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三光MF Research Memo(4):コロナ禍で大幅減収・営業損失拡大

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■業績動向

1. 2021年6月期第3四半期累計業績の概要
三光マーケティングフーズ<2762>の2021年6月期第3四半期累計業績(非連結)は、売上高が前年同期比74.0%減の1,796百万円、営業損失が1,317百万円(前年同期は986百万円の損失)、経常損失が1,180百万円(同977百万円の損失)、四半期純損失が1,488百万円(同1,992百万円の損失)だった。なお営業外収益に助成金収入120百万円、特別利益に固定資産売却益106百万円、特別損失に店舗閉鎖損失156百万円、減損損失238百万円を計上した。

コロナ禍に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で、店舗臨時休業・営業時間短縮・酒類提供自粛が求められ、大幅減収で営業損失・経常損失が拡大した。大衆酒場「アカマル屋」や日常食業態「焼肉万里」がコロナ禍でも健闘し、新しい生活様式に対応したデリバリー・テイクアウトサービスの拡大、ランチ時間帯営業の強化、適切なコストコントロールも推進したが、既存居酒屋業態の売上減少(店舗数減少、客数減少)の影響をカバーできなかった。

店舗展開では直営店31店舗、運営受託2店舗、FC店4店舗を閉店し、第3四半期末時点の店舗数は直営店31店舗、運営受託17店舗、FC店3店舗となった。「金の蔵」など大型店舗の総合型居酒屋業態の不採算店の撤退は概ね完了した。

2. 財務状況
財務面で見ると、2021年6月期第3四半期末の資産合計は前期末比2,190百万円減少の2,355百万円、負債合計は703百万円減少の1,846百万円となった。流動資産では主に売上減少に伴って現金及び預金が減少、固定資産では主に閉店によって差入保証金が減少した。負債では主に未払金、資産除去債務が減少した。また純資産は四半期純損失の計上によって減少した。

なお同社の2021年6月期第3四半期の四半期報告書には、2018年6月期から2020年6月期まで3期連続で営業損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在しているが、第3四半期末の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はなく、当該事象を改善するための対応策を実施していることから、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断している旨の記載がある。

また2021年5月27日に、第三者割当により発行される新株式(2021年6月14日払込完了)及び第4回新株予約権の募集、資本金の額の減少及び剰余金の処分を発表した。新株式及び第4回新株予約権については、同社取締役会長平林隆広氏及びスターリング証券(株)を割当先として新株式(1,111,200株)を発行、(有)神田コンサルティング(創業一族が100%所有:2021年5月27日有価証券届出書より)及びスターリング証券(東京証券取引所市場第二部に上場するOakキャピタル(株)の100%子会社:2021年5月27日有価証券届出書より)を割当先として第4回新株予約権(62,964個=6,296.400株)を発行する。

有利子負債は2020年7月に政府が実施するコロナ対応緊急対策融資を活用した200百万円だけである。また不採算店舗の閉店が概ね完了して固定費負担が軽減され、安定的に利益を確保できる日常食業態にシフトしていることなども勘案すれば、当面の財務状況に懸念はないと言えるだろう。コロナ禍の収束後はキャッシュ・フローの改善をはじめ、財務基盤の再強化が課題となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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