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底堅い値動きながらエヌビディア急落の影響が指数の重荷に【クロージング】

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26日の日経平均は小幅続落。72.96円安の26604.84円(出来高概算10億8000万株)で取引を終えた。前日の米国株の上昇を背景にグロース株を中心に買い先行で始まり、取引開始直後に一時26898.75円まで買われた。また、「政府は6月にも外国人観光客の新規受け入れを再開する」と伝わったことで、経済活動再開への期待感も支援要因となり、空運や陸運など内需関連株にも資金シフトが見られた。ただ、円相場が1ドル=127円台と円安傾向が一服しているほか、米国市場の取引終了後に決算を発表したエヌビディアは予想を下回ったことが嫌気され時間外取引で急落。東エレク<8035>など国内半導体関連株に悪影響を及ぼした。時間外取引での米株先物も軟調に推移していたことから、次第に買い見送りムードが強まり、26600円前後でのもみ合いが続いた。

東証プライムの騰落銘柄は値上がり銘柄が1000を超え、全体の6割近くを占めた。セクターでは空運、陸運、輸送用機器、ゴム製品、不動産など23業種が上昇。一方、非鉄金属、電気機器、精密機器、石油石炭、水産農林など10業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、KDDI<9433>、ファーストリテ<9983>、トヨタ<7203>、アステラス薬<4503>が堅調だった半面、東エレク、アドバンテス<6857>、ファナック<6954>、信越化<4063>、エムスリー<2413>が軟化した。

注目された5月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期にタカ派化する公算は小さいことが示唆された。これを受けて、前日の米国市場は景気後退への懸念が和らぎ、買い戻しの動きが先行、主要3株価指数は上昇した。投資マインドの改善を受けて、東京市場も買い先行スタート。ただし、米国市場ではエヌビディアの急落によって他の半導体株への下落が不安視されるなか、東エレクなど半導体株が指数の重荷だった。また、中国の李克強首相が、「中国の経済統計は著しく悪化。厳しさは幾つかの側面において、またある程度において、パンデミックの打撃を受けた2020年よりも深刻だ」と述べたことも中国景気への懸念も拭えず、次第に買い見送り色が広がった。

米国では今夜、ブレイナードFRB副議長の講演が予定されており、9月以降の利上げのペースについて示唆があるのかどうか注目をされている。ドル売りを通じてリスク回避の動きが株式市場に波及する可能性もあるだけに、講演内容とそれを受けた米国金融市場の動きが重要になってこよう。


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