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ソフト99 Research Memo(8):次期中期経営計画ではSDGsを意識した製品・サービスの開発にも取り組む方針

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■ソフト99コーポレーション<4464>の今後の見通し

3. 中期経営計画の進捗状況
2021年3月期からスタートした中期経営計画では、「将来の社会変化を新たな事業領域の拡張の機会と捉え、既存技術・ノウハウの横展開に加えて新たな技術・ノウハウの獲得、及びこれらの融合をはかることで、“他にない”新しい価値と事業の創出を目指していく」という方針を掲げ、最終年度となる2023年3月期に売上高で27,100百万円、営業利益で2,850百万円を当初目標に設定した。その後、コロナ禍によって打撃を受けた事業(温浴事業、介護予防支援事業等)があった一方で、生活様式の変化に伴い特需が発生した製品や事業(メガネケア製品、生活用品企画販売事業等)があり、また、半導体市場の活況によりポーラスマテリアル事業の収益が予想以上に成長したこともあって、最終年度の業績目標値は、営業利益で2年、売上高で1年それぞれ前倒しで達成した。2023年3月期業績については、既述のとおり外部環境の悪化もあって減益見通しとなっているが、当初計画からは売上高、各利益ともに上回る見通しだ。

次期中期経営計画については今後策定していくことになるが、同社ではSDGsの視点がより一層重要になると考えており、省資源化や環境にやさしい製品及びサービスの開発、またDXの取り組みなどを推進していくことで持続的な成長を目指していく方針だ。

(1) ファインケミカル事業
国内一般消費者向け製品(自動車向け)については、カーライフに関わる「キレイ」「安全・安心・快適」「修復」を届けるべく、新製品・サービスの拡大に向けた取り組みを強化していく。具体的には、抗菌・抗ウイルスコーティングなどの車内美装製品・サービスを強化していくほか、カー用品店など小売店へのコーティングメニューの提案を継続して進めていく。また、自動車向け以外にも同社の技術力が生かせる領域への展開を進めていく考えだ。海外事業については、既存市場における売上拡大だけでなく、今後の市場拡大が見込まれるインドや南米市場についても現地代理店との関係構築を図りながら一層推進していくことにしている。

DXの取り組みについては得意先顧客管理のデジタル化を支援していくとともに、アプリを活用することで顧客の利便性向上を図り、取引の深耕につなげていく。また、新規サービスとして法人営業車両向けの安全運転管理システムの開発を目指している。システム構築については(株)ハネロンが担当し、将来的にはアスモで運営している自動車教習所の技術指導にも活用できるような新規サービスの開発などに展開し、グループシナジーを高めていく戦略となっている。

(2) ポーラスマテリアル事業
ポーラスマテリアル事業においては、半導体等のハイテク分野の製造装置用消耗部材の領域において引き続き清浄度や耐久性、作業性を高めた製品の開発に取り組むことで、市場シェアの維持向上を図っていく。また、医療分野をハイテク分野に並ぶ新たな収益柱として育成していく考えで、開発をより一層強化していく方針だ。生活資材分野では、国内向けには高品質素材訴求によって強豪との差別化を図るとともに、OEMビジネスやECビジネスの拡大によるシェアの維持・向上を図っていく。また、海外向けには、スポーツ用途展開による新市場の開拓や、グループリソースを有効活用した新規市場の開拓に取り組んでいく。

(3) サービス・不動産関連事業
自動車整備・鈑金事業においては、自動車のさらなるハイテク化を見据えたエーミング※技術対応を強化することで入庫車両数の確保を図るとともに、輸入車メーカー認証の取得による対応車両の拡充を進めていく。また、同事業の約2割を占めるプロテクションフィルムやボディコーティング施工についても、顧客開拓を進めながら売上拡大を図っていく。

※先進安全技術をはじめとする電子制御装置を適切に作動させるために必要な調整・校正作業のこと。


自動車教習所事業では、教習所指導員のノウハウを活用した新サービスの開発を進めていくことで、新たな収益源の構築を目指す。生活用品企画販売事業では、ECサイトの再構築と企画製品の開発を強化していくことで、今までリーチできていなかった顧客層に向けて提案できるプラットフォームを確立していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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