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川辺 Research Memo(4):2021年3月期はコロナ禍の影響で大幅減収・赤字

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■業績動向

1. 2021年3月期連結業績の概要
川辺<8123>の2021年3月期の連結業績は、売上高が2020年3月期比24.0%減の11,293百万円、営業損失が462百万円(2020年3月期は104百万円の損失)、経常損失が381百万円(同43百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が433百万円(同13百万円の損失)であった。コロナ禍によるマイナス影響を大きく受けて大幅減収・赤字であった。

売上面では巣ごもり消費でEC通販が大幅伸長したものの、主力の百貨店向けを中心に総じてコロナ禍のマイナス影響を大きく受けた。利益面では売上総利益が売上高の減少により27.0%減少した。売上総利益率は34.2%で1.4ポイント低下した。なお期初時点でコロナ禍による影響の長期化を想定し、仕入を例年よりも抑えるなど防御策を徹底したため、売れ残り在庫を増やすことなく期末を迎えた。販管費は経費抑制で19.8%減少したが、販管費比率は38.3%で2.0ポイント上昇した。なお特別利益に投資有価証券売却益157百万円を計上、特別損失に早期割増退職金296百万円を計上した。

2. セグメント別動向
身の回り品事業は、売上高が24.7%減の9,729百万円で、経常損失が33百万円(2020年3月期は251百万円の利益)であった。品目別売上高はハンカチーフが19.6%減の7,420百万円、スカーフ・マフラーが44.4%減の925百万円、タオルが17.2%減の703百万円、雑貨が42.1%減の679百万円であった。消費者の衛生意識向上によるマスクやハンカチーフに対する需要の高まり、巣ごもり消費によるEC・TV通販の拡大、さらにレジ袋有料化に伴うエコバッグ需要の増加というプラス要因もあったが、全体としてはコロナ禍によるマイナス影響を大きく受けた。特にファッションアイテムであるスカーフ・マフラーのギフト需要が緊急事態宣言や消費者の外出自粛の影響を受け、雑貨も直営小売店の臨時休業・時短営業などの影響を受けた。

フレグランス事業は、売上高が19.5%減の1,564百万円で、経常損失が165百万円(同37百万円の損失)であった。希少性の高いメゾン系ブランドは堅調であったが、主力のファッションブランドが身の回り品事業と同様にコロナ禍によるマイナス影響を大きく受けた。


財務健全性を維持
3. 財務の状況
財務面で見ると、2021年3月期末の資産合計は2020年3月期末比719百万円減少して12,546百万円となった。投資有価証券が594百万円減少、受取手形及び売掛金が194百万円減少、現金及び預金が176百万円増加した。なお期初時点でコロナ禍の長期化を想定し、仕入を例年よりも抑えるなど防御策を徹底したため、売れ残り在庫を増やすことなく、たな卸資産は40百万円減少した。

負債合計は230百万円減少して6,158百万円となった。支払手形及び買掛金が537百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が493百万円減少、短期借入金が700百万円増加した。投資有価証券売却によって手元資金を確保し、有利子負債の増加を抑えた。純資産合計は488百万円減少して6,387百万円となった。この結果、自己資本比率は50.9%と0.9ポイント低下したが、財務健全性を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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