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アジア投資 Research Memo(8):2022年3月期は下期での株式売却益の計上等により大幅な増益を見込む

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■業績見通し

日本アジア投資<8518>は、業績予想(ファンド連結基準)について、株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難である事業特性であることから公表を行っていない。ただ、2022年3月期については、ある一定の前提をもとに策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。

同社の「従来連結基準による見込値」によれば、2022年3月期については期初見込値を据え置き、営業収益を前期比4.5%減の2,950百万円、営業利益を同137.8%増の510百万円、経常利益を同147.2%増の430百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同134.8%増の340百万円と減収ながら大幅な増益を見込んでいる。

減収予想となっているのは、「プロジェクト投資」分の売却が前期と比べて減少することが理由である。一方、損益面では、株式売却益の増加により大幅な増益を見込んでいる。

なお、上期実績が見込値を下回ったにもかかわらず、通期見込値を据え置いたのは、下期に予定していなかった国内投資先が新規上場し、株式売却益が増加する見込みとなったことが理由である。一方、「プロジェクト投資」については、期初の計画どおり、下期でのプロジェクトの売却※を見込んでいる。

※メガソーラープロジェクト2件の売却を予定しているようだ。


弊社でも、下期での投資先の株式上場に伴う株式売却益の増加や、「プロジェクト投資」分の売却を勘案すれば、通期見込値の達成は十分に可能であると見ている。特に、メガソーラープロジェクトは、クリーンエネルギーへの社会的ニーズの高まりや、コロナ禍で不確実性が高まるなかで、将来の売電収益が確定している点が評価され、メガソーラープロジェクトに対する購入意欲は多数寄せられているようであり、好条件で売却できる可能性は高いと判断している。最大の注目点は、既存資産の売却及び流動化や「プロジェクト投資」の一部売却により得られた資金を、いかに次の「プロジェクト投資」等に振り向け、資産の入れ替えや収益基盤の拡大に結び付けていくのかにある。また、引き続き、「プロジェクト投資」の事業としての進捗やパートナーである戦略投資先のハンズオンの状況もフォローしていきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)



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