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買い先行の展開から、次第にこう着感の強い相場展開に

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 9日の日本株市場は買い先行の展開から、次第にこう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場ではNYダウは57ドル高だった。週次の新規失業保険申請件数が2週連続で増加したため強い回復期待が後退。しかし、長期金利の低下を好感したハイテク株の上昇が下支えとなった。また、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が国際通貨基金(IMF)の討論会で、「回復が不完全」と経済に慎重な姿勢を見せたため、当面、金融緩和策が維持されるとの見方が強まり、引けにかけてダウは上昇に転じている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円高の29695円。円相場は1ドル109円30銭台で推移している。

 長期金利の低下を好感したハイテク株の上昇を受けて、指数インパクトの大きい値がさ株への波及が見込まれる。また、昨夕第2四半期決算とあわせて通期業績予想の上方修正を発表したファーストリテ<9983>は、ADR(米国預託証券)市場で堅調だったことも、日経平均を押し上げる要因になりそうだ。日経平均は足元で29500円処での底堅さが意識されているほか、先物市場のナイトセッションにおいても同様の動きである。そのため、下値固め確認により心理的な抵抗線として意識されている5日線を試す展開が見込まれる。直近の低迷からショートポジションも若干ながら積み上がっていると想定されるため、ショートカバーを交えた展開も期待されよう。

 もっとも、足元で出来高は膨らみづらい需給状況であり、週末要因も相俟って次第にこう着感は強まりやすいだろう。決算発表も徐々に本格化してくることになり、米国では来週の金融株から決算発表が本格化してくる。米アルケゴス・キャピタル・マネジメントや英グリーンシル・キャピタルに関連した損失の行方なども見極めたいとする模様眺めムードが強まる可能性もありそうだ。また。政府は、12日から東京、京都、沖縄の3都府県に「まん延防止等重点措置」を適用する方針であり、今夜開く対策本部で決定することにしている。織り込まれている面はあるものの、アルゴ発動なども警戒しておく必要があるだろう。
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