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買い一巡後はこう着感の強い相場展開に

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 19日の日本株市場は、先週末の米株高を材料視するものの、買い一巡後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。16日の米国市場ではNYダウが164ドル高だった。中国の1-3月期国内総生産(GDP)が過去最大の伸びを示し世界経済の強い回復期待が強まったほか、企業の好決算、予想以上に改善した3月住宅着工件数に加え、政府が国内のワクチン接種が2億回を突破したと発表すると、引けにかけて上げ幅を拡大。ダウは連日で史上最高値を更新して引けた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比65円高の29795円。円相場は1ドル108円80銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行の展開になりそうだが、3万円に接近する局面においては戻り待ちの売り圧力が意識されやすい。先週の東証1部の売買高は3日間の10億株割れの薄商いになっており、積極的な参加者は限られている。米国では予想を上回る決算のほか、ワクチン接種の進展による経済活動の正常化への期待が高まっているが、国内においては来週から決算本格化を迎えるため、様子見姿勢を強めやすい。新型コロナに関しては、大阪府で感染拡大傾向が続いているほか、東京都では連日で前の週の同じ曜日を上回る感染拡大が続いている。東京都の小池知事は緊急事態宣言の要請も視野に入れて検討するよう職員に指示したと伝えられており、より慎重姿勢に繋がりそうである。

 そのため、薄商いのなかを短期のヘッジファンドなどによる売買に振らされやすい。一方で、VIX指数はボトム圏での推移が続いており、リスク選好の流れは継続。海外勢による資金流入への期待も根強く、ヘッジファンドにおいても早い段階でカバーを入れてくると考えられる。そのため、下値の堅さは意識されており、売り仕掛け的な動きに対しては押し目狙いのスタンスになるだろう。日経平均は29500円処での底堅さは確認されており、現在は5日線を挟んだもち合いが継続。5日線を支持線に変えてくるようだと、下値を切り上げる形から29700円~3万円のレンジとより煮詰まり感も台頭してくるだろう。

 もっとも、来週から決算発表が本格化してくる。また、次第にゴールデンウイークを意識してくることから、キャッシュ化の動きもみられてきそうだ。商いは膨らみづらく、手掛かり材料にも欠けることから、個別に材料の出ている銘柄の他、政策期待の高い材料株などでの短期的な値幅取り狙いの売買が中心になりそうである。
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