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フォーバル Research Memo(7):中小企業のDX及びGXを支援する“GDX戦略”が地方を起点に展開始まる

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■中長期の成長戦略

● 2030年を見据えた“GDX戦略”
フォーバル<8275>は、これまで行ってきた中小企業に対するDX及びGXの支援を融合・進化させ、“GDX(グリーンデジタルトランスフォーメーション)戦略”を発表した。この戦略は、政府が推進する「経済財政運営と改革の基本方針2021 日本の未来を拓く4つの原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」(骨太方針2021。2021年6月に閣議決定)に沿った内容となっている。一方で、中小企業においては、取り組む必要性の認識に加えて、情報・人材・資金力・時間などが不足しており、課題が多い。そこで、長年、中小企業の経営改善に取り組んできた同社では、新たに今後2030年を見据えたテーマとして「中小企業のGDX化の伴走型アドバイザーとして確固たる地位を確立」するとして、全国的に地域の自治体や関係企業、団体、個人を巻き込みながら推進することを宣言した。同社の主な施策として、1)GDXアドバイザーの創造、2)新たな貸出ビジネスの創造、3)「きづなPARK」の質的・量的拡充、4)中小企業のスコアリング開始の4点を掲げている。

施策1)GDXアドバイザーの創造
同社では、これまで“中小企業向けのDXアドバイザーの第一人者”として、アイコンサービスをはじめIT人材教育など多面的な活動を行ってきた。しかし、アイコンサービスの契約先は4万社強であり、全国300万社以上の中小企業のDX化には、より大きな組織が必要となる。また、IT人材だけでも全国で数十万人不足していると言われており、同社とOEM企業だけでは、マンパワー不足である。“GDXアドバイザー”構想は、産学官の協力により全国でDXとGXに詳しい人材を育て、マッチングした中小企業を支援する仕組みである。当面は全国で向こう3年間に1万人のGDXアドバイザーを選定・育成する目論見である。

GDXアドバイザーによる活動は地方で実証が始まっている。一例として、同社が愛媛県で受託した「令和3年度ものづくり企業新展開支援事業」では、生産性向上を目指したDXの研修を手掛けるほか、DX化専門家によるオーダーメイド型の伴走支援を行う。同社では、よりアドバイザー人材が不足する地方で成功モデルを作り、GDX人材の育成と中小企業とのマッチングを全国的に普及させる構想である。

施策2)新たな貸出ビジネスの創造
GDXアドバイザーは、コンサルタント経験などがあるわけではなく、育成が必要になる。また、中小企業への多岐にわたるアドバイスに際しては、様々なツールが必要になる。同社には、18年に及ぶアイコンサービスの経験により蓄積した様々な手法、ツール、アプリケーションなどがある。特に、近年はOEM(代理店)での展開を行ってきており、パートナーとの連携によるサービスの充実には手応えがある。同社では、将来的には“貸出ビジネスモデル”として確立する計画である。

施策3)「きづなPARK」の質的・量的拡充
同社は2021年10月に、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」をオープンした。「きづなPARK」は、中小企業の大切な経営情報を「つなぎ」、企業と企業を「つなぐ」次世代に継承され続けるような、様々なコンテンツが集う場所というコンセプトで構築されたビッグデータで、中小企業は経営情報を収集・蓄積・分析活用でき、企業経営に役立てることができる。例えば、多くの中小企業の経営情報が集まることで自社と同規模の企業群の統計情報と比較できる(ベンチマーク)。財務データだけでなく、DXやGX、知的財産やESGに関連する情報などの非財務データも含めたビッグデータが集まる点で、唯一無二の構想である。今後「きづなPARK」は、GDXアドバイザーが対象企業を効率的に分析しモニターしていくうえで重要な基盤となる。

施策4)中小企業のスコアリング開始
同社では、「きづなPARK」を活用してスコアリングを開始する。手始めにESG(E: Environment=環境、S: Social=社会、G: Governance=ガバナンス)に関するスコアリングを順次拡大する。スコアアップのコンサルティングのなかで中小企業の利益に貢献する支援ができるのが、同社の長年積み上げてきた強みである。 将来的には、中小企業スコアリング企業の第一人者としての地位を確立することを目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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