fbpx

SBSHD Research Memo(4):東芝ロジスティクスの子会社化により総資産が大幅に増加

マネーボイス 必読の記事



■SBSホールディングス<2384>の業績動向

3. 財務状況と経営指標
2020年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比74,502百万円増加の254,550百万円と大幅に増加した。SBS東芝ロジスティクスの連結化に伴い、同社グループの資産を595億円、のれんを38億円計上したことが主因で、既存事業ベースでは112億円の増加となっている。主な増減要因を見ると、流動資産の増加40,154百万円のうち、現金及び預金で9,040百万円、売上債権で22,061百万円、たな卸資産で6,906百万円それぞれ増加した。このうちSBS東芝ロジスティクス分で約200億円の増加要因となっている。一方、固定資産の増加34,349百万円の内訳は、有形固定資産で6,580百万円、無形固定資産で23,059百万円、投資その他資産で4,710百万円となる。無形固定資産の増加が目立つが、このうちSBS東芝ロジスティクスの子会社化によって、のれんが38億円(20年定額償却)、顧客関連資産が190億円(30年償却)増加している。顧客関連資産には防衛関連など大型の無形資産が含まれており、今後のれんも含めて20~30年で償却していくことになる。

負債合計は前期末比60,433百万円増加の186,404百万円となった。M&A資金を金融機関からの借入で賄ったことにより有利子負債が25,112百万円増加したほか、支払手形及び買掛金が16,077百万円、退職給付に係る負債が5,624百万円、繰延税金負債が5,344百万円それぞれ増加した。純資産は前期末比14,069百万円増加の68,146百万円となった。配当金の支出1,191百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,826百万円の計上により、利益剰余金が5,766百万円増加したほか、非支配株主持分が8,442百万円増加したことによる。なお、同社のSBS東芝ロジスティクスに対する出資比率は66.6%(取得額19,980百万円)となっている。

経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は前期末の25.1%から19.9%に低下し、ネットDEレシオが1.21倍から1.39倍に上昇するなど、SBS東芝ロジスティクスのM&A実施によって一時的に財務体質は悪化したものの、今後はシナジー効果も含めてグループ全体の収益を拡大していくことで、財務体質も改善するものと予想される。また、効率性指標を見ても、売上高総資産回転率が前期の1.45回から1.18回に低下したが、これはSBS東芝ロジスティクスの資産を計上した一方で、売上高については2021年12月期から連結に組み込まれることによる一時的な要因であり、2021年12月期以降は再び上昇する見通しだ。なお、同社は自己資本比率について30%を目標としており、現在の水準とはまだ乖離があるものの、今後はM&Aによるシナジー創出によって収益拡大を図ることで30%の達成を目指していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


いま読まれてます

記事提供:
元記事を読む

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー