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AIAIグループ Research Memo(11):人口問題を総合的に解決するビジネスの展開を目指す

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■成長戦略

1. 中期経営計画を策定
AIAIグループ<6557>は中長期的に目指す姿として、待機児童が解消に向かうなか、近年増加傾向にある障がい児への適切なケアを通じて子どもの能力開発をサポートするとともに、2030年代にピークを迎える高齢化に向けた事業基盤整備を進め、人口問題を総合的に解決するビジネスを展開するとしている。

そして2022年5月に「AIAIグループ中期経営計画2022~2024」を策定し、数値目標として2025年3月期売上高120億円~130億円程度、営業利益3億円~5億円程度を掲げた。主要KPIの目標としては、新規施設開設では、障がい児ケアの多機能型施設AIAI PLUSが3年間で新たに28施設、認可保育園のAIAI NURSERYが3年間で新たに9~13施設とした。またAIAI PLUSの稼働率はオープン1年以上経過した施設で90%以上を目指す。待機児童が減少傾向の一方で障がい児が増加傾向という市場環境の変化に対応し、AIAI NURSERYによる安定的な収益基盤を維持しつつ、成長分野のAIAI PLUSの展開に段階的にシフトする方針だ。テック事業の契約件数は2022年3月期比で1,500件の増加を目指すとしている。

事業別基本戦略として、AIAI PLUSは増加傾向にある障がい児への適切なケアを通じた能力開発、AIAI NURSERYはインクルーシブ保育に向けたAIAI PLUSとの連携及び幼児教育プログラムの充実、テック事業はテックプロダクトを通じた個別最適な子どものケアの実現、AIAI MAISON/AIAI HOUSEは2030年代介護本格展開に向けた基盤整備を推進する。

アクションプランとして、AIAI PLUSではAIAI NURSERYの物件開発ノウハウを活用して投資対効果が期待できる地域への積極的な新規施設開設を進め、AIAI NURSERYと同一または近隣の市区内に開設するドミナント戦略により、AIAI NURSERYとの集客、資格者の戦略的な人材配置、採用の面での事業間シナジーの発揮を目指す。そして稼働後早期の高稼働率実現を目指す。

AIAI NURSERYでは、高い投資対効果が見込めるエリアに絞って毎年2~4施設の開園を継続し、安定的な収益基盤を維持する。待機児童が減少する局面でも、幼児教育プログラムの充実や優秀な人材の育成によって、差別化戦略を推進して高稼働率の維持を目指す。また、多様なキャリアパスにより、保育士の離職率低減も図る方針だ。

テック事業では、当面は先行投資を継続し、契約件数増加や顧客単価(ARPA)の上昇により2025年3月期~2026年3月期に黒字化を目指すとしている。また、他企業との連携にも取り組み、新たな価値の創出を図る方針だ。2022年1月~3月には、CCS及び園児の午睡チェックセンサーCCS SENSORを活用して、良質な睡眠環境の確保や適切なケアに関してユニ・チャーム(株)と共同研究を行った。

ライフケア事業(AIAI MAISON/AIAI HOUSE)では、2030年代の介護人口比率ピークに照準を合わせ、2026年以降の介護事業の本格展開に備えてサービス/ビジネスモデルの整備を進める。高付加価値サービスの提供を通じて高い収益性の実現を目指す。

財務・資本戦略としては、自己資本充実に向けて、資産の流動化(流動化が可能な固定資産や有価証券の保有見直し)や、株式市場からの調達も含めた多様な資本調達の検討を進める。人事戦略としては、施設・オフィスのすべての社員が働きやすい環境整備の促進(健康経営の推進、ライフスタイルにあわせた多様な働き方の実現など)、及び優秀な人材を育成する体制の整備(ライセンス制度や教育修士制度による保育士のキャリアアップ支援、母店制度による母店施設長から一般施設長へのマネジメント支援)を推進する。なお2022年4月には経済産業省と日本健康会議より「健康経営優良法人2022」の認定を取得した。

2. 3年間で総額2,500百万円の投資計画
将来に向けた持続的な成長と事業規模の拡大に向けて、中期経営計画3年間で総額2,500百万円程度の投資を見込んでいる。内訳は、AIAI NURSERYの安定的な出店(2025年3月までに新たに9~13施設開設)で2025年3月までに1,550百万円程度、AIAI PLUSの積極展開(2025年3月までに新たに28施設開設)で2025年3月までに800百万円程度、テック事業の保有ICTプロダクトへの投資で2025年3月期までに新規機能開発投資150百万円程度としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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