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動物高度医療 Research Memo(7):動物高度医療の市場環境は良好

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■日本動物高度医療センター<6039>の成長戦略

1. 市場環境
動物高度医療の市場環境は良好である。ペットの医療は飼い主の住居に近い「かかりつけの動物病院」で診療(一次診療)を受けるのが一般的だが、飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として、高度医療(二次診療)に対するニーズが一段と高まっているためだ。

同社資料によると、新規犬猫飼育頭数は全体として減少傾向だったが、2019年に前年比6.1%増の820千頭(犬が同5.5%増の404千頭、猫が同6.7%増の416千頭)となって増加に転じ、2020年には前年比15.2%増の945千頭(犬が同14.4%増の462千頭、猫が同16.1%増の483千頭)と大幅に増加し、過去5年間で最多となった。コロナ禍に伴う巣ごもりも追い風となったようだ。またペットの家族化に伴って一世帯当たりの動物病院支出額は増加基調であり、ペット保険の市場規模も2桁成長が続いている。

2. 動物医療業界の総合的企業を目指す
このように良好な事業環境も背景として、中期成長戦略には拠点と連携病院数の拡大、人材の育成・確保、M&Aも活用した新規事業の拡大を掲げ、動物医療業界の総合的企業を目指すとしている。

拠点と連携病院数の拡大
全国主要都市への施設展開、学会発表やセミナー開催などの学術活動を推進する。なお大阪病院(大阪府箕面市)については、建設計画見直しに伴う設計変更、これに伴う箕面市との条例再協議・許可取得等に6ヶ月程度の時間を要することになったため、開業時期を2022年11月に変更した。大阪病院の開業によって、近畿だけでなく、中国・四国まで含めた西日本での連携病院数を拡大させる方針だ。その後は東名阪の拠点を核として、地方都市を含めて連携病院数や紹介件数の増加を加速させる方針としている。

人材の育成・確保
大学・専門学校・各種団体との関係強化や人脈形成に尽力し、採用活動を積極的に実施する。また卒後臨床研修制度を通じた獣医師育成も推進して拠点拡大に対応する。さらに愛玩動物看護師法の施行に伴って動物看護師の国家資格取得を促進し、動物看護師活用による獣医師の負担軽減や業務の効率化・生産性向上を推進する。

M&Aも活用した新規事業の拡大
2019年2月にリリースしたペット用活動量計「PLUS CYCLE(プラスサイクル)」は、スマホアプリと連動してペットの日常の活動量・ジャンプ回数・睡眠時間などを測定し、ペットの「元気」を可視化することで、重症化する前にペットの異常を早期発見することが可能となる「Pet Health Tech」ツールである。普及に向けて大企業との協業を推進している。2020年9月にはパナソニック株式会社のブルーレイディスクレコーダー「おうちクラウドディーガ」とサービス連携を開始した。2021年4月には日本電気株式会社(NEC)の愛玩動物コミュニケーションプラットフォームサービス「waneco」と連携し、NECがLINEを使ってペットの状況を遠隔地から把握することができる飼い主向けサービス「waneco talk」の社内実証実験を開始した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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