことが新興株の調整の一因と言われる。しかし、既に発表済みのSansan<4443>などの9-11月期決算を見ると、企業のデジタル化投資はなお堅調で、関連する新興企業は息の長い成長が期待できそうだ。

 一定の期間中に市場平均を上回るパフォーマンスを達成しなければならない機関投資家、あるいは専業の個人投資家などにとって「バリューリバーサル(株価の反転上昇)」は魅力的なシナリオだが、投資期間に制約がなく、長期の資産形成を目的とする大方の個人投資家にとってすべきことは常に「継続的に企業価値の向上が期待できる銘柄に投資すること」であると付言しておきたい。
(小林大純)
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