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ユーロ週間見通し:もみ合いか、日欧金利差の存在がユーロ売り抑制も

■下げ渋り、米長期金利低下でユーロ売り縮小

今週のユーロ・ドルは下げ渋り。ラトビア中央銀行のカザークス総裁が「欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げはまだ終わっていない可能性がある」との発言を受けて、ユーロ買いが優勢となった。米連邦準備制度理事会(FRB)による0.75ポイントの追加利上げを想定して、ユーロ売り・米ドル買いが一時活発となったが、7月28日発表の4-6月期国内総生産(GDP)は予想に反してマイナス成長を記録したことから、米長期金利は低下し、ユーロ売り・米ドル買いは縮小した。取引レンジ:1.0097ドル-1.0258ドル。

■弱含みか、エネルギー供給不安がユーロ相場を圧迫も

来週のユーロ・ドルは、弱含みか。ロシア産天然ガスの欧州への供給不足によりエネルギー価格が高騰するなか、ユーロ圏経済の減速懸念でユーロ売りに振れやすい展開となりそうだ。欧州中央銀行(ECB)の政策運営への影響も警戒され、ユーロ売りを後押し。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げペース鈍化の可能性に言及したが、当面は引き締めを維持しユーロ買い・米ドル売りドルが拡大する可能性は低いとみられる。

予想レンジ:1.0050ドル−1.0300ドル

■下落、ドイツ向け天然ガス供給量の大幅削減を嫌気

今週のユーロ・円は下落。ロシアがドイツへの天然ガス供給量のさらなる削減を発表したことを受けて、ドイツの景気後退入りの懸念が高まり、リスク回避のユーロ売り・米ドル買いが活発となった。米ドル・円相場が円高方向に大きく振れたことも影響し、この影響でユーロは一時135円55銭まで下落した。取引レンジ:135円55銭−140円07銭。

■もみ合いか、日欧金利差の存在がユーロ売り抑制も

来週のユーロ・円はもみ合いか。ロシア産天然ガスの欧州への供給量は大幅に減少し、エネルギー価格の高騰によるユーロ圏経済への影響を懸念したユーロ売りに振れやすい。欧州中央銀行(ECB)の利上げ方針が揺らぐケースも想定され、ユーロ買いは後退しよう。ただし、日本銀行は現行の金融緩和策を長期間維持する方針のため、当面は金利差取引が過度なユーロ売り・円買いを抑制する可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・1日:6月失業率(5月:6.6%)
・3日:6月小売売上高(5月:前月比+0.2%)

予想レンジ:134円50銭−137円50銭

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