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17日の香港市場概況:ハンセン1.1%高で7日続伸、中国金融セクターに買い

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17日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比338.28ポイント(1.10%)高の31084.94ポイントと7日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が192.48ポイント(1.60%)高の12228.63ポイントと5日続伸した。ハンセン指数は約2年8カ月ぶりの高値水準を切り上げている。「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数も、2.34%高の10945.22ポイントと5日続伸。指数算出以来の高値を連日で塗り替えた。売買代金は2079億8900万香港ドルとなっている(16日は2197億8200万香港ドル)。


経済活動の正常化が期待される流れ。香港政府は17日、夜間の外食規制など新型コロナウイルス感染症対策を18日付で一部緩和すると発表した。コロナウイルスの新規感染者数は、香港のほか、中国本土や米国などでも減少傾向にある。また、早ければ3月にも香港域内の観光ツアーが再開される——とも伝わった。春節(旧正月)明けで、あす(18日)取引再開する本土市場の株高期待も強まる。本土連休中の香港や欧米の主要株価指数が堅調に推移していることもあり、世界相場に追随するとの見方だ。中国本土・香港間の相互取引スキームを通じた売買も再開されるだけに、相場が盛り上がるとの期待感も広がっている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が7.1%高、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が5.3%高、マカオ・カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が4.9%高と上げが目立った。カジノ株に関しては、中国の春節連休(11〜17日)期間中に、マカオを訪れる旅行客が回復傾向を示したと報じられたことも好感されている。このほか、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.7%高の757.50香港ドル。1月25日に記録した上場来高値(終値で766.50香港ドル)に接近した。


セクター別では、中国の金融が高い。中国太平洋保険集団(2601/HK)が8.0%、新華人寿保険(1336/HK)が4.2%、中国平安保険(2318/HK)が2.9%、中国農業銀行(1288/HK)が2.5%、交通銀行(3328/HK)が2.3%ずつ上昇した。


非鉄(レアアース)関連も上げが目立つ。新疆新キン鉱業(3833/HK)が33.6%高、中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が10.8%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が5.5%高、江西銅業(358/HK)が3.7%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.1%高と続伸した。洛陽モリブデンは、連日で上場来高値を更新している。レアアースを産出する銘柄に関しては、英メディアが16日、「中国がレアアースの輸出規制を検討しているもよう」とする消息筋情報を伝えたことが引き続き手がかり。戦略資源としての重要性が意識された。


ツアー会社やチケット予約など旅行関連も物色される。縦横遊HD(WWPKGホールディングス:8069/HK)が71.0%高、東瀛遊HD(EGLホールディングス:6882/HK)が14.0%高、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が15.0%高で取引を終えた。観光・旅行業界団体の幹部は16日、香港の観光客向けに大規模なキャンペーンを打ち出すべきと訴えている。


他の個別株動向では、電子商取引(Eコマース)中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が6.4%高と続伸し、連日で最高値を更新。同社は16日引け後、子会社の京東物流股フン有限公司を香港メインボードに分離上場させると発表した。そのほか、物流の円通速逓国際(6123/HK)が23.0%高と大幅続伸。春節連休の初日(大晦日:2月11日)から2月15日にかけて、中国本土の宅配取扱件が前年同期比で224%増に拡大したことを材料視した。

亜州リサーチ(株)



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