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為替週間見通し:ドルは底堅い値動きか、米国の早期利上げの可能性残る

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【今週の概況】
■ドル強含み、来年末までに米利上げ開始の可能性」
今週のドル・円は強含み。6月15-16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で現行の金融緩和策を維持することが決まったが、FOMCの経済・金融予測で、成長とインフレの見通しが引き上げられたことや、2022年末までに利上げが開始される可能性が示されたことから主要通貨に対するドル買いが活発となった。ドル・円は17日に一時110円82銭まで上昇した。ただ、早期利上げを警戒して米国株式は下落し、リスク選好的なドル買いは一服した。

18日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時110円48銭まで反発した。セントルイス地区連銀のブラード総裁は会見で「米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は量的緩和の縮小について協議を開始した」と述べたことから、ドル買いが一時優勢となった。しかしながら、米国株式は将来的な金融引き締めを警戒して続落し、リスク回避の円買いが増えたことから、ドル・円は110円04銭まで下落し、110円14銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:109円61銭−110円82銭。

【来週の見通し】
■ドルは底堅い値動きか、米国の早期利上げの可能性残る

来週のドル・円は底堅い値動きか。心理的節目の110円をしっかりと上抜けしたが、1ドル=110円台では国内顧客筋などのドル売りも観測されている。また、米長期金利の低下につながる材料が提供された場合、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる場面もありそうだ。

ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)が公表した経済・金融予測では、過半数のメンバーが2023年末までに少なくとも2回の利上げ実施を予想している。メンバー18人中7人は2022年末までに1度の利上げが実施されると予想している。公表されたFOMC声明では「ワクチン接種の進展と強力な政策支援が施される中で、経済活動や雇用の指標は強さを増した」との見解が表明された。

また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は会見で「さらなるデータで、緩和縮小に関して言及する可能性がある」との見方を伝えている。FOMC予測でインフレと成長の見通しは引き上げられており、金利引き上げは正当化されつつある。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げの可能性が引き続き意識され、リスク回避的なドル売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

【米・1-3月期国内総生産(GDP)確定値】(24日発表予定)
24日発表の米1-3月期国内総生産(GDP)確定値は、改定値の前期比年率+6.4%を維持できるか注目される。改定値と一致すれば、景気回復への期待で株高・金利高を手がかりにドル買いの要因となりそうだ。

【米・5月コアPCE価格指数】(25日発表予定)
25日発表の米5月コアPCE価格指数は前年比+3.5%と、4月の同+3.1%を上回る見通し。ただし、市場予想を下回った場合、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測は後退し、ドル売り要因に。

予想レンジ:109円00銭−111円50銭


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