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「五輪で改善」といかない日本株

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[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27932.08;+98.79
TOPIX;1934.65;+9.03


[後場の投資戦略]

 米国株の連日の高値更新という支援材料がありながら、日経平均は前日と同様に28000円水準で伸び悩む展開を強いられている。日足チャートでは27000円台に位置する5日移動平均線や200日移動平均線を上回っているが、従来のトレンドより上値切り下げペースが加速した印象は拭えない。業種別騰落率を見ると景気敏感色の強い市況関連セクターが堅調だが、足元調整を強いられていた反動という面もあるだろう。ここまでの東証1部売買代金は1兆円割れ。新興市場ではマザーズ指数が-0.48%と3日ぶり反落。本日、新規上場したサーキュレーション<7379>は公募・売出規模がやや大きいものの、買い気配が続いている。IPO(新規株式公開)銘柄の賑わいなどに個人投資家の物色意欲の根強さは感じられるが、センチメントが良好とまでは言いづらい。

 前日は東証1部売買代金が2兆2492億円。マザーズ売買代金が1089億円にとどまった。特にマザーズの方は6月9日以来の低水準で、連休明けながら個人投資家の売買は活発化しなかった。ネット証券売買代金ランキングを見ると、日経レバETF<1570>は既に売り超に転換。連休前に懸念していたとおり、個人投資家の戻り売り水準は一段と低下してしまったようだ。また、先物取引ではBofA証券が日経平均先物を売り越していた。

 東京五輪が紆余曲折を経て開催にこぎつけ、日本選手の活躍が伝わったことでムードは改善しつつあるとの見方もあるが、少なくとも東京市場での個人・海外投資家の取引状況にそうした兆しは見られない。「内閣支持率が上向く」と期待するのもやや早計か。東京都の新型コロナ新規感染者数は26日、月曜としては過去最多となった。五輪での選手の活躍は大いに称えるべきだが、大方の国民にとって政権を支持できるかどうかの判断材料はコロナ対策の成否だろう。

 個別株を見ても、前日は中国企業の株価急落でソフトバンクGが2%安、決算発表の日本電産<6594>が3%安となり、本日も売りが継続。日本株全体の今後のリスクを示しているかのようだ。中国では7月に共産党が創立100周年を迎え、習近平指導部による体制強化が一段と加速しているのかもしれない。米国とのあつれきも含め、金融市場に大きな影響を与えそうだ。先のアルケゴス・キャピタル・マネジメントのように、中国企業の株価急落で大きな損失を出す運用機関が出てこないかも注視しておく必要があるだろう。また、安川電<6506>の伸び悩み、日本電産の下落と続いたことで、決算をきっかけとした見直しへの期待も薄れそうだ。本日は信越化<4063>などが決算発表を予定しており、明日の株価反応が気になるところである。

 米国では企業業績への期待が株式投資家の買い意欲を維持させているが、物色の矛先は「リスク・リワード(リスク対比の運用収益)が高い」という理由で主力ハイテク株に向いているようだ。景気減速というリスクが意識されてきているのがわかる。これでは日本株への追い風は期待しづらいだろう。実際、前日発表された6月の新築住宅販売件数は3カ月連続のマイナスで1年2カ月ぶりの低水準。価格高騰の影響が鮮明となりつつある。また、ゴールドマン・サックスは2022年の米経済成長が急減速するとの予想を示した。こうしたなか、27~28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。不動産担保証券(MBS)の買い入れ減額に前向きな意見が6月開催時より増えるなど、金融緩和の縮小に向けた議論が進展するようなら、「政策エラー」への懸念は一段と広がる可能性がある。

 さて、アジア市場では香港ハンセン指数が本日もやや不安定な動きとなっている。後場の日経平均は引き続き上値が重く、海外株睨みの神経質な展開になるとみておきたい。
(小林大純)
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