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米FOMC後に動意か【フィスコ・コラム】

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ドル・円相場は今年に入って5年ぶりの高値に浮上したものの、その後はやや失速しています。ドル買い材料の一服が背景とみられます。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化の方針に変わりはなく、当面は底堅い値動きが続きそうです。


ドル・円は昨年11月30日の112円半ばから上昇トレンドを形成し、12月は緩やかながらほぼ一貫して上値を切り上げていました。そして、年明け1月4日は日経平均の大幅高を背景とした円売りにより、2017年1月以来5年ぶりの高値となる116円33銭まで一時上昇しました。ただ、その後は失速し、今週は114円台に逆戻り。円相場を中心にみれば、「半値戻し」の様相です。


ドル売りのきっかけは、1月7日の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比+19.9万人と予想の半分程度にとどまったこと。この時は同時に発表された失業率がコロナ危機前の3%台に低下したため、雇用情勢の改善と受け止めた金利高で、ドル売りを食い止めました。その後、ロシア中銀が公表した外貨準備比率でユーロを拡大、ドルを縮小させたこともドル・円を一段と下押しする要因になりました。

さらに、パウエルFRB議長の再任に関する上院公聴会での発言はその前の日に明らかになった準備原稿ほどはタカ派寄りでなかったものの、インフレ抑制に必要な措置を講じる方針を示しました。12日の消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%と39年ぶりの伸びを示しインフレ高進が鮮明に。ただ、市場予想の範囲内だったことから米金利が低下に転じ、ドルは115円を下抜けました。


ドルは当面115円台を維持するとみられていたため、114円台への下落はやや意外な展開となりました。それに勢いづいたユーロ・ドルは1.14ドル台に押し上げられ、目先は1.15ドルを目指す展開です。具体的なユーロ買い要因は見当たらないものの、昨年11月に1.15ドルを割り込んで以来ユーロは下落基調を強めていたため、その水準に持ち直せばドルとの形勢は逆転するかもしれません。


当局者のなかで最もハト派のブレイナードFRB理事が引き締めに前向きな姿勢を示しても、反応は限定的でした。FRBが3月から年4回の利上げに踏み切るとの市場観測が、かえって警戒感を呼び起こしたとの見方もできます。ただ、そうした過度な期待を背景としたドル買いがいったん収束しただけで、1月24-25日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)後は再び底堅い値動きになることも想定されます。

(吉池 威)

※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。


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