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BBT Research Memo(7):企業のDX対応、法人向けオンライン研修サービスの引き合い好調(1)

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■今後の見通し

1. 2021年3月期の業績見通し
ビジネス・ブレークスルー<2464>の2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.8%増の6,095百万円、営業利益が同21.2%増の194百万円、経常利益が同3.1%増の191百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同98.2%減の0.7百万円を見込んでいる。下期の売上高については同13.8%増収となる。コロナ禍の動向が不透明ではあるものの、第2四半期単独の売上状況(前年同四半期比21.3%増)を見るとむしろ追い風であることから、計画を達成する可能性は十分あると弊社では見ている。

第2四半期までの業績進捗率は売上高で45.6%、営業利益で51.1%と直近3年間の平均進捗率(売上高49.2%、営業利益68.7%)と比較するとやや低いが、これは第1四半期にバイリンガルプリスクールや集合型IT研修などを行う子会社の売上が大きく落ち込んだためだ。第2四半期以降はこれら子会社の売上高も回復に向かっていることを考慮すれば、問題ない水準と言える。なお、税金負担が前期よりも増加することから、親会社株主に帰属する当期純利益のみ減益見通しである。

(1) リカレント教育事業
リカレント教育事業については通期でも増収増益が見込まれる。個人向けではBBT大学/大学院の秋季入学者が前年同期から増加していること、社会人の「学び」に対する関心が高まっており、オープンカレッジについても堅調に推移するものと予想される。

BBT大学経営学部の秋期入学者は前年同期比で18名増の50名となったほか、BBT大学大学院についても同11名増の48名となった。春期・秋期合計で見ればBBT大学/大学院の入学者は前期比67名増の271名と5期ぶりの増加に転じたことになる。2015年以前は400名前後の水準で推移していたことを考えるとまだ回復の途上と言ってもよく、2021年以降もさらに生徒数が増加する可能性があると弊社では見ている。5Gの普及やリカレント教育の需要増加などもあって、今後はさらにオンライン教育サービスの市場が拡大し、同市場において長年の実績とノウハウを持つ同社にとっては追い風となるためだ。

一方、法人向け教育研修サービスについては、下期以降も高成長が期待される。同社が主なターゲットとする大企業ではDXの取り組みを加速しており、そのなかで人材育成や新人研修などについてもオンライン化に取り組む企業が急速に増えているためだ。もちろん、集合型での研修も必要であるが、同社はオンラインサービスを主としつつ、集合型にも対応しており、こうした需要を取り込んでいく好機となる。今後、オンライン化比率の上昇に伴って、同社の売上規模も大きく伸長する可能性がある。このため、同社では営業体制の強化に取り組んでいる。営業人員の増員に加えて、オンライン研修の導入・定着化を図るための運用サポートスタッフを直近1年間で6~7名から12~13名へと2倍に増員した。オンライン研修は通常2~3カ月続くため、その期間のサポートが不十分で顧客満足度を高めることができなければ、継続受注につながらないため、運用サポートスタッフの強化は重要となってくる。AI技術も取り入れた個別最適化オンライン研修サービス「BBTパーソナライズ」なども含めて、今後の収益成長をけん引していくものと期待される。

また、ITマネジメント領域に特化した教育研修サービスを展開するITPJについても、研修プログラムのオンライン化対応を完了しており、今後は同社との協業も推進しながら収益を拡大していく見通しだ。年間売上規模は3億円程度とみられる。のれんが265百万円であるものの、利益面での影響も期待される。新たな研修プログラムとしては、コロナ禍で注目度が高まっているアジャイル型経営※Chief Digital Officerに求められる素養の習得等のためのオンライン研修プログラムを2021年1月から開始する。

※アジャイルとはシステムやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法の一つ。「素早い」「機敏な」という意味を持ち、小さな単位で実装とテストを繰り返して開発を進める。従来の開発手法に比べて開発期間が短縮されるメリットがある。近年ではソフトウェア開発手法の領域を超え、組織開発や人事などの領域にもその考え方が適用されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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