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朝高後失速で不透明要素が上値抑える展開継続、新興株には短期妙味

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[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27718.86;+77.72
TOPIX;1941.86;+13.09


[後場の投資戦略]

 週明けの日経平均は寄り天といった形で朝高後に大きく失速する展開となっている。もともと、ジャクソンホール会議では、パウエルFRB議長が今後の金融政策方針について明確な判断を下す可能性は低く、無難な形で終わると予想されていた。イベント通過といっても想定線であり、持続的な買い戻し要因にはなっていない様子。

 米国株が史上最高値近辺での推移を続ける一方、日経平均が年初来安値圏で推移していることはこれまで通り、前週末の米株高に対する本日の日本株の戻りの弱さも悲しい話だが想定内といったところだろうか。

 もともと、こうした米株対比での日本株の大幅なアンダーパフォームの背景には、従来から指摘されている通り、日本を巡る様々な不透明感の存在がある。すなわち、高水準で高止まりしている国内での新型コロナウイルス感染動向、近く控える自民党総裁選や衆議院議員選挙の行く末などだ。さらにここに、景気敏感株としての特性が強い日本株にとって大きな重しとなっている要素として、米中二大国の景気指標下振れ傾向から窺える景気減速懸念が加わる。

 結局、これらの大きな要因に変化がない限り、イベントを通過したところで本格的な日本株の上昇にはつながらない。本日大きく上昇している海運や鉄鋼については、市況ひっ迫に戻づく運賃高騰やスプレッド拡大など固有の好材料が直近で確認されていることが背景にあると思われ、それ以外の日本株の戻りは鈍いと言わざるを得ない。

 新型コロナウイルスの感染動向については、8月半ばがピークとなった可能性が高いとの声も聞かれるが、水準としては依然として極めて高い。9月12日までとなっている緊急事態宣言もこのままいけば再延長の可能性も十分にありえる。不透明要素として残る限り、日本株の買い手控え要因となるだろう。

 景気減速懸念については、これを占う重要な米中の経済指標が今週は相次ぐ。31日に中国8月製造業・非製造業の購買担当者景気指数(PMI)、9月1日には米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する8月ISM製造業景況指数、そして、週末3日には米8月ISM非製造業景況指数のほか、注目の米8月雇用統計が予定されている。景気減速懸念がくすぶる中、米中の景気指標への注目度はこれまで以上に高まっている。また、年内開始が濃厚となってきたテーパリングの開始時期を巡って重要な判断要素となる米雇用統計は、今回とりわけ注目度が高い。これらの結果を確認するまえに大きく動けないのも上値の重さにつながっているのだろう。

 上述した要素から、東証1部の主力株については当面は上値の重い展開が継続しそうだ。一方、本日も大幅高で、チャート形状などテクニカル妙味が高まってきているマザーズ指数など、値動きの軽い新興株の方が、底打ち感の強まりとともに幕間つなぎの物色も相まって投資妙味がありそうだ。
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