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米国株式市場見通し:米ISM景気指数や雇用統計に注目

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アメリカは週明け30日がメモリアルデーの祝日で休場となる。米株式相場は底入れしたとの見方も出ているが、FRBによる金融引き締めが景気後退につながるとの懸念も根強く、リバウンド相場の持続性には疑念が残る。決算シーズンが一巡したことで、市場の注目は6月半ばのFOMCへと移ることになろう。

来週の注目は3日に発表を控える5月雇用統計だろう。非農業部門雇用者数の伸びは4月から鈍化する見込みだが、失業率は低下が予想されている。5月FOMC議事要旨を受け、積極的な利上げへの懸念は和らぎ、また、4月PCEデフレーターでは物価上昇率の鈍化が示された。今後、インフレがピークアウトしていることをより明確に確認できれば、FRBは実際に金融引き締めのペースを鈍化させる可能性があるだろう。そうした中、雇用統計が市場の予想を大きく上回った場合には、FRBの利上げペースに対する懸念が再燃し、落ち着きを見せていた投資家心理は再び悪化、相場が大きく変動する可能性があるため、注意したい。

経済指標では、3月FHFA住宅価格指数、3月S&P20都市住宅価格指数、5月消費者信頼感指数、5月ダラス連銀製造業活動(31日)、5月ISM製造業景況指数、4月JOLT求人(6月1日)、5月ADP雇用統計、週次新規失業保険申請件数、4月製造業受注、4月耐久財受注(2日)、5月雇用統計、5月ISM非製造業景況指数(3日)などが予定されている。また、FRBは1日にベージュブック(地区連銀経済報告)を公表する予定。

企業決算では、クラウドベースの顧客管理ソフトウエアのセールスフォース・ドットコム、情報技術ソリューションを提供するヒューレット・パッカード・エンタープライズ、ランジェリーブランドのビクトリアズ・シークレット(31日)、ペット用品のオンライン小売チューイ、ビデオゲーム販売のゲームストップ(6月1日)、スポーツ衣料品メーカーのルルレモン、法人顧客向けユーザー認証サービスを手掛けるオクタ(2日)などが予定されている。

セールスフォースは成長鈍化への懸念から株価が下落基調にあり、金融引き締め懸念も加わるなか、足元では昨年11月につけた過去最高値の半値近い水準で推移している。投資家は先行きへの不透明感から今後の業績見通しに敏感になっており、株価の反応は大きくなる傾向にある。投資家を安心させるだけの見通しを示し、株価を下げ止まらせることができるのかが注目される。

(Horiko Capital Management LLC)


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