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米国株式市場見通し:年末商戦や雇用統計に注目

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新たに検出された南アフリカ変異株はデルタ株よりも感染力が強く、ワクチンの効力も限定的と報じられているが、まだ初期段階で、実態が明確化されたわけではない。今週の市場は感謝祭の祝日で休場、短縮取引と取引日数や参加者が限定的となったため週後半のパニック売りに繋がったようだ。状況はパンデミック発生時とは大きく異なる。ワクチンや治療薬の使用が可能だ。先進諸国ではワクチン接種が進んでおり効力が薄まったとしても、全くないわけではない。欧米の入国制限が発表されたが、米国が今後行動制限に再度踏み切るとは考えにくい。短期的に景気循環株を押し下げるが下値も限定的だろう。バイオや製薬会社はこれからワクチンの効力を検証する計画だ。今週の下落が過剰で、来週は売りが一段落し、押し目を狙った買いを期待したい。

バイデン大統領がパウエルFRB議長を再任しブレイナードFRB理事を副議長に指名し、FRB人事を巡る不透明感も払しょく、年末に向けて上昇しやすい環境になった。また、年末商戦も本格化し動向に注目だ。今のところ出だしが好調で、市場に再び楽観的見方が広がると期待したい。小売り企業の決算は予想を上回る好調な結果となったものの、サプライチェーン混乱による在庫不足、人手不足が続き強い需要に対処できず、さらに、人件費などコストの上昇により利益率も圧迫されると悲観的な見通しを示し株価動向は冴えない。そんな中、小売りは今週のブラックマンデーに続き30日のサイバーマンデーで、オンライン商品の特別割引を提供。新型コロナ下では、サイバーマンデーでの売り上げがブラックマンデーを大幅に上回る状況が続いており、累積需要がどの程度売り上げを押し上げるかに注目だ。

パウエルFRB議長はイエレン財務長官と30日に上院銀行委、12月1日には下院金融サービス委でコロナ危機対応策に関する証言を予定している。質疑応答では、物価上昇への対応などに関する議員からの質問が予想され、注目したい。

経済指標では、10月中古住宅販売仮契約、11月ダラス連銀製造業活動(29日)、9月FHFA住宅価格指数、9月S&P住宅価格指数、11月シカゴPMI、11月消費者信頼感指数(30日)、11月ADP雇用統計、11月製造業PMI速報値、10月建設支出、11月ISM製造業景況指数(12月1日)、新規失業保険申請件数(2日)、11月雇用統計、ISM非製造業景況指数、10月製造業受注、10月耐久財受注(3日)、などが予定されている。もし、雇用統計の結果が、労働市場のさらなる回復を示す結果となった場合は、12月FOMCでQE縮小ペース加速を決定するとの思惑が強まり、伸び悩む可能性がありそうだ。

さらに、FRBは12月1日にFRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表予定。この結果は、12月開催のFOMCでの金融政策決定において参考となるため注目だ。特に、供給や雇用状況、賃金、物価動向に焦点を置きたい。インフレ期待の上昇が見られた場合、市場の利上げ見通しをさらに強めそうだ。

主要企業決算では、企業向けソフトウェアの開発に従事するセールスフォース(30日)、クラウドサービスを提供するスノーフレーク、カルバンクラインやトミーヒルフィガーなどのブランドを運営する小売りのPVH(12月1日)、ディスカウント小売りのダラー・ゼネラル、スーパーマーケットチェーンのクローガー、電子署名のドキュサイン、化粧品小売りのアルタビューティー、装飾品小売りのシグネットジュエラーズ(12月2日)、などが予定されている。

クラウドサービスを提供するスノーフレークの決算では好調な結果に期待したい。また、コロナ下で宝石などの売り上げが好調で、シグネットジュエラーズの決算にも期待が集まる。

(Horiko Capital Management LLC)


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