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まずは週明けの欧米市場の動向を見極めたいところ【クロージング】

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29日の日経平均は大幅に続落。467.70円安の28283.92円(出来高概算15億3000万株)で取引を終えた。南アフリカ共和国から新型コロナウイルスの新たな変異株(オミクロン株)が見つかったことによる世界景気への悪影響が警戒されるなか、26日の祝日明けの米国市場においても大幅に下落したことから、大幅続落で始まった。売り一巡後は変異株の感染力などの詳細を見極めたいとするムードのなか、パニック的に下落した反動の動きが見られており、前引けにかけ下落幅を縮め一時28776.34円とプラスに転じる場面も見られた。ただし、後場に入ると再び下落幅を広げており、チャート形状としては長い上ヒゲを残す陰線となった。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1900を超え、全体の9割超を占めた。セクターでは海運、その他製品の2業種が上昇した一方で、31業種が下落しており、空運、陸運、繊維、ゴム製品、輸送用機器、パルプ紙、非鉄金属の弱さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、エムスリー<2413>、任天堂<7974>、アドバンテスト<6857>が堅調。半面、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、ソフトバンクG<9984>、KDDI<9433>が軟調。

日経平均はギャップダウンで始まり、その後はプラスに転じる場面が見られたが、自律反発狙いの動きにとどまったようである。チャート上では75日線のほか、一目均衡表では薄い雲に上値を抑えられる格好だった。テクニカル面ではシグナルが悪化傾向にある。グローベックスの米株先物はNYダウ先物が朝方こそ250ドル超の上昇を見せていたものの、後場に入り上げ幅を縮めていた。週明けの欧米市場の動向を見極めたいとする模様眺めムードも高まったようである。

変異株(オミクロン株)について日本政府は、30日午前0時から外国人の新規入国の停止を発表したのも経済活動の鈍化懸念を強める格好となった。厚生労働省は29日、ナミビアに滞在歴があり、28日に成田空港から入国した人が、空港検疫で陽性と確認されたと発表している。オミクロン株となればセンチメントを悪化させる要因になる可能性はある。一方で、米国では年末商戦が好調な出足だったほか、コロナ感染拡大によってテーパリングの開始時期にも影響を与えてくる可能性もありそうだ。米国市場が落ち着いた動きを見せてくるようだと、自律反発を狙ったスタンスに向かいやすいだろう。


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