円高進行なら、日経平均は今年2月安値14865円の攻防に
日経平均はドル円が102円台まで円高進行するとすれば、昨日シカゴ先物で15860円まで売られているが、その水準よりさらに下落すると見ていたほうがいいだろう。
106円台から102円台までこのピッチでいくと半年もかからない。3か月以内で到達するかもしれない。そうなった場合の日経平均の下値メドは今年2月安値の14865円が当然意識される。

日経平均株価 週足(SBI証券提供)
ドル円の下落ピッチから考えると、今週月曜から連休後の金曜日あたりでいったんリバウンドする可能性もありそう。ただし例年5月は米国系ヘッジファンドが決算前の手じまい売りし日本市場に下押し圧力になっている。
東証1部騰落レシオは調整余地示唆
折しも欧米株式市場も反落に向かう可能性が出てきたことから東京株式市場の5月は上値が重い展開が予想される。4月28日の東証1部騰落レシオは96.1Pで、売られ過ぎゾーンの80P割れ、あるいは超売られ過ぎゾーンの60P前後まで相当あるため調整余地があると言わざるを得ない。突っ込み買いをする場合はこのへんの数値を十分に意識しておきたい。
新興市場に関しても調整余地があると言ったほうがいいだろう。マザーズ指数はプラス乖離が大きいため数週間にわたり調整が入る可能性あり。JQ市場はそこまではないが、東証1部も含め全体的な調整の中で影響を受けるだろう。
だからといって現状、売り本命にシフト転換するのもリバウンドリスクがあるためできない。状況を見ながら方向性を見極めたい。売れるものがあれば売っていくし、強い銘柄は今後も上昇トレンドを維持していくだろうから、メリハリをつけたトレードが必要になる。
コモディティの急騰に注目
先週ドル安円高の急激な進行とともに目立った現象が金や穀物の急騰である。ドル安と反比例して上昇しているのが一目瞭然だ。2月、株式が暴落したときも顕著にその傾向が表れたため金や原油など商品先物系のETFも取り入れた全体PFを提唱した。
ドル安に長い目で進む可能性からヘッジとなりやすいのが理由だ。今後もそうした工夫が生きるだろう。株式だけでなく商品先物系のETFも株式と同じ口座で売買が可能、また1570日経レバETFの戻り高値からの空売りなど、万能型のPFを作り上げたい。
最後に先週の株式相場の動きは新たな教訓を得た。外資につけと一時期言われたことがあったがパナマ文書といい、世界のお金持ち層の中でも新たな自然淘汰が始まったということなのかもしれない。
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