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NYの視点:米リセッション懸念強まる、FRBの大幅利上げ観測が後退

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連邦準備制度理事会(FRB)の大規模緩和も功を奏し、パンデミック時に景気を支えた住宅市場や製造業が鈍化の兆しを見せ、米国経済の景気後退入りは避けられないとの懸念が再燃している。

米商務省が発表した4月新築住宅販売件数は前月比−16.6%の59.1万戸と、予想外に3月70.9万戸から減少し、パンデミック対処で経済封鎖が開始された直後の20年4月来で最低となった。前年比では‐27%。住宅市場が急激に悪化する兆候が示された。新築販売が住宅市場に占める割合は10%に過ぎない。しかし、契約時点での統計となるため、住宅市場全体の先行指標として注目される。住宅ローン金利の急伸、建設コストの上昇やサプライチェーンの混乱が影響し価格が上昇。住宅市場に大きく影響している証拠となった。30年物の住宅ローン固定金利は5.25%と、2021年末の3%前後から大幅に上昇。中間住宅価格は前年比19.6%増の450600ドル(約5600万円)と過去最高を記録した。

製造業にも、ウクライナ戦争の長期化、中国のコロナによる都市封鎖を受けたサプライチェーン混乱の長期化の影響が具体的に現れ始めた。NY連銀製造業指数に続いて最新5月のリッチモンド連銀製造業指数は予想外のマイナスに落ち込み、パンデミック来で最低。米5月製造業PMI速報値は57.5と、4月59.2から予想以上に悪化し2月来で最低となった。5月サービス業PMI速報値は53.5と、4月55.6から予想以上に悪化し1月来で最低。5月総合PMI速報値は53.8と、1月来で最低となった。

低調な結果を受けて連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げに踏み切る必要が低下したとの見方も強まり、ドルの上昇も一段落している。ウクライナ戦争も3カ月目入り、さらに、中国も依然都市封鎖を継続しており、不透明感も高く、FRBの引き締めの行方は、今後の経済指標の結果次第となる。

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