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ビーアンドピー Research Memo(6):2023年10月期の売上高はコロナ禍前の水準を超える見通し

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■今後の見通し

1. 2023年10月期の見通し
2023年10月期の業績は、売上高3,200百万円(前期比9.8%増)、営業利益409百万円(同8.8%増)、経常利益409百万円(同8.5%増)、当期純利益262百万円(同9.0%増)と増収増益を見込んでいる。2023年10月期においてもビーアンドピー<7804>を取り巻く事業環境の回復が継続し、展示会やイベント関連の受注が好調に推移することを想定している。上期、下期の売上高は、それぞれ前年同期比10%程度の増収を見込んでおり、通期ではコロナ禍の影響が全くなかった2019年10月期の水準を上回ることを想定している。営業利益に関しても2019年10月期の426百万円に迫る水準になることを見込んでいる。

具体的な戦略として同社は、「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つを掲げている。デジタル技術の進歩による広告媒体の変化やインターネット・スマートフォン・SNSの普及による購買行動の変化などを受け、セールスプロモーションの手法も変化してきている。同社は、「時流適合」をさらに強化することによって、回復している需要を確実に取り込み、業績拡大につなげる方針だ。

2. 2023年10月期の主な取り組み
(1) シェア拡大:営業エリアの拡大と新規顧客の拡大を図る
営業エリアと新規顧客を拡大するため、2022年11月に京都営業所を新たに開設した。2019年4月に開設した福岡営業所、同年10月に開設した名古屋営業所が順調に業績を拡大しており、さらなる販売エリアの拡大を目的としている。京都は、アフターコロナでのインバウンド需要の増加が期待される地域である。関西エリアは、大阪万博の2025年開催に向けて広告需要の増加が見込まれている。同営業所の開設によって、地域密着かつスピーディーな対応を可能にする営業体制を構築し、京都、並びに関西エリアの営業を強化する計画だ。

また、既存エリアにおいては営業体制のさらなる強化を進める。名古屋・福岡の両拠点においては、営業人員を増強して体制を強化する。主要事業拠点である大阪、東京、横浜の各エリアにおいては、営業部門における情報共有と連携を強化することによって人材の質を高め、顧客満足度をさらに高める方針である。

(2) 機能拡大:既存サービスの幅を広げ、受注の拡大を目指す
現在提供しているサービスを拡充し、より柔軟に顧客のニーズに対応する。今後は、同社が従来扱ってきた多品種少量生産型インクジェットプリントに加えて、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件にも対応していく。社内制作体制の構築と外部協業先との連携によって、幅広く受注を確保する戦略だ。

デジタルサイネージ事業においては、取り扱うサイネージのラインナップの強化を計画している。加えて、CMSによる映像配信システムの導入提案を推進する。ハードとソフトの両面で顧客のニーズにより柔軟に対応できる体制を構築することによって、同社の付加価値を高める方針だ。さらに、ウェブプロモーション事業においては、ECサイト構築の内製化などを推し進め、生産性の向上と納入スピードの短縮化を実現する方針である。これらの施策により、売上と利益の拡大を実現する。

(3) 領域拡大:既存ノウハウの転用により、新事業を創造する
今後の成長が期待できる市場に対して既存の経営資源を活用して参入し、新たな収益源を確立する。経営資源を生かせる新事業として同社は、2022年12月に「オーダーグッズ制作事業」を開始した。同事業では、Tシャツや雑貨などの販売促進用グッズの製造受託に加えて、近年着実な成長を示しているキャラクタービジネス市場において、キャラクターグッズを扱う法人やコンテンツホルダーと連携し、ライセンス事業を展開する方針である。また、2023年2月には、エンドユーザー向けのオーダーグッズ制作専門サイトの開設し、1個から注文できる体制を整えた。幅広い商品ラインナップと柔軟な受注体制を整えることによって、ユーザーのニーズに対応していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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