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ドイツのロックダウン延長で経済回復への不透明感強まる【クロージング】

24日の日経平均は4営業日続落。590.40円安の28405.52円(出来高概算15億9135万株)で取引を終えた。ドイツのメルケル首相は、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)を4月18日まで延長すると表明したことが伝わるなど、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大懸念を背景にリスク回避の動きが強まった欧米市場の流れを引き継いで、東京市場でもほぼ全面安商状となった。前引けにかけて下落幅を広げ心理的な節目である28500円も下回り、午後に入ると、押し目を拾う動きもみられたものの、先行き不透明感が拭えず、一時28379.06円まで下押すなど、安値圏での展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数は2000を超え、全体の9割超を占めた。セクター別では東証33業種全てが下落し、空運が7.48%、鉱業5.28%、海運が4.87%、鉄鋼が4.49%など景気敏感セクターを中心に大きく下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレクが5%超上昇し日経平均を約77円程度下支えしたほか、トレンド、ニコンが堅調。半面、ファーストリテ、ソフトバンクGの2銘柄で日経平均を約204円下押ししたほか、ダイキン、リクルートHDが軟調だった。

ドイツのロックダウン延長や、米国立アレルギー感染症研究所がアストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの臨床試験について、データが不完全だった可能性があると指摘したことなどがマイナス視された。また、アジア市場も軒並み下落していることも重荷となった。世界的な新型コロナの感染拡大に対する警戒感が相場に暗い影を落としているため、経済活動の正常化への遅れに対する不安からシクリカルバリュー株などを中心に幅広い銘柄が売られた。一方、米半導体大手インテルがファンドリー事業参入すべく、2つの新工場を建設すると発表したことを手掛かりに、東エレクやニコン、レーザーテックといった半導体製造装置関連株の一角が値を上げるにとどまった。

日経平均の5日線が25日線を下回る短期デットクロスを示現し、目先は調整色が強まる可能性があるものの、75日線が支持線として機能してくるかを見極めたいところであろう。加えて、米国や英国、フランス、ドイツでは24日、3月の製造業・サービス業PMIの発表が予定されている。米国では2月から小幅な改善が期待されているが、世界の金融市場がリスクオフに傾きつつある中、想定外に弱い結果が判明すれば、経済再開への道のりの長さが改めて意識され、一段と売りが膨らむことが想定されやすい点は注視しておきたい。

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