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19日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で小反発、通信関連に買い

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19日の香港市場は小幅に値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比49.46ポイント(0.16%)高の30644.73ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が65.24ポイント(0.54%)高の12106.77ポイントとそろって反発した。売買代金は2532億8000万香港ドルに縮小している(18日は2826億8100万香港ドル)。


本土株高が支え。安く推移していた上海総合指数が後場に入り切り返す中、香港の各指数も追随した。中国本土ではリスク選好スタンスが持続。新型コロナウイルス感染拡大が沈静化し、一般向けのワクチン接種も近くスタートするようだ。報道によれば、首都の北京市では5月末までの接種完了を見込んでいるという。経済活動の正常化が期待される状況だ。短期金利の低下も買い安心感を誘う。昼前に公表された人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)の翌日物は、前日の2.341%から1.886%に急低下した。


もっとも、上値は限定的。中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収スタンスが重しだ。人民銀は朝方、リバースレポ取引により200億人民元を市中に供給したが、満期到来分との差引では800億人民元の吸収超だった。人民元は前日も差引2600億人民元を市中から引き揚げている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリアの中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)と中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)がそれぞれ7.0%高、6.4%高、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)も6.4%高と上げが目立った。


セクター別では、キャリアや設備・工事の通信関連が高い。上記した銘柄のほか、中国電信(チャイナ・テレコム:728/HK)が9.8%、京信通信系統HD(コムバ・テレコムシステムズ:2342/HK)が10.3%、中国通信服務(552/HK)が5.9%、中国鉄塔(788/HK)が4.2%、中興通訊(ZTE:763/HK)が2.7%ずつ上昇した。第5世代(5G)ネットワーク普及の本格化が見込まれている。家電量販最大手の蘇寧易購集団(002024/SZ)によれば、今年の春節(旧正月)消費で5Gサービス対応スマートフォンの販売額が前年同期比でほぼ倍増した。


ゼネコンやセメント、鉄鋼などインフラ建設セクターも急伸。中国建築国際集団(3311/HK)が7.0%高、中国鉄建(1186/HK)が5.1%高、中国中鉄(390/HK)が3.2%高、中国建材(3323/HK)が14.7%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が9.6%高、中国西部水泥(西部セメント:2233/HK)が7.6%高、中国東方集団HD(581/HK)が5.1%高、鞍鋼(347/HK)が3.0%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.6%高で引けた。


非鉄(レアアース)セクターも物色される。新疆新キン鉱業(3833/HK)が12.9%高、五鉱資源(1208/HK)が7.2%高、江西銅業(358/HK)が4.8%高、金川集団国際資源(2362/HK)が4.2%高、中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が2.4%高と値を上げた。市況高が追い風。この日の上海商品取引所では、ニッケルや銅など主要商品先物が軒並み大幅上昇している。


他の個別株動向では、冶金系エンジニアリング大手の中国冶金科工(1618/HK)が12.4%高。同社は昨日引け後、1月の新規受注額が前年同月比で2.3倍に拡大したと報告した。


半面、「ニューエコノミー」関連はさえない。ITやハイテクで構成されるハンセン科技指数は0.3%安と続落している。組み入れウエート上位の銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が1.3%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が0.9%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が1.0%安で取引を終えた。


一方、本土市場は5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.57%高の3696.17ポイントで取引を終了した。素材株が高い。保険株、不動産株、運輸株、インフラ関連株、公益株、証券株、メディア・娯楽株なども買われた。半面、酒造や自動車など消費関連株の一角は安い。銀行株、医薬品株、半導体株も売られた。

亜州リサーチ(株)



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