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売り先行も半導体関連株が相場の下支え役に【クロージング】

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19日の日経平均は小幅に続伸。2.00円高の29685.37円(出来高概算9億1823万株)で取引を終えた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、再び緊急事態宣言による経済活動の停止による景況感の悪化が警戒されたほか、日米首脳会談を受け、対中関係が悪化することへの懸念も売りを誘い、一時29530.84円まで下落した。ただ、半導体関連株の一角などがしっかりしていることから、短期筋による225先物買いも散見され、前引けにかけて上昇に転じると、後場寄り付き直後には29800円を回復する場面もみられたが、引けにかけては先週末の終値を挟んだこう着に。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がり銘柄数は1000程度でほぼ拮抗していた。セクター別では、海運と金属製品がともに1%超上昇したほか、ゴム製品、パルプ紙など11業種が値上がりした。一方、空運が3.63%と大きく下落したほか、陸運、不動産、その他金融など22業種が下落。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、信越化<4063>、ダイキン<6367>、アドバンテス<6857>が堅調。半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、資生堂<4911>、リクルートHD<6098>が軟調だった。

新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない東京や大阪で緊急事態宣言の再発出に向けた動きを進めていることから、経済活動の正常化が一段と遅れるのではないかとの警戒感が売りを誘った。商品投資顧問業者(CTA)などの短期筋中心に売りを出したとみられる。また。日米首脳会談を受けてまとめた共同声明に「台湾」が明記されたことで、日米と中国の関係悪化に対する不安感も相場の重しとなった。しかし、東エレクやアドバンテスといった指数寄与度の大きい主力株の一角が堅調に推移し日経平均を下支えしており、全般は小動きにとどまった。

東証1部市場の売買代金は2兆円台と低調な水準が続いており、投資家は積極的に持ち高を一方向に傾ける雰囲気にはなっていない。国内主要企業の決算発表が月末にかけて本格化することも買いの手を鈍らせているようだ。ただ、大都市圏でのコロナ感染者の増加基調がさらに拡大すれば、より強力な感染防止策が打ち出される可能性があり、目先は感染状況に警戒する必要があり、当面は買い見送りムードの強い展開が続きそうだ。


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