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NYの視点:米景気減速の兆候、10年債利回りは0.5%追加利上げ前の水準

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米国経済に減速の兆候が見え始めた。最新5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は2.6と、4月17.6から予想以上に低下し20年5月来で最低となった。NY地区連銀製造業も予想外のマイナスに再び落ち込んだことに続いて、製造業は冴えない。同指数の出荷は35.3と、19.1から上昇、需要項目となる新規受注は22.1と、17.8から上昇したことは安定材料だが、雇用が3月の1968年来の最高水準41.4から25.5に一気に低下。また、6カ月後の見通しが2008年12月来の低水準に落ち込んだことが懸念材料となる。また、支払い価格や受取価格の見通しも低下。製造業は中国や欧州といった国外の景気鈍化やサプライチェーン混乱が大きく影響している。本年の中国経済の成長率は2%に落ち込むとの悲観的見解も浮上しており、景気の減速で需要の落ち込みが懸念される。

労働市場のひっ迫が緩和する兆候も見られる。米労働省が発表した週次新規失業保険申請件数(5/7)は2.1万件増の21.8万件と4月末以来の高水準。失業保険申請件数も減少が一段落し、増加傾向にある。パンデミック時に景気回復を支えた住宅市場の成長も鈍化の兆しを見せた。全米不動産者協会(NAR)が発表した中古住宅販売件数の4月分は前月比-2.4%の561万戸と、予想564万戸を小幅下回り、20年6月来の低水準となった。住宅ローン金利の上昇や原材料価格の高騰で価格も上昇していることが背景になる。コンファレンスボードが発表した6カ月先の景気見通しを示す4月景気先行指数は前月比-0.3%と、予想外に1月来のマイナスに落ち込んだ。

米国債相場は反発。10年債利回りは5月連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)が0.5%の追加利上げを決定する前の水準まで低下した。今後、労働市場のひっ迫が解消、需要も鈍化し、当初警戒されたような大幅な利上げは必要とならなくなる可能性も浮上しており、ドル買いも一段落している



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